まいにちポップス(My Niche Pops)

令和初日から毎日、1000日連続で1000曲(せんきょく)を選曲(せんきょく)しました。。。古今東西のポップ・ソングのエピソード、洋楽和訳、マニアックなネタ、勝手な推理、などで紹介しています。キャッチーでメロディアスなポップスは今の時代では”ニッチ”なものになってしまったのかなあとも思いますが、このブログを読んでくださる方の音楽鑑賞生活に少しでもお役に立てればと願っています。みなさんからの追加情報や曲にまつわる思い出などコメントも絶賛募集中です!text by 堀克巳(VOZ Records)

「サタデー・ナイト(Saturday Night)」ベイ・シティ・ローラーズ(1975)

 おはようございます。

 今日はベイ・シティ・ローラーズの「サタデー・ナイト」です。


Bay City Rollers - Saturday Night (Audio)

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S-A-T-U-R-D-A-Y night!    S-A-T-U-R-D-A-Y night!
S-A-T-U-R-D-A-Y night!    S-A-T-U-R-D-A-Y night!

keep on dancing to the rock and roll
On Saturday night, Saturday night
Dancin' to the rhythm
In our heart and soul
On Saturday night, Saturday night

I-I-I-I Just can't wait
I-I-I-I gotta date

At the good ol' rock and roll
road show, I've gotta go!
Saturday night Saturday night

Gonna rock it up
Roll it up
Do it all, have a ball
Saturday night Saturday night

S-S-S-Saturday night S-S-S-Saturday night

S-A-T-U-R-D-A-Y night!    S-A-T-U-R-D-A-Y night!
S-A-T-U-R-D-A-Y night!    S-A-T-U-R-D-A-Y night!

Gonna dance with my baby
'Til the night is through
On Saturday night
Saturday night

Tell her all the little things
I'm gonna do
On Saturday night
Saturday night

I-I-I-I love her so
I-I-I-I'm gonna let her know

At the good ol' rock and roll
Folk show, I've gotta go!
Saturday night Saturday night
Gonna rock it up
Roll it up
Do it all, have a ball
Saturday night  Saturday night

S-S-S-Saturday night S-S-S-Saturday night

S-A-T-U-R-D-A-Y night!  S-A-T-U-R-D-A-Y night!
S-A-T-U-R-D-A-Y night!

S-S-S-Saturday night
S-S-S-Saturday night、、、、


Writer/s: Bill Martin, Phil Coulter

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ロックンロールで踊り続けよう

土曜の夜に 土曜の夜に

心からあふれるリズムに合わせて踊るのさ

土曜の夜に 土曜の夜に

 

ああ待ちきれない ああデートなんだ

 

イカしたロックンロール・ショーが来るんだ

行かなくちゃ 土曜の夜さ 土曜の夜さ

押しかけて 自由気ままに やりたいことやって 大騒ぎ

土曜の夜に 土曜の夜に

それが土曜の夜さ それが土曜の夜ってもんさ

 

彼女と夜通し踊るのさ

土曜の夜に 土曜の夜に

どんな小さなことでも彼女に話すつもりさ

土曜の夜に 土曜の夜に

とても愛しているんだ それを彼女に伝えなきゃ

 

イカしたロックンロール・ショーが来るんだ

行かなくちゃ 土曜の夜さ 土曜の夜さ

押しかけて 自由気ままに やりたいことやって 大騒ぎ

土曜の夜に 土曜の夜に

それが土曜の夜さ それが土曜の夜ってもんさ

 

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   僕は新潟の人口2万程度の小さな町で生まれ育ったのですが、そんなド田舎(故郷のみなさんごめんなさい!)の小学校の6年生の時、クラスの女子がベイ・シティ・ローラーズに夢中になって大騒ぎしていていました。

 洋楽のアーティストがそこまで浸透したというのは、今考えてみるとものすごいことだったと思います。

 女子がそんな騒いでいるのを見て、当然男子は”やっかむ”わけで、僕はラジオの洋楽番組の人気投票をチェックして、ベイ・シティ・ローラーズには大きく負けているけど2番目に人気があった”クイーン”というバンドを応援することにしよう、と心に決めたことをおぼえています。

 

 そんなわけで、ベイ・シティ・ローラーズはずっと”食わず嫌い”のままきたわけですが、今回あらためて聴いてみることにしました。

 

 では、彼らのプロフィールをおさらいしたいと思います。

 スコットランドエディンバラ出身である彼らの人気のピークは1974年から1977年くらいだったわけですが、1964年アラン(ベース)とデレク(ドラムス)のロングミュアー兄弟がバンドを始めたことが起源だったといいます。翌年に”サクソンズ”というグループを結成。当初は「プリーズ・ミスター・ポストマン」や「ヒートウェイヴ」といったモータウンの曲をレパートリーにしていました。

 

 その後アメリカのロック・バンドの曲を好んで演奏するようになり、その中にはミッチ・ライダー・アンド・ザ・デトロイト・ホイールズの 「C.C. Rider 」もあり、そのイメージから「Rollers」というバンド名を考え、その前にアメリカの地名を入れようということになります。デレク・ロングミュアーはアメリカの地図に無造作にダーツを投げ、二度目にヒットしたのがミシガン州のベイ・シティで(一度目はアーカンソーだったそうで誰も賛成しなかったようです)、それでベイ・シティ・ローラーズと改名することになりました。

 そして1971年にデビューを果たし、シングル「朝まで踊ろう(Keep On Dancing)」が全英9位のヒットになります。


Bay City Rollers: Keep On Dancing (Original Single Version)

 しかし、その次のシングルからはチャートインすらできない状態が続きます。そのコケてしまったシングルの中に4枚目のシングルだったこの「サタデー・ナイト」もありました。この時のボーカルはノビー・クラークという人でした。


SATURDAY NIGHT - Bay City Rollers

  ノビー・クラークはバンドの音楽性に疑問を持ちソロ活動を始めるために脱退、代わりに入ってきたのが、バンドの顔となるレスリー・マッコーエンでした。そして、バンドは一気に人気者になるわけですが、ノビーが脱退前に歌った「想い出に口づけ (Remember (Sha-La-La-La)」(全英6位)、や「サタデー・ナイト」をアルバム「エジンバラの騎士(Rollin')」を制作するタイミングで、レスリーが歌い直しています。

 

 また、彼らのブレイクの前半を支えたのが、フィル・コウルター(作曲)とビル・マーティン(作詞)のコンビでした。「サタデー・ナイト」を皮切りに「ベイ・シティ・ローラーズのテーマ(Shang-a-Lang)」、「想い出に口づけ (Remember (Sha-La-La-La)」、「太陽の中の恋 (Summerlove Sensation)」といった初期のヒットはみな彼らが書いています。 

  ちなみに、彼らはクリフ・リチャードのこんな代表曲も書いています。


Congratulations

   そして、1975年にフォーシーズンズのカバー「バイ・バイ・ベイビー」がその年のイギリスの最大のヒット(6週連続1位)になります。


Bay City Rollers - Bye Bye Baby • TopPop

   さて、彼らが所属したレコードは”ベル・レコード”といいましたが、買収され新たに”アリスタ・レコード”になります。そして、アメリカでも「バイ・バイ・ベイビー」をリリースしましたがまったく売れませんでした。

 ベイ・シティ・ローラーズアメリカで本格的に売る決意をした社長は、彼らのレパートリーの中から”自分の耳で選んで”シングルにすることにします。

 そこで選ばれたのが、イギリスで全く売れずアルバム用にレスリーが歌い直した「サタデー・ナイト」で、選曲したのは、このブログではおなじみのクライヴ・デイヴィスです。 

 (僕は別にクライヴを軸にして選曲していないんですが、最近調べてゆくとかなりの確率で彼が出てきてしまうんです、、、)

 彼は、アメリカのTV番組「サタデー・ナイト・ライブ・ウィズ・ハワード・コーセル」(有名な「サタデー・ナイト・ライヴ」とはまた別です)に彼らを衛星中継で出演させることによって、アメリカで大ブレイクさせるのに成功し「サタデー・ナイト」は全米1位にかけあがりました。

 

 日本では「バイバイ・ベイビー」が大ヒットし、その後アメリカのヒットを受けて「サタデー・ナイト」で人気が爆発しました。その大ブレイクに大きく貢献したのは、彼らが身にまとっていた”タータン・チェック"、ファンの女の子たちはみんな身につけていました。これは”ベイ・シティ・ローラーズ”に改名するくらいのタイミングで、マネージャーの指示で身に付けるようになったようです。

 日本のレコード会社も意識的に”タータンチェック”を重要なプロモーション戦略として取り入れていたようです。そして、露出する音楽誌は「ミュージック・ライフ」、他は日本人アイドルがメインで扱われる「週刊明星」「週刊平凡」「セブンティーン」に集中したそうです、それによって日本のアイドルのような騒ぎになったのかもしれません。

 

 その後はメンバーが入れ替わり、抜けたメンバーが似たようなスタイルのバンドを組み(ロゼッタ・ストーン、、)、他にも似たタイプのバンド(ハロー、バスター)も現れる中で、ブームは一気に下火になっていきました。

 

 アンチであった当時の僕が彼らの曲の中で意外に好きだったのがこれでした。「恋のゲーム」、イギリスで最後にTOP20入りした曲でした(1977年)。


It's a Game - Bay City Rollers 《with Lyrics》 恋のゲーム 《歌詞付き》

 

 最後に彼らの曲ではないですが、当時いかに彼らが人気があったかを証明するような曲を。「憧れのベイ・シティ・ローラーズ(Bay City Rollers We Love You)」(1975)。

 アーティストは”タータン・ホード”(タータンの群という意味)となっていますが、曲を作り歌っているのは、なんとニック・ロウ。ヴォーカルは速度を落として録音し、それを普通のスピードで再生して高く若い声にするというトリックを使っています。

 これは、ニック・ロウのマネージャーが、ニックを当時契約していたレコード会社を辞めさせたくて、馬鹿げた曲を作れば愛想尽かすだろうというアイディアで作らせたもの。ところが、レコード会社は気に入ってしまい、リリースすることに。

 そして、世界中で日本だけでヒット、という結果に終わったそうです。

 

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