まいにちポップス(My Niche Pops)

令和元年初日から毎日更新中〜1日1ポップス。エピソード、歌詞の和訳、謎解き、マニアックな捜査、勝手な推理、などで紹介していきます

「 5月のシンフォニー」堀込泰行(2021)

おはようございます。

今日は堀込泰行の「5月のシンフォニー」です。

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風のうねり
森のざわめき

木漏れ日の午後と
笑い声のハーモニー

あぁ もう それは美しい
七色の光に包まれて

君がくれた
手紙がひとひら
言葉は空へ
小鳥のように

雲間から降りそそぐ

光のカーテンを潜りぬけて

Wind is blowing
涙の川をまたいで
We're all singing
5月の嵐の中を
遠くへ行こう

鐘が鳴るよ
始まり季節の
町から町へと
広がるシンフォニー

通り抜けたトンネルに
初めて見たような 懐かしい世界

Wind is blowing
涙の川をまたいで
We're all singing
祝福の嵐の中を
Wind is blowing
誰かの声に応えるよう

We're all singing
5月の嵐の中を
ともに行こう

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 世の中はいまだに、いやいっそうまた不穏な空気に満ちてきていますが、ふと窓の外を見ると、空は青く陽の光をうけて新緑がきらきらしていて、素晴らしい季節になったんだということに気づかされて、ちょっと息がつける気がします。

 

 ただシンプルに季節の素晴らしさを歌ったポップ・ソングなんて、ずいぶん久しぶりに聴くようで、とても新鮮に感じられます。

 

 ついこの間、彼の兄、堀込高樹がリリースした「再会」という曲は、コロナ渦の世の中で生きる人々の心情をストーリーに忍ばせながら、それを爽やかな明るい曲調に乗せることで、聴き手をポジティヴにさせてくれるような作品でしたが、こちらは、社会がどう変わろうとも、巡り来る季節の素晴らしさは変わらないんだ、というメッセージを受け取れるようで、これもまた、塞ぎがちな気分に風が通り抜けていくような感じのする作品です。

 さすが、兄弟揃って、社会の中での”ポップ・ソングのあり方”に本当に意識的なアーティストだなあ、またアプローチに仕方も対照的で面白いなあ、と感心したのですが、インタビューを読むと「5月のシンフォニー」のほうは曲自体はずいぶん前から温めていたものだったようです。

 

 ただし、曲を制作するときには、世の中の状況を十分に意識したようで、ラジオでは

「不安から解放されるユートピアのような曲を作りたいと思った」と語っていたそうで、ほかのインタビューでは

「予想以上に長引くコロナ禍のもと、やはり音楽を聴いている間は現実から離れて心を解放させてほしい、そんな気持ちで作りました」(BEAVOICE web)

と語っています。

 

 塞ぎがちなときは、意識がそこに向かっている間は、ひとときも心が休まることはないですよね。そういうときは、一度、全く違う場所に意識を動かすしかないように思います。

 音楽に没頭したり、自然の緑に目をやったり。そういう”昔からある当たり前の心の処方箋”を思い出させてくれる歌です。

 

 インタビューで彼は5月のイメージをこういう風に語っています。

 「春ではあるんですが3月や4月と違って生命力が夏に向かって溢れてしまっているというイメージです。僕の中では5月になると緑の色も濃くなりすぎて、もう爽やかではなくなってきているんですよね。 木々たちも自分たちの生命力を抱えきれなくなってきていて大気に放出しまっているようなイメージがあって、その生命力みたいなものが僕はすごく好きなんです。  

 子供の頃に住んでいた近所に河原があるんですけど、その季節になると土手沿いを歩いたり自転車に乗ったりしていたんです。なのでこの季節になると子供の時に見た原風景みたいなものが自分の中にあって、それを求めて今東京で暮らしていると、東京は意外と緑が多いのでその中を自転車に乗ったり、緑が多い公園に行ってその溢れんばかりの生命力を浴びにいくという習慣もあって。好きな季節ということで、その気持ちを曲に閉じ込めた感じなんです。僕が受けたものをアウトプットしたいという思いはありました」

 (MUSIC VOICE 4/22 配信)

 

 確かに、5月は爽やかというよりもっと生命力がありますね。

 その生命力を、アコースティックだけれど、フィル・スペクターのようなエコーの深いサウンドや、そして多重コーラスで表現しているのでしょう。

 

 そういえば、やはり”5月”をエコーの深いサウンドで表現したものが日本の曲で何かあったなあ、と思ったのですが、これでした。

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