おはようございます。
今日は、”日本製のUKポップ(変な言い方ですが)の金字塔”、松尾清憲の「愛しのロージー」です。
かなり久しぶりに聴きましたが、あ〜ポップスっていいなあって、気分が上がりました。それにしても、この曲の作詞は秋元康だったんですね。。
さて、松尾清憲はロイ・ウッドとかデヴィッド・ペイトン(パイロット)などのUKポップスの鬼才たちと同様の”匂い”のする貴重な日本人だと僕は思っています。
ただ、彼の活動は実に多岐にわたっていて、全貌がつかみづらいように思えます。なので、今日は駆け足で、ほんとにざっくりとですが、彼の足跡を追ってみたいと思います。
彼のデビューは1980年。シネマというバンドで、ムーン・ライダーズの鈴木慶一のプロデュースでアルバム「MOTION PICTURE」(1981)を一枚リリースしています。こんな感じの曲をやっていました。
シネマは1981年に解散してしまい、バンドのドラマーだった鈴木さえ子が鈴木慶一のプロデュースで1983年に一足早くソロデビューしています。
そして、その翌年松尾はこの「愛しのロージー」でソロ・デビューを果たしますが、プロデュースはムーンライダーズの白井良明が担当しています。
「人柄や相性というのもあるのでしょうが、慶一さんの次に親しくなったのが白井さんでした。ギタリストとしての観点からもすごいミュージシャンだなと思っていたので、白井さんが僕のソロのプロデューサーという話は、ある意味、自然な流れでもありましたね」
(「ニュー・ベスト・オブ・松尾清憲:甘くてほろ苦い音楽生活のすべて」)
これが「愛しのロージー」の場合は特に功を奏しているように思えます。なにより、クイーンのブライアン・メイを楽しく模したようなギターが実に効いていますからね。
「愛しのロージー」に飛びついた僕は、その後、セカンド・アルバム、サード・アルバムとUKポップス色が褪せていったので、個人的には正直テンションが下がっていったのをおぼえています(勝手な反応なんですが、、)。
とはいえ、彼のキャッチーなメロディーを描く才能は衰え知らずで、サードアルバム「NO THANK YOU」からは「サニー・シャイニー・モーニング」がTVアニメ「めぞん一刻」の主題歌として人気になりました。
その後、彼はソロ活動を中断し、バンドを結成します。
もう一人のポップス職人、杉真理と意気投合して結成した”BOX”はかなりダイレクトにビートルズへのオマージュを表現したグループですが、二人の組み合わせはレノン(松尾)=マッカートニー(杉)という佇まいでしたが、僕はロイ・ウッド=ジェフ・リンの組み合わせに近い感じをうけました。
「Temptation Girl」(1988)
そして、1999年には松尾、杉の他に、チューリップのドラマー、上田雅利や、ポール・マッカートニー”直系”のシンガー・ソングライター、伊豆田洋之などが加わり、ピカデリー・サーカスを結成しています。
2000年以降はソロ活動を再開、それに加えてシネマの再結成、BOXのサード・アルバムなど精力的にリリースを行なっています。
また職業作家としても長く活動し、実にたくさんの曲を提供しています。作曲家としては鈴木雅之の「恋人」が有名ですね。
でも実は僕は彼の書く歌詞が好きでした。彼の歌詞に目をつけて発注した甲斐よしひろは素晴らしいと思います。
甲斐バンド「レイニー・ドライヴ」
最後は「愛しのロージー」のカバーを。元AKB48のオープニング・メンバーでその後ソロ活動をはじめ、シティ・ポップなどにもアプローチし、ポップ・マニアにアピールしてきた星野みちる。2015年に松尾清憲とコラボ・シングルをリリースしていて、そのB面に収録されていました。