まいにちポップス(My Niche Pops)

令和初日から毎日、1000日連続で1000曲(せんきょく)を選曲(せんきょく)しました。。。古今東西のポップ・ソングのエピソード、洋楽和訳、マニアックなネタ、勝手な推理、などで紹介しています。キャッチーでメロディアスなポップスは今の時代では”ニッチ”なものになってしまったのかなあとも思いますが、このブログを読んでくださる方の音楽鑑賞生活に少しでもお役に立てればと願っています。みなさんからの追加情報や曲にまつわる思い出などコメントも絶賛募集中です!text by 堀克巳(VOZ Records)

「雨の日と月曜日は(Rainy Days and Mondays)」カーペンターズ(1971)

 おはようございます。

 まだまだ続きます”雨の歌”。ちょうど月曜日なので、カーペンターズの大ヒット曲を。


Carpenters - Rainy Days And Mondays (Official Video)

 

Talkin' to myself and feelin' old
Sometimes I'd like to quit
Nothin' ever seems to fit
Hangin' around
Nothin' to do but frown
Rainy days and Mondays always get me down

What I've got they used to call the blues
Nothin' is really wrong
Feelin' like I don't belong
Walkin' around
Some kind of lonely clown
Rainy days and Mondays always get me down

Funny, but it seems I always wind up here with you
Nice to know somebody loves me
Funny, but it seems that it's the only thing to do
Run and find the one who loves me (the one who loves me)

What I feel has come and gone before
No need to talk it out (talk it out)
We know what it's all about
Hangin' around (hangin' around)
Nothin' to do but frown
Rainy days and Mondays always get me down

Funny, but it seems that it's the only thing to do (only thing to do)
Run and find the one who loves me

What I feel has come and gone before
No need to talk it out
We know what it's all about
Hangin' around (hangin' around)
Nothin' to do but frown
Rainy days and Mondays always get me down
Hangin' around (hangin' around)
Nothin' to do but frown
Rainy days and Mondays always get
Me down

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  "ひとり言を言って なんだか年をとったみたい

 時々全部やめてしまいたくなる なにもかもがしっくりこなくて

 顔をしかめることしかできないまま うろうろしている

 雨の日と月曜日は いつも気が滅入ってしまう

 

 これを人はブルース(憂鬱)って呼んでいたのね

 何かが間違ってるわけじゃないけど 自分の居場所がないみたいで

 孤独な道化師みたいに 歩き回ってる

 雨の日と月曜日は いつも気が滅入ってしまう

 

 おかしいけど いつも最後はあなたとここにいる

 誰かが自分を愛してくれるって素敵ね

 おかしいけど 私にできるのはそれだけみたい

    走って、私を愛してくれる人の姿を見つけること

 

 こんな気持ちが訪れて去ってゆくことは前にもあったわ

 口に出すまでもない どんなものか誰もが知っているから

 顔をしかめることしかできないまま うろうろして

 雨の日と月曜日は いつも気が滅入ってしまうってことを

 

 おかしいけど 私にできるのはそれだけみたい

    走って、私を愛してくれる人の姿を見つけること

 

 こんな気持ちが訪れて去ってゆくことは前にもあったわ

 口に出すまでもないわね どんなものか私たち知っているから

 顔をしかめることしかできないまま うろうろして

 雨の日と月曜日は いつも気が滅入ってしまうってことを” (拙訳)

 

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「雨の日と月曜日は」の楽譜はこちら

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 僕が洋楽を聴き始めた1970年代中頃、カーペンターズは日本で大変人気があって、この曲もよくラジオなどでよく耳にしました。

 そして、月曜日と雨の日は憂鬱なものだと、知らないうちに刷り込まれていたように思います。月曜に雨が降ってたりすると勝手に頭の中でこの曲が流れ出すこともよくありました。この曲の暗示力は侮れません。

 

 でも歌詞をよく読むと、自分を愛してくれる彼氏もしっかりいるわけで、なにか憂鬱になる具体的な根拠があるわけじゃなくて、あくまでも”気分”なんですね。

 

 曲を書いたのはポール・ウィリアムス(作詞)とロジャー・ニコルズ(作曲)。

   前年にカーペンターズが歌った「愛のプレリュード(We've Only Just Begun)」が大ヒットしていて、リチャード・カーペンターこの曲のデモを二回聴くとすぐにレコーディングを取り掛かり始めたといいます。

 

 ポール・ウィリアムスによると一行目の

”Talkin' to myself and feelin' old”(ひとり言を言って、年をとったみたい)

というところは、彼の母親が実際に”I'm just feeling old"と口癖のようにひとり言を言っていたことがきっかけだったようです。

 

   また、

 ”What I've got they used to call the blues”(これを人はブルース(憂鬱)って呼んでいたのね)

  のところは、

 憂鬱になったことを表現するときに、I've got the bluesという言い方があって、それが当時もうすでに使い古され陳腐なものになっていて、でも彼としてはthe bluesと言う言葉は使いたいということで、考え出したものだそうです。そして、ポール自身はこの曲の中で一番好きなフレーズだと言っています。

 

 ちなみに、「ムーン・リバー」など数々のスタンダードを書き、アメリカ最高の作詞家と呼ばれるジョニー・マーサーに会った時に彼から、「君は、”What I've got they used to call the blues”のポール・ウィリアムスか?」と言われて、大変感激したそうです。

 

 この曲は全米最高2位まであがりました。その時の一位はキャロル・キング「イッツ・トゥ・レイト / 空が落ちてくる」だったようで、素晴らしいワンツー・フィニッシュですね。

 カーペンターズをデビュー前から支え続けたジョー・オズボーンがベース、ドラムスはハル・ブレインと”レッキング・クルー”がバックを務めています。

   イントロの印象的なハーモニカはトミー・モーガンアメリカを代表するハーモニカ奏者ですが、ポップス史上に残るこの大傑作でも彼のハーモニカが聴けます。マニアックなネタですが、、、

  (*2分半以降から現れます。)


The Beach Boys - Good Vibrations

 

 

最後にこの曲を作詞したポール・ウィリアムスのヴァージョンを。1974年リリースの「Here Comes Inspiration」に収録されていました(この人の歌、ちょっとモゴモゴして聴こえるかもしれませんが、好きになるとハマっちゃうんですよね。。)

 

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