まいにちポップス(My Niche Pops)

令和初日から毎日、1000日連続で1000曲(せんきょく)を選曲(せんきょく)しました。。。(現在は不定期で更新中)古今東西のポップ・ソングのエピソード、和訳、マニアックなネタ、勝手な推理、などで紹介しています。キャッチーでメロディアスなポップスは今の時代では”ニッチ(NIche)”なものになってしまったのかもしれませんが、みなさんの毎日の音楽鑑賞生活に少しでもお役に立てればうれしいです。みなさんからの追加情報や曲にまつわる思い出なども絶賛募集中です!text by 堀克巳(VOZ Records)

「ヤミーヤミーヤミー(yummy yummy yummy )」オハイオ・エクスプレス(The Ohio Express)(1968)

 おはようございます。

 今日もバブルガム・ポップのヒット曲です。オハイオ・エクスプレスの「ヤミーヤミーヤミー」です。

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Yummy, Yummy, Yummy
I got love in my tummy
And I feel like a-loving you
Love, you're such a sweet thing
Good enough to eat thing
And that's just a-what I'm gonna do
Oh love to hold ya
Oh love to kiss ya
Oh love, I love it so
Oh love, you're sweeter
Sweeter than sugar
Oh love, I won't let you go


Yummy, Yummy, Yummy
I got love in my tummy
And as silly as it may seem
The loving that you're giving
Is what keeps me living
And your love is like
Peaches and cream
Kind-a like sugar
Kind-a like spices
Kind-a like, like what you do
Kind-a sounds funny
But love, honey
And honey, I love you

 

Yummy, Yummy, Yummy
I got love in my tummy
That your love can satisfy
Love, you're such a sweet thing
Good enough to eat thing
And sweet thing, that ain't no lie
I love to hold ya
I love to kiss ya
Oh love, I love it so
Oh love, you're sweeter
Sweeter than sugar
Oh love, I won't let you go

********************

うま、うま、うま
愛でおなかいっぱい
キミに恋してるみたいだ
キミは、なんて甘いんだ
食べるには十分さ
それはまさに、ボクがやろうとしてること
ああ、抱きしめたい
ああ、キスしたい
ああ、すごく愛してる
ああ、君は甘い
砂糖より甘い
ああ、君を離せない


うま、うま、うま
愛でおなかいっぱい
バカみたいに見えるかもね
キミがくれる愛情で
ボクは生きてるんだ
そして、キミの愛は、まるで
ピーチ&クリーム
まるで、砂糖みたい
まるで、スパイスみたい
まるで、キミがしてることみたい
まるで、面白そう
でも、愛しい、ハニー
そしてハニー、キミを愛してる

 

うま、うま、うま
愛でおなかいっぱい
キミの愛で満たされて
キミは、なんて甘いんだ
食べるには十分さ
それはまさに、ボクがやろうとしてること
ああ、抱きしめたい
ああ、キスしたい
ああ、すごく愛してる
ああ、君は甘い
砂糖より甘い
ああ、君を離せない

                (拙訳)

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    昨日取り上げた1910フルーツガム・カンパニー同様、このオハイオ・エクスプレスもジェリー・カセネッツとジェフ・カッツの”スーパーKプロダクション”のプロデュースによる、ヒット曲を作るためのプロジェクト・バンドです。

 この「ヤミーヤミーヤミー」も実はシンガーソングライターのジョーイ・レヴィンを含むニューヨークで活動するスタジオミュージシャンによる作品だったそうです。

 1910フルーツガム・カンパニーは、子供の遊び、をテーマにしましたが、オハイオ・エクスプレスは、幼児語、を使ってます。

 ヤミー(yummy)は、「おいしい」の幼児言葉です。ただし、もう少し上の年齢の子供も使うようで、異性に対して素敵だという意味で使うスラング、といった説明もありました。ただし、いい大人が使う言葉ではないのは確かです

 ちなみに、この曲に次ぐ彼らの2番目のヒット曲のタイトルが「Chewy Chewy」(1968年全米15位)です。

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 ちょっと乱暴に意訳すれば、彼らの代表曲は「うまうまうま」と「もちもち」ということになります(苦笑。

 さて、この「うまうまうま」じゃなかった「ヤミーヤミーヤミー」を書いたのがジョーイ・レヴィン。そして「渚のボードウォーク」(ドリフターズ)「グッド・ラヴィン」(ヤング・ラスカルズ)を書いたソング・ライター、アーサー・レズニックとの共作です。そして、彼らの作ったデモ音源がそのまま世に出てしまったようです。

 そう考えると、サビが、ヤミーヤミーヤミーじゃなく、しかも、もっとちゃんとアレンジされていれば、もっとかっこいい曲になったんじゃないかと思います。まあ、ヤミーヤミーヤミーだから、売れたんでしょうけど。

 この歌詞のせいで、「マイアミヘラルド」誌のデイヴ・バリーというコラムニストが、史上最悪の曲をランク付けしたときにこの曲は第2位に輝き(?)、「TIME」誌の企画”バカげた歌詞の曲”10曲にも選ばれています。 

 考えてみれば、ヤミーヤミーヤミーなんて曲を世に出すときに、バカにする人も少なくない、くらいは想定していたはずです。でも、話題になって売れればいい、ということなんでしょう。そう考えると、ちょっと炎上商法っぽいスタンスかもしれません。

 想定通り、か想定以上かはわかりませんが、1968年にバブルガム・ポップはまさに”はじけます”。急なブレイクで、曲も予算も足りなかったようで、1910フルーツ・ガム・カンパニーは「ヤミーヤミーヤミー」を、オハイオ・エクスプレスは「サイモン・セッズ」と「1.2.3 Red Light」をカバーするんです。しかも、ほとんど同じオケで。

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 まあ、ビートルズブライアン・ウィルソンのような才能と時間と予算をつぎ込んだ作品の素晴しさに心打たれながらも、こういうインスタントなヒットもなんか憎めない、というのがポップス・マニアならではの心理でもありますよね。

 エレクトロニック・ダンス・ミュージックの祖と呼ばれるジョルジオ・モロダーもスタートはバブルガム・ポップのアーティストで、この曲をカバーしていました。


Giorgio Moroder - Yummy Yummy Yummy

 最後は意外な、この曲のカバーを。歌っているのはハスキーボイスと美貌で知られるシンガー、ジュリー・ロンドン。1969年リリースのアルバムのなんとタイトル曲になっています。ドアーズの「ハートに火をつけて」やスパンキー&アワ・ギャングの「Like to Get to Know You」、ローラ・ニーロの「ストーンド・ソウル・ピクニック」などこの時代の最新ヒットを取り上げたアルバムですが、なぜこの曲を取り上げたかは不明です。大人の女性が「yummy yummy yummy」と発すると、特殊なセクシーさでも立ちのぼってくるのでしょうか?ネイティヴじゃないので僕にはわかりません(苦笑。

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オハイオ・エクスプレス・ベスト

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Yummy, Yummy, Yummy

Yummy, Yummy, Yummy

 

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