おはようございます。
今日はジャッキー・デシャノンの「ウォーク・イン・ザ・ルーム」です。
I can feel a new expression on my face
I can feel a glowin' sensation taking place
I can hear the guitars playin' lovely tunes
Every time that you walk in the room
I close my eyes for a second and pretend it's me you want
Meanwhile I try to act so nonchalant
I see a summer's night with a magic moon
Every time that you walk in the room
Maybe it's a dream come true
Walkin' right alongside of you
Wish I could tell ya how much I care
But I only have the nerve to stare
I can feel a something pounding in my brain
Just any time that someone speaks your name
Trumpets sound, and I hear thunder boom
Every time that you walk in the room
Every time that you walk in the room
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”私 今まで見たことのない表情を浮かべているわ
不思議な感覚が生まれるのを感じる
ギターが奏でる素敵な曲が聴こえてくるの
いつもあなたが部屋に入って来ると
ちょっと目を閉じて あなたが好きなのは私だって空想してみる
同時に 全然興味のないそぶりをしようとするの
魔法の月を連れて 夏の夜がやってくる
いつもあなたが部屋に入って来ると
もしかして夢が叶うのかしら
あなたのすぐそばに立って
どれだけ好きか伝えられたらいいのに
だけど私にはただ見つめるだけの勇気しかない
頭の中まで鼓動が響くの
誰かがあなたの名前を呼ぶだけで
トランペットの音と雷のとどろきのよう
いつだってあなたが部屋に入って来るたびに” (拙訳)
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ジャッキー・デシャノンは大変才能に溢れたシンガー・ソングライターですが、シンガーとしては他の人が書いた曲のほうがヒットし、ソングライターとしては他の人が歌うとヒットするという、ちょっと”ねじれた”キャリアを持つ人でもあります。
「ウォーク・イン・ザ・ルーム」は彼女が書いた曲で、最初は自分で歌ってリリースしました。
初々しい恋のときめきをフィル・スペクター風のサウンドにのせて歌う、まさに、古き良き女性アイドルポップスの見本ともいうべきマスターピースです。
プロデューサーはべンチャーズの「ウォーク・ドント・ラン」などを手がけたディック・グラッサー(彼は翌々年にベンチャーズにもこの曲をカバーさせています)。
残念ながら、この曲は全米最高99位と売れませんでした。
しかし、翌年この曲のカバーが大ヒットします。歌ったのはザ・サーチャーズ。ビートルズに代表されるイギリスのロック・バンド・ブーム(ブリティッシュ・インヴェイジョン)の一角を担ったバンドで、カバー曲を得意としていました。
彼らのヴァージョンは全英3位、全米35位まであがっています。
実は彼らはこの前の年にもジャッキーの売れなかった曲をカバーしてヒットさせています。曲は「ピンと針(Needles And Pins)」。恋の辛い気持ちを”ピンと針”でチクチク刺されたような痛みに例えた歌です。ジャッキーのオリジナルは全米84位に対して彼らのカバーは全英1位、全米13位と大ヒットしました。
この曲を書いたのは当時フィル・スペクターの元で仕事をしていたジャック・ニッチェとソニー・ボノ。ジャッキーのインタビューによると、この曲を作った時に彼女も一緒にいて、作者の名前にはクレジットされていませんが、ブリッジや歌詞の一部には彼女のアイディアが採用されていたとのことです。
1985年にはトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズとスティーヴィー・ニックスのライヴ・ヴァージョンが全米37位になっています。
さて「ウォーク・イン・ザ・ルーム」に話を戻します。
この曲はまずイントロのギターのリフからキャッチーですが、これもジャッキー本人が考えたものなのだそうです。この頃彼女はとにかく売れたかったのでしょうか、曲のHOOK(つかみ)というのを追求していたと語っていて、このリフを最初に思いついてから曲を作っていったそうです。
そしてそのあと、彼女はビートルズのアメリカ・ツアーのオープニング・アクトに選ばれます。
彼女は緊張しながらポール・マッカートニーに挨拶に行くとポールは
「君のレコードやデモは全部聴いてるよ。すごくクールだね」と言ってくれたそうです。
また移動の飛行機の中で、ジョージ・ハリスンが彼女に「ウォーク・イン・ザ・ルーム」のリフを弾いて見せてと言ってきたということです。緊張した彼女はうまく弾けなかったようですが。
そこでふと思い出したのが、ビートルズのUSツアーの翌年リリースされたこの曲の有名なリフ。
曲自体はジョン・レノンがメインで作ったと言われていますが、リフを弾いているのはジョージ。ひょっとして、、。
それはともかく「ウォーク・イン・ザ・ルーム」はその後たくさんのアーティストにカバーされてます。
バーズのクリス・ヒルマン、アバのアグネッタ、バングルスのスザンナ・ホフス、ステイタス・クォー、ポール・キャラック、スティーヴ・フォーバート、、、、。
1979年に発売され日本でも人気の高かったカーラ・ボノフの「ささやく夜(Restless Night)」にも収録されていました。
When You Walk In The Room(with lyrics)-Karla Bonoff
僕が特に注目したいのがブルース・スプリングスティーン。彼は1970年代から今に至るまで、ライヴのレパートリーとしてこの曲をよく演奏しています。これが、彼のオリジナルかと思うほどのハマっているんですよね。
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