まいにちポップス(My Niche Pops)

令和元年初日から毎日更新中〜1日1ポップス。エピソード、歌詞の和訳、謎解き、マニアックな捜査、勝手な推理、などで紹介していきます。text by 堀克巳(VOZ Records)

「ヤミーヤミーヤミー(yummy yummy yummy )」オハイオ・エクスプレス(1968)

 おはようございます。

 今日もバブルガム・ポップのヒット曲を。

    昨日取り上げた1910フルーツガム・カンパニー同様、このオハイオ・エクスプレスもジェリー・カセネッツとジェフ・カッツの”スーパーKプロダクション”のプロデュースによる、ヒット曲を作るためのプロジェクト・バンドです。

 1910フルーツガム・カンパニーは、子供の遊び、をテーマにしましたが、オハイオ・エクスプレスは、幼児語、を使ってます。

 ヤミー(yummy)は、「おいしい」の幼児言葉です。ただし、もう少し上の年齢の子供も使うようで、異性に対して素敵だという意味で使うスラング、といった説明もありました。ただし、いい大人が使う言葉ではないのは確かです。

 この曲に続く彼らの2番目のヒット曲のタイトルが「Chewy Chewy」です。

 ちょっと乱暴に意訳すれば、彼らの代表曲は「うまうまうま」と「もちもち」ということになります(苦笑。

 さて、この「うまうまうま」じゃなかった「ヤミーヤミーヤミー」を書いたのは、メンバーのジョーイ・レヴィン。そして「渚のボードウォーク」(ドリフターズ)「グッド・ラヴィン」(ヤング・ラスカルズ)を書いたソング・ライター、アーサー・レズニックとの共作です。そして、彼らの作ったデモ音源がそのまま世に出てしまったようです。

 そう考えると、サビが、ヤミーヤミーヤミーじゃなく、しかも、もっとちゃんとアレンジされていれば、もっといい曲になったんじゃないかと僕は思います。まあ、ヤミーヤミーヤミーだから、売れたんでしょうけど。

 この歌詞のせいで、「マイアミヘラルド」誌のデイヴ・バリーというコラムニストが、史上最悪の曲をランク付けしたときにこの曲は第2位に輝き(?)、「TIME」誌の企画”バカげた歌詞の曲”10曲にも選ばれています。

 

 考えてみれば、ヤミーヤミーヤミーなんて曲を世に出すときに、バカにする人も少なくない、くらいは想定していたはずです。でも、話題になって売れればいい、ということなんでしょう。そう考えると、ちょっと炎上商法っぽいスタンスかもしれません。

 

 

 想定通り、か想定以上かはわかりませんが、1968年にバブルガム・ポップはまさに”はじけます”。急なブレイクで、曲も予算も足りなかったようで、1910フルーツ・ガム・カンパニーは「ヤミーヤミーヤミー」を、オハイオ・エクスプレスは「サイモン・セッズ」と「1.2.3 Red Light」をカバーします。しかも、ほとんど同じオケで。

 

 まあ、ビートルズブライアン・ウィルソンのような才能と時間と予算をつぎ込んだ作品の素晴しさに心打たれながらも、こういうインスタントなヒットもなんか憎めない、というのがポップス・マニアの心理でもありますよね。

 


OHIO EXPRESS - Yummy Yummy Yummy (1968)


Giorgio Moroder - Yummy Yummy Yummy


Ohio express Chewy Chewy

 

オハイオ・エクスプレス・ベスト

オハイオ・エクスプレス・ベスト

 

 

 

Yummy, Yummy, Yummy

Yummy, Yummy, Yummy