まいにちポップス(My Niche Pops)

令和元年初日から毎日更新中〜1日1ポップス。エピソード、歌詞の和訳、謎解き、マニアックな捜査、勝手な推理、などで紹介していきます。text by 堀克巳(VOZ Records)

「シュガー・ベイビー・ラヴ(Sugar Baby Love)」ザ・ルベッツ(1974)

 おはようございます。

 今日はザ・ルベッツ。イギリスのポップ・グループです。

 キャッチーで明るいポップソングは、ヒットチャートでは滅多に聴かなくなりましたが、昔から相変わらずキャッチーな曲を耳にする機会が多いのがTVCMです。

 数十秒の間に、視聴者に強い印象を残すためには、メロディが明快なものや、イントロなどでフレーズが耳に残りやすいもの、というのが必須なのでしょう。

 この「シュガー・ベイビー・ラブ」も21世紀に入ってからも、必ず何かのCMで使われているんじゃないかと思うくらいよく耳にします。それだけ、ポップで「つかみ」が強い曲なんでしょう。

 この曲は、ウェイン・ピッカートンとトニー・ワディントンというソングライター・チームが、コンテスト用もしくはアーティスト提供用のデモを作るためにミュージシャンを集めた時に用意されたものだったそうです。

 ミュージシャンたちは、これは売れるぞ!と思ったのでしょう、自分たちで歌いたいと頼んで、そのままバンドを結成することになりました。

 しかし、ボーカルのポール・ダヴィンチは他の会社と契約があったため参加できなくなり、アラン・ウィリアムスという人が代わりのボーカリストになります。

 ただ、ポールのファルセット・ボイスあっての曲だったのでしょう(CMで使われるのも、冒頭のファルセットの部分が多いですよね)、レコードではポールのボーカルをそのまま使うことになります。

 この曲はイギリスのTV番組「トップ・オブ・ ザ・ポップス」(イギリスのヒットチャートに一番大きい影響を与える歌番組です)に出演したことがきっかけに大ヒットしたのですが、アランはポールの歌を一生懸命真似する練習をして挑んだようです。

 「シュガー・ベイビー・ラヴ」は曲自体もシンプルでキャッチーですが、あのオープニングのファルセットがなければ、これほどヒットはしなかったでしょう。

 いわゆる「一発屋」の大ヒット曲には、そういう効果的な”仕掛け”があって、そこが肝でもあるんでしょうね。

 

 というわけで、ザ・ルベッツは「シュガー・ベイビー・ラヴ」で一発当てるために組まれた即席バンドであり、しかも一番重要なメインボーカルはレコーディングのみ、アーティスト活動を始めた時にはボーカルが変わっていた、という珍しいエピソードの持ち主だったんです。

 

 そして、「シュガー・ベイビー・ラヴ」はこれ1曲で一生営業できるほどのヒットになったようで、”即席バンド”ザ・ルベッツはメンバーを変えながら続くことになりました。、アランも一度ルベッツから脱退しましたが、また戻って”ザ・ルベッツ・フィーチャリング・アラン・ウィリアムス”という名義で活動しています。ポールは”オリジナル・ヴォイス・オブ・”シュガー・ベイビー・ラヴ”という売り文句をひっさげて歌手活動を続けているようです。

 

  


The Rubettes - Sugar Baby Love

 

シュガー・ベイビー・ラヴ

シュガー・ベイビー・ラヴ