おはようございます。
今日はユーリズミックスの「ゼア・マスト・ビー・アン・エンジェル (プレイング・ウィズ・マイ・ハート)」です
No-one on earth could feel like this
I'm thrown and overblown with bliss
There must be an angel
Playing with my heart
I walk into an empty room
And suddenly my heart goes "boom"!
It's an orchestra of angels
And they're playing with my heart
Must be talking to an angel
Must be talking to an angel
Must be talking to an angel,,,
No-one on earth could feel like this
I'm thrown and overblown with bliss
There must be an angel
Playing with my heart
And when I think that I'm alone
It seems there's more of us at home
It's a multitude of angels
And they're playing with my heart
Must be talking to an angel
Must be talking to an angel
Must be talking to an angel,,,
I must be hallucinating
Watching angels celebrating
Could this be reactivating
All my senses dislocating?
This must be a strange deception
By celestial intervention
Leavin' me the recollection
Of your heavenly connection
I walk into an empty room
And suddenly my heart goes "boom"!
It's an orchestra of angels
And they're playing with my heart
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誰もこんな気持ちにはなれないでしょう
私はうろたえ、吹き飛ばされそうなほどの至福を感じる
きっと天使がいて
私の心と戯れているの
誰もいない部屋に入ると
突然、心が "ブーン "と鳴ったのです
それは天使のオーケストラ
そして彼らは私の心とともに奏でている
天使と話をしているに違いないわ
天使と話をしているに違いないわ
天使と話をしているに違いないわ、、、
誰もこんな気持ちにはなれないでしょう
私は放たれて、至福で満ち溢れている
きっと天使がいて
私の心と戯れている
ひとりぼっちだと思っていたのに
家にはもっとたくさんいるような気がするの
たくさんの天使たち
私の心と遊んでいる
天使と話をしているに違いないわ
天使と話をしているに違いないわ
天使と話をしているに違いないわ、、、
私はきっと幻覚を見ているよ
天使が祝福しているのを見つめている
これは復活なの
感覚が全部麻痺しているの?
これはきっと天からの介入による不思議なまやかし
あなたとの天国のようなつながりの記憶を
私に残して
誰もいない部屋に入ると
突然、心が "ブーン "と鳴ったのです
それは天使のオーケストラ
そして彼らは私の心とともに奏でている
(拙訳)
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ユーリズミックスはアニー・レノックスとデイヴ・スチュワートの二人組で、1975年に出会っています。二人は”キャッチ”というパンク・バンドに参加し、”キャッチ”は”ツーリスト”といいバンドに変わりました。
ツーリストは1979年にダスティ・スプリングフィールドやベイ・シティ・ローラーズでよく知られる「二人だけのデート(I Only Want to Be with You)」をカバーし、全英4位のヒットになっています。
ツーリストにはピート・クームズという、音楽的なリーダーシップを取る人物がいたため、当時恋仲でもあったデイヴとアニーと方向性がずれてしまい、1980年にバンドが解散すると二人はユーリズミックスを始めます。
二人でユニットを組もうと決めたのは、ツーリストのツアー中にバンドが分裂してしまって、仕方なく滞在するこちょになったオーストラリアのワガワガという都市のホテルだったとデイヴ・スチュワートは語っています。
「僕たちは夜遅くホテルにいて、小さなポータブル・ミニ・シンセサイザーで遊んで痛んだ。僕らは何かやることに興味が湧いたんだ、二人きりで」
(Smh.com.au. 5 November 2013)
「アニーが一緒に歌い始めたとき、僕たちは考えました。”二人で、奇妙で実験的な電子音楽を作ることができるのではないかと”」
(The Guardian)
「アンのルーツはソウルだ。僕はどちらかと言うと機械的、メカニカルな方向に傾向している。この二つの組み合わせは最高さ」
(「ビー・ユアセルフ・トゥナイト」ライナーノーツより)
1980年といえば、シンセサイザーやドラム・マシーンがどんどん開発され始めた時期でデイヴは、そういう時代の最先端の”機械的な音楽”とアンの”ソウルフルなヴォーカル”を合わせることで、新しい音楽を作れると思ったということでしょう。
彼らの最初のシングルは「Never Gonna Cry Again」。全英63位という小さなヒットで終わっています。
最初はまだバンドっぽさが残っていましたが、セカンド・アルバムでは、より電子音楽寄りのアプローチをとり、アルバム・タイトル曲の「スウィート・ドリームス (アー・メイド・オブ・ディス)」がイギリスで2位とアメリカではNO.1の大ヒットになります。
世界的にはユーリズミックスといえばこの曲、というくらいの大ヒットです。
ツーリスト解散後、一文無しになり、ライヴをやっても客が4人しかいないという不遇の中で、借金して新しいシンセを買い曲を作り始めたそうです。
「だけど、新しい機材をどうしてもうまく使えなかった。その時、アニーは完全に失望していた。僕がこのビートとリフを作ることができたとき、彼女は床に丸まって胎児のようになっていたんだ。すると彼女は突然、こう言った「それはいったい何なの?」。そして、飛び起きてもう1台のシンセサイザーを弾き始めた。この2つのシンセサイザーの間から、「Sweet Dreams (Are Made of This)」が始まったんだ」
(The Guadian)
この曲の「Some of them want to use you」(誰かがあなたを利用したがっている)と言う歌詞は、ツーリスト時代のアニーの苦い経験から来た言葉だと言われています。
その後彼らはヒットを連発し、デイヴは才能溢れるクリエイターとして評判になり、アニーはビジュアル的にもインパクトのある”アイコン”として有名になっていきます。
「Here Comes the Rain Again」 1984年全米4位。
そして、彼らは4枚目のアルバム「ビー・ユアセルフ・トゥナイト」で、それまでの、無機質なトーンのエレクトロ・ミュージックから、R&Bの要素を大きく取り入れました。
それはアニー・レノックス本来のスタイルであり、当時のイギリスは、ジョージ・マイケル、ポール・ヤング、フィル・コリンズなど多くの白人アーティストがR&Bのスタイルのヒットを出していたので、”ソウル・ディーヴァ”としてのアニーの本領を発揮させようという意図があったに違いありません。
彼らのエレクトロ・ミュージック自体も大衆化して行き詰まり、新たな展開が必要だったというのもあるでしょう。
ファースト・シングルは「ビリーヴ・ミー(Would I Lie to You)」(全米5位、全英17位)。僕はこの歌好きなんです、、
このアルバムにはアレサ・フランクリンとのデュエットという”ハイライト”もありますが、最も異色だったのがこの「ゼア・マスト・ビー・アン・エンジェル (プレイング・ウィズ・マイ・ハート)」でしょう。
ダークなトーンを基調としていた彼らが、最上級の至福感を歌ったわけですから。
そして、その至福感にいっそうふくよかさを与えているのが、スティーヴィー・ワンダーのハーモニカですね。この方、ハーモニカで客演することも多いですが、その中でもその効果が最も現れた曲のひとつがこれであることは間違いないでしょう。
デイヴはこう語っています。
「アニー(レノックス)が、『これをピアノで作ってみたんだけど、スティービー・ワンダーにぴったりだと思うわ』と言ったんだ。彼女が弾いてみたら、二人で『すごい、そうだね!』と言ったんだ。
僕は『自分たちのバージョンを作ってみないか』と言った。その時点では、ピアノのパートとアニーの声だけだったのですが、すぐに心に残るものになったよ」
(MUSIC WEEK 24th 2018)
曲自体、スティーヴィーが歌うことをイメージしていたんですね!
この曲のスキャットの部分は、今もテレビで何度も聴きますよね。食べ歩き番組で店を紹介するくだりで流れて来たり、、。何気ない場面でもよく使われています。TV番組のBGMをつける音効さんのパソコンの音源リストの上位に常にこの曲はあるんじゃないでしょうか。定番のひとつとして。
この曲がこんな定着の仕方をしているのは当然日本だけでしょう。
ちなみにイギリスでは1位になりましたが、アメリカでは22位と、それほどヒットしていません。
最後は、アニーがピアノで作ったこの歌を、彼女がピアノで弾き語っている動画がありましたので、そちらを。
デイヴ・スチュワートのプロデュース作