まいにちポップス(My Niche Pops)

令和初日から毎日、1000日連続で1000曲(せんきょく)を選曲(せんきょく)しました。。。古今東西のポップ・ソングのエピソード、洋楽和訳、マニアックなネタ、勝手な推理、などで紹介しています。キャッチーでメロディアスなポップスは今の時代では”ニッチ”なものになってしまったのかなあとも思いますが、このブログを読んでくださる方の音楽鑑賞生活に少しでもお役に立てればと願っています。みなさんからの追加情報や曲にまつわる思い出などコメントも絶賛募集中です!text by 堀克巳(VOZ Records)

「シェイク・イット・オフ~気にしてなんかいられない!!(Shake It Off)」テイラー・スウィフト(2014)

 おはようございます。

 今日はテイラー・スウィフトの「シェイク・イット・オフ」です。


Taylor Swift - Shake It Off Official Music Video

I stay out too late
Got nothin' in my brain
That's what people say, mmm-mmm
That's what people say, mmm-mmm
I go on too many dates (Haha)
But I can't make them stay
At least that's what people say, mmm-mmm
That's what people say, mmm-mmm


But I keep cruisin'
Can't stop, won't stop movin'
It's like I got this music in my mind
Sayin', "It's gonna be alright"

 

'Cause the players gonna play, play, play, play, play
And the haters gonna hate, hate, hate, hate, hate
Baby, I'm just gonna shake, shake, shake, shake, shake
I shake it off, I shake it off
Heartbreakers gonna break, break, break, break, break
And the fakers gonna fake, fake, fake, fake, fake
Baby, I'm just gonna shake, shake, shake, shake, shake
I shake it off, I shake it off


I never miss a beat
I'm lightnin' on my feet
And that's what they don't see, mmm-mmm
That's what they don't see, mmm-mmm
I'm dancin' on my own (Dancin' on my own)
I make the moves up as I go (Moves up as I go)
And that's what they don't know, mmm-mmm
That's what they don't know, mmm-mmm


But I keep cruisin'
Can't stop, won't stop groovin'
It's like I got this music in my mind
Sayin', "It's gonna be alright"


'Cause the players gonna play, play, play, play, play
And the haters gonna hate, hate, hate, hate, hate
Baby, I'm just gonna shake, shake, shake, shake, shake
I shake it off, I shake it off
Heartbreakers gonna break, break, break, break, break
And the fakers gonna fake, fake, fake, fake, fake
Baby, I'm just gonna shake, shake, shake, shake, shake
I shake it off, I shake it off


Shake it off, I shake it off
I, I, I shake it off, I shake it off
I, I, I shake it off, I shake it off
I, I, I shake it off, I shake it off


Hey, hey, hey
Just think, while you've been gettin' down and out about the liars
And the dirty, dirty cheats of the world
You could've been gettin' down
To this sick beat

My ex-man brought his new girlfriend
She's like, "Oh my God!" But I'm just gonna shake
And to the fella over there with the hella good hair
Won't you come on over, baby?
We can shake, shake, shake
Yeah, oh, oh, oh

'Cause the players gonna play, play, play, play, play
And the haters gonna hate, hate, hate, hate, hate
(Haters gonna hate)
Baby, I'm just gonna shake, shake, shake, shake, shake
I shake it off, I shake it off (Ha!)
Heartbreakers gonna break, break, break, break, break (Mmm)
And the fakers gonna fake, fake, fake, fake, fake
(And fake, and fake, and fake)
Baby, I'm just gonna shake, shake, shake, shake, shake
I shake it off, I shake it off (I, I, I)

Shake it off, I shake it off
I, I, I shake it off, I shake it off
I, I, I shake it off, I shake it off
I, I, I shake it off, I shake it off、、、

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遅くまで夜遊びして
頭は空っぽ
みんなそう言うわ
みんなそう言うわ
たくさん男と付き合うけど
長続きできない
少なくともみんなそう言うわ
みんなそう言うわ

 

でも、私は進んでゆくわ
止められない、動き続けたいの
まるで心の中の音楽がこう歌っているみたいに
”何とかなるさ”って

 

だって、遊び人はずっと遊んで、遊んで、遊んでゆくし
嫌いな人は、ずっと嫌って 嫌って 嫌ってゆくから
ベイビー、私はただ シェイク、シェイク、シェイクして
振り払うの、振り落とすの

心を傷つける人は これからも傷つけて、傷つけてゆくし
ペテン師は、ずっとだまして、だまして、だましてゆくから

ベイビー、私はただ シェイク、シェイク、シェイクして
振り払うの、振り落とすの

 

私は動揺なんてしないし
倒れずに立っているわ
そして、それが人にはわからないのね
それがみんなわからないのね
私は自分の力で踊っているし
踊りたいように踊るわ
それをみんなわかってないのね
それをみんなわかってないのね

 

でも、私は進んでゆくわ
止められない、動き続けたいの
まるで心の中の音楽がこう歌っているみたいに
”何とかなるさ”って

 

だって、遊び人はずっと遊んで、遊んで、遊んでゆくし
嫌いな人は、ずっと嫌って 嫌って 嫌ってゆくから
ベイビー、私はただ シェイク、シェイク、シェイクして
振り払うの、振り落とすの

心を傷つける人は これからも傷つけて、傷つけてゆくし
ペテン師は、ずっとだまして、だまして、だましてゆくから

ベイビー、私はただ シェイク、シェイク、シェイクして
振り払うの、振り落とすの

 

振り払って、振り落とすの、、、、

 

ねえ、ねえ、ねえ
考えてみて、あなたが世の中嘘つきや
汚い、汚い詐欺師たちのことで落ち込んでいる間に
この最高のビートに合わせて踊ることもできたのよ

元彼が新しい彼女を連れてきたわ
彼女は "Oh my God!"といった感じよ
でも、私はただ振り払うわ
そして、そこの、髪がすごくキマってるあなた
こっちに来ない、ベイビー?
一緒に踊ろう、踊ろう、踊ろうよ

 

だって、遊び人はずっと遊んで、遊んで、遊んでゆくし
嫌いな人は、ずっと嫌って 嫌って 嫌ってゆくから
ベイビー、私はただ シェイク、シェイク、シェイクして
振り払うの、振り落とすの

心を傷つける人は これからも傷つけて、傷つけてゆくし
ペテン師は、ずっとだまして、だまして、だましてゆくから

ベイビー、私はただ シェイク、シェイク、シェイクして
振り払うの、振り落とすの

 

振り払って、振り落とすの、、、、       (拙訳)

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 テイラー・スウィフトの世界的な大ブレイクには、連日このブログで紹介しています、史上最高の”ヒット請負人”、マックス・マーティンの手腕が鮮やかに発揮されています。

 元々、彼女は3歳でカントリー・ミュージックのメッカ、テネシー州ナッシュビルに転居し、やがてシャナイア・トゥエインに衝撃を受けたことで、カントリーのシンガー・ソングライターになることを目指して活動を始めました。

 

 デビューしたのは彼女が17歳のとき、人気カントリー歌手の名前を曲のタイトルにしたシングル「Tim McGraw」が全米チャート最高40位と上々のスタートを切ります。

www.youtube.com

 別れてしまった彼に

”あなたがTim McGrawのことを考える時は、私が一番好きな歌のことも思い出してね”

と歌う内容になっています。

 彼女はそのままヒットを重ね、2008年11月リリースのセカンドアルバム「Fearless」は2009年に全米で最も売れたアルバムになり、カントリー・ミュージックのNO.1スターの地位にのぼりつめます。

 

 彼女がポップスにクロスオーヴァした路線に踏み出したのが2012年のアルバム「RED」です。そこで、大きな役割を果たしたのが、マックス・マーティンとシェルバックの師弟コンビでした。「RED」は彼女の今までのカントリーの路線も残しながら、彼らが手掛けるキャッチーなシングル曲がフィーチャーされています。

 

 すでに大スターだった彼女でしたが、全米NO.1になるような大ヒット曲がまだありませんでした。

 そこで、彼女とマックスとシェルバックで作って、見事全米一位になり、日本でもTV「テラスハウス」で使われたことで大ヒットしたのがこの曲でした。

 

「We Are Never Ever Getting Back Together(私たちは絶対に絶対にヨリを戻したりしない)」


Taylor Swift - We Are Never Ever Getting Back Together

 

 マックス・マーティンはメタル・バンドのボーカルをやっていたことがあって、シェルバックはドラマーでデスメタルをやっていたそうです。知り合いを介して、シェルバックはデスメタルのデモをマックスに送り続けていたらしく、そのデモを聴いたマックスは”こいつポップス作れるかもしれない”と思って声をかけたそうです。

 

 アイドルのダンスポップのイメージが強い、マックスとシェルバックですが、バックグラウンドはロックだったわけですから、こういう曲は本来得意だったはずです。 

  

  実はこの曲、 彼らがレコーディングしているときに彼女の元カレの友達がやってきて、彼女とよりを戻したという話を聞いたんだけど、、などとしゃべっていったらしく、その後、その話に興味津々なマックスとシェルバックに彼女が、元カレとの裏話をしていくうちにこの曲が思いついたそうです。

 歌詞の世界が今どきの女性の共感を呼ぶような、本音を歌うスタイルになったことが、彼女を大きな成功に導くわけですが、それはちょっとした偶然から生まれたわけなんですね。

 そして、マックスとシェルバックの臨機応変な対応も、いかにも新しい時代のヒットメイカーらしいスタイルだと思います。

 

 今までの、自分で曲も作るヒットプロデューサーはほとんどの場合、ひとつの”自分の音世界”を作り上げて、曲を出し続けながら大衆がその音世界に”馴染んでいく”ことで売れていくという流れがあったと思います。しかし、その音世界はやがて飽きられる宿命にあります。特に今は流行りすたりのスピードが異常に速いので、あっという間に次の流行にとってかわられるのは必然的なことです。

 

 それに対して、マックスはまずそのアーティストの個性を尊重して引き出しながら、彼が今まで蓄積させてきた”普遍のヒット曲の法則”を、柔軟に対応させているように見えます。

 そのフレキシビリティ(柔軟性、融通性)と客観的な判断力がすごいのだと思います。確固たるスタイルではなく、フレキシビリティ。それが、21世紀仕様のヒットメイカーのスタイルだと僕には思えます。

 

 彼女の次のシングル「I Knew You Were Trouble」も、マックス、シェルバック、テイラーの共作による、女性の恋愛本音を歌ったポップロックで全米2位のヒットになり、彼女はカントリー界の歌姫から、ポップスの最前線に躍り出ることになります。

 そして、マックスとシェルバックも、次のアルバム「1989」から、テイラーのメインプロデューサー・チームに格上げになります。

 そして、そのファースト・シングル「シェイク・イット・オフ」で思いっきりポップスに振り切ります。そして、それが特大のヒットになり、彼女は時代のポップ・アイコンの座まで一気にのぼりつめるわけです。

 

 歌詞は、他人は自分のことをああだこうだ言うけど、どうしようもないことだから、そんなもの気にしない、振り払っちゃうわ、という、ポップスターとしての自分のことを歌いつつも、”スーパースターの告白”というようなものではなく、普通の女性が共感できるかたちにしっかり落とし込んだ歌詞になっています。

 

   彼女の場合。ポップスターになったことの代償として、いろんなゴシップを書かれるようになったわけで、それが歌詞に反映されているわけですね。特に彼女の場合は、本人も”いい人に思われるよう”最大限つとめてきたようで、それだけに、精神的にも相当なダメージをうけたようです。

 

 しかし、彼女はその心情を歌にすることでそれを乗り越えていったようです。そして、正直な思いを語る彼女のスタイルが、いっそう大衆にアピールするようになっていき、彼女は現代屈指の女性シンガーになっていったわけです。

 

 ちなみに、この曲を最初に聴いたとき、僕はオールド・ファンなので、ケニー・ロギンスの「フットルース」を思い出しました。他にそう感じた人はいないのかなあ?と思って検索したら、この二つの曲をマッシュアップ(混ぜる)して、演奏している動画(のちに削除されました)があったり、「フットルース」の映像に「シェイク・イット・オフ」を合わせている動画もありました。

 

 このご時世、キャッチーな新曲というのがめったに聴けなくなってしまいましたが、たまにそういう曲があって作者を調べると、マックス・マーティン、ということがホント多いです。

 

<マックス・マーティンのヒット曲>

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