まいにちポップス(My Niche Pops)

令和元年初日から毎日更新中〜1日1ポップス。エピソード、歌詞の和訳、謎解き、マニアックな捜査、勝手な推理、などで紹介していきます。text by 堀克巳(VOZ Records)

「シェイク・イット・オフ~気にしてなんかいられない!!(Shake It Off)」テイラー・スウィフト(2014)

 おはようございます。

 今日はテイラー・スウィフト

 彼女の世界的なブレイクには、連日このブログで紹介しています、史上最高の”ヒット請負人”、マックス・マーティンの手腕が鮮やかに発揮されています。

 元々、彼女はカントリーのシンガー・ソングライターとして、アメリカでは大変人気が高かったのですが、ポップスにクロスオーヴァした路線に踏み出したのがアルバム「RED」です。そこで、大きな役割を果たしたのが、マックス・マーティンとシェルバックの師弟コンビでした。「RED」は彼女の今までのカントリーの路線も残しながら、彼らの手掛けるキャッチーなシングル曲がフィーチャーされています。

 もともと彼女はアルバムはものすごく売れていたのですが、全米NO.1になるような大ヒット曲がまだありませんでした。

 そこで、彼女とマックスとシェルバックで作り見事全米一位になり、日本でもTV[テラスハウス」で使われたことで大ヒットしたのがこの曲でした。


Taylor Swift - We Are Never Ever Getting Back Together

 マックス・マーティンはメタル・バンドのボーカルをやっていたことがあって、シェルバックはドラマーでデスメタルをやっていたそうです。知り合いを介して、シェルバックはデスメタルのデモをマックスに送り続けていたらしく、そのデモを聴いたマックスは”こいつポップス作れるかもしれない”と思って声をかけたそうです。

 アイドルのダンスポップのイメージが強い、マックスとシェルバックですが、バックグラウンドはロックだったわけですから、こういう曲は得意だったはずです。   

  実はこの曲、 彼らがレコーディングしているときに彼女の元カレの友達がやってきて、彼女とよりを戻したという話を聞いたんだけど、、などとしゃべっていったらしく、その後、その話に興味津々なマックスとシェルバックに彼女が、元カレとの裏話をしていくうちにこの曲が思いついたそうです。

 歌詞の世界が今どきの女性の共感を呼ぶような、本音を歌うスタイルになったことが、彼女を大きな成功に導くわけですが、それはちょっとした偶然から生まれたわけなんですね。

 そして、マックスとシェルバックの対応も、新しい時代のヒットメイカーらしいスタイルだと思います。

 今までの、自分で曲も作るヒットプロデューサーはみな”自分の音世界”を作り上げて、大衆がその音世界に”馴染んでいく”ことで売れていくわけです。しかし、それはやがて飽きられる宿命にもあります。特に今は流行りすたりのスピードが異常に速いので、すぐに次の流行にとってかわられるでしょう。

 それに対して、マックスはまずそのアーティストの個性を尊重して引き出しながら、彼が今まで蓄積させてきた”普遍のヒット曲の法則”をそこに対応させていくわけです。

 そのフレキシビリティ(柔軟性、融通性)と客観的な判断力がものすごいのだと思います。そしてそれが、21世紀仕様のヒットメイカーのスタイルだと思います。

 

 次のシングル「I Knew You Were Trouble」も、マックス、シェルバック、テイラーの共作による、女性の恋愛本音を歌ったポップロックで全米2位のヒットになり、彼女はカントリー界の歌姫から、ポップスの最前線に躍り出ることになります。

 そして、マックスとシェルバックも、次のアルバム「1989」から、テイラーのメインプロデューサー・チームに格上げになります。

 そして、そのファースト・シングル「シェイク・イット・オフ」で思いっきりポップスに振り切ります。そして、それが特大のヒットになり、彼女は時代のポップ・アイコンにまで一気にのぼりつめるわけです。

 歌詞は、他人は自分のことをああだこうだ言うけど、どうしようもないことだから、そんなもの気にしない、振り払っちゃうわ、という、一人の女性としてだけじゃなく、ポップスターとしての自分が重なるような歌詞になっています。

  前作でポップスターになったことの代償として、いろんなゴシップを書かれるようになったわけで、それが歌詞に反映されているわけですね。

 

 ちなみに、この曲を最初に聴いたとき、僕はオールド・ファンなので、ケニー・ロギンスの「フットルース」を思い出しました。他にそう感じた人はいないのかなあ?と思って検索したら、この二つの曲をマッシュアップ(混ぜる)して、演奏している動画が見つかりました。


Groovin' You - Footloose/Shake It Off (Kenny Loggins/Taylor Swift Mashup)

 

 このご時世、キャッチーな新曲というのがめったに聴けなくなってしまいましたが、たまにそういう曲があって作者を調べると、マックス・マーティン、ということがホント多いです。


Taylor Swift - Shake It Off Official Music Video

 

Shake It Off

Shake It Off