まいにちポップス(My Niche Pops)

令和初日から毎日、1000日連続で1000曲(せんきょく)を選曲(せんきょく)しました。。。古今東西のポップ・ソングのエピソード、洋楽和訳、マニアックなネタ、勝手な推理、などで紹介しています。キャッチーでメロディアスなポップスは今の時代では”ニッチ”なものになってしまったのかなあとも思いますが、このブログを読んでくださる方の音楽鑑賞生活に少しでもお役に立てればと願っています。みなさんからの追加情報や曲にまつわる思い出などコメントも絶賛募集中です!text by 堀克巳(VOZ Records)

「パーソナリー(Personally)」カーラ・ボノフ(1982)

 おはようございます。

 今日はカーラ・ボノフの「パーソナリー」です。

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I've been writing letters everyday now
Since you've been gone
Talking to you on the telephone
For what seems like a whole life long
I've got something to give you
That the mailman can't deliver
I can't mail it in
I can't phone it in
I can't send it in
Even by your closest kin

I'm bringing it to you personally, personally, personally yeah, yeah
I'm bringing it to you personally, personally, personally yeah, yeah

There's nothing like the feeling I get
Oh when you’re touching me baby
There's nothing like the feeling you get
When I'm there with you, oh love
I've got something that the mailman can't deliver
I can't mail it in
I can't phone it in
I can't send it in
Even by your closest friend

I'm bringing it to you personally, personally, personally yeah, yeah
I'm bringing it to you personally, personally, personally yeah, yeah

But I've got something to give you
That the mailman can't deliver
I can't mail it in
I can't phone it in
I can't send it in
Even by your closest friend

I'm bringing it to you personally, personally, personally yeah, yeah
I'm bringing it to you personally, personally, personally yeah, yeah

 

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あなたが行ってしまってから

毎日今もあなたに手紙を書いている

電話で話したら 一生分かかりそう

あなたにあげたいものがある

郵便屋さんじゃ配達できないもの

手紙にも 電話にもこめられない

たとえあなたの一番近い親戚にも頼めない

届けに行くわ 私自身で 私自身で

届けに行くわ 私自身で 私自身で

 

ベイビー、あなたに触れられた時の感覚は

他のどんなものとも違うわ

私があなたといる時にあなたが感じるものは

他に比べようがないの

あなたにあげたいものがある

郵便屋さんじゃ配達できないもの

手紙にも 電話にもこめられない

たとえあなたの一番の親友にも頼めない

届けに行くわ 私自身で 私自身で

届けに行くわ 私自身で 私自身で

 

あなたにあげたいものがある

郵便屋さんじゃ配達できないもの

手紙にも 電話にもこめられない

たとえあなたの一番の親友にも頼めない

届けに行くわ 私自身で 私自身で

届けに行くわ 私自身で 私自身で

              (拙訳)

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 中山美穂織田裕二が主演し、AORコミュニティFMが主要なモチーフとなった、1991年の映画「波の数だけ抱きしめて」でも使われ、現在もAORのプレイリストによくピックアップされる曲です。

 

 カーラ・ボノフカリフォルニア州サンタモニカ出身のシンガー・ソングライター。16歳の頃から姉のリサとデュオを組み、有名なライヴ・ハウス”トルバドール”でもライヴをやっていました。 

 そこで 彼女はリンダ・ロンシュタットとストーン・ポニーズというグループを組んでいたケニー・エドワーズと知り合い、そこにアンドリュー・ゴールドとウェンディ・ウォルドマンが加わり”ブリンドル(Bryndle)”というバンドを結成し、1971年にシングルを一枚リリースしています。

 その1曲は彼女が作り、ヴォーカルもとった「Woke Up This Morning」という曲でした。

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 ちなみに片面はケニー・エドワーズが曲を作り、歌っています。

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 カーラの曲はキャロル・キング風ですし(彼女に最大の影響を与えたのはジョニ・ミッチェルだったようですが)、ケニーの方はジェームス・テイラー風ですね。ちなみにレーベルはA&M、プロデューサーは「つづれおり」を手がけたルー・アドラーだったそうです。

 少し調べてみた限り、世に出回っているシングルはプロモーション用のものばかりですので、商品としてはほとんど作られなかったのかもしれません。

  ブリンドルズはアルバムも作っていてお蔵入りしてしまったそうで、もしそれが発売されることがあれば、ポップス・マニアの人気アイテムになっていたかもしれませんね。      ちなみに、1990年代にブリンドルは再結成しています。

 

 ブリンドルが解散した後4人は、その後、全員がリンダ・ロンシュタットのバックやレコーディングの仕事をつとめるようになります。

 1976年にリリースされたリンダの『風にさらわれた恋(Hasten Down the Wind)』ではカーラが3曲提供し、うち2曲がシングルになっています。

 

そのうちの1曲「またひとりぼっち(Lose Again)」。ピアノはアンドリュー・ゴールドですね。

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 この成功をきかっけにカーラは1977年にアルバム「カーラ・ボノフ」でソロ・デビューを果たします。ケニー・エドワーズがプロデュースし、アルバムにはリンダに提供した3曲も収録されていました。

 そして、1979年にリリースされたセカンド・アルバム「ささやく夜(RESTLESS NIGHTS)」からは、ケニーと共作した「涙に染めて(Trouble Again)」が日本だけでシングルになり、ラジオ・ヒットになりました。それから、東京音楽祭でも金賞を受賞しています。

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  このアルバムは同時期にヒットしたJ.D.サウザーの「ユア・オンリー・ロンリー」と並んだ広告がFM雑誌などによく載っていて、当時の一つの潮流だった懐かしいR&Rのスタイルをウエスト・コースト・サウンドでアプローチするという共通点もあったので、僕の中では”セットで”記憶されています。

 ちなみに、この曲はのちにリンダ・ロンシュタットもカバーしています。

 1982年リリースのサード・アルバム『麗しの女〜香りはバイオレットWild Heart of the Young)』からのシングルで、彼女としては最大のヒット(全米19位)になったのが、この「パーソナリー」でした。

 

  この曲を書いたのはマイアミを拠点とするR&Bシンガーのポール・ケリー。1973年にリリースされたアルバム「 Don't Burn Me」は熱心なソウル・ファンから高く評価されている隠れた名盤です。


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 この曲は彼自身が1973年にレコーディングしますが発売されず、1978年にフロリダ出身の女性R&Bシンガー、ジャックー・ムーアがシングルとしてリリースしています。

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 この曲に目をつけたのが、R&Bマニアでもあるイーグルスグレン・フライ。最初ボニー・レイットに曲を送ってレコーディングするよう提案したようですが、実現せず、カーラに聴かせたところ、やってみようということになったそうです。

 

 1993年にはポール自身がセルフ・カバーをやっています。

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 その後、少しブランクがありましたが1988年に4thアルバム「ニュー・ワールド」をリリース。シングル「オール・マイ・ライフ」が日本のTVCMソングとして流れました。

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  そしてこの曲をリンダ・ロンシュタットが1988年にアルバム『クライ・ライク・ア・レインストーム』でアーロン・ネヴィルとのデュエットでとりあげ、グラミー賞を獲得しています。

 

 その後アルバムのリリースは途絶えてしまいましたが、2019年にセルフ・カバーのアルバム「CARRY ME HOME」をリリースしています。

 

  最後は「ささやく夜」に収録されていた「悲しみの水辺(The Walter Is Wide)」を。有名な曲ですが、僕は彼女のカバーが一番好きです。Spotifyでも彼女の一番人気の曲になっていました。

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