おはようございます。今日はボズ・スキャッグスの「ミス・サン」です。
Been thinking 'bout you all night
Guess you got me in your spell
But I think that I'll be alright
Even if I don't get well...
Hey, Miss Sun,
What could I say
I tried to hold you but the moon got in the way
It won't be long before the morning has you back in my arms...
I can still remember
What you told me with your eyes
One kiss
Now it's down to this
Guess it's time you realize
Hey, Miss Sun, what could I say
I tried to hold you but the moon got in the way
It won't be long before the morning has you back in my arms
Has you back in my arms...
Hey, Miss Sun,
What could I say
I tried to hold you but the moon got in the way
It won't be long before the morning
Has you back in my arms,
In my arms...
Hey , Miss Sun,
What could I say
I tried to hold you but the moon got in my way
It won't be long before the morning has you back in my arms...
One kiss is what I need...
One kiss... give it to me...
It won't be long until the morning has you...
Won't be long until the morning has you back in my arms...
One kiss... I realize
One kiss... I can see it in your eyes
Oh, it won't be long before the morning has you back in my arms...
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” 一晩中 君のことを考えていた
君の魔力にとりつかれてしまったみたいだ
だけど構いはしないさ たとえ僕が元に戻らなくても
ねえ、”ミス太陽” なんて言ったらいいんだろう
君を抱きしめようとすると 月が邪魔するんだ
あと少しで、朝が君を僕の腕に戻してくれる
今でも覚えている 君がその瞳で語ってくれたことを
一度のキス すべてはそのせいさ
もう君も気づいていい頃だ
ねえ、”ミス太陽” なんて言ったらいいんだろう
君を抱きしめようとすると 月が邪魔するんだ
あと少しで、朝が君を僕の腕に戻してくれる
僕の腕に戻してくれる
ワン・キッス 私がほしいのは
ワン・キッス 私にちょうだい
あと少しで、朝があなたを
あと少しで、朝があなたを私の腕に戻してくれる
ワン・キッス 気づいたの
ワン・キッス あなたの瞳に見えるわ
あと少しで、朝があなたを私の腕に戻してくれる ”(拙訳)
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ボズ・スキャッグス全米チャート最高14位のヒット曲。彼のベスト・アルバム「ヒッツ」からのシングルでした。
曲を書いたのはTOTOのキーボーディストでバンドのメイン・ソング・ライターであるデヴィッド・ペイチ。
1977年、ボズ・スキャッグスの「シルク・ディグリーズ」などのバッキングを務め、才能ある若手スタジオ・ミュージシャンとして売れっ子になっていたペイチとドラマーのジェフ・ポーカロが、自分たちのバンドを作ろうということで意気投合し、メンバーを集め3〜4曲のデモを制作しました。そのバンドがTOTOで、デモの中の1曲がこの「ミス・サン」だったのです。
その時のデモが1998年にリリースされたTOTOの未発表曲、ライヴ音源などを集めた「TOTO XX」に収録されています。
”Listen to my story
'Cause it may never be the same
And a young man in his glory
He may never see her again”
(僕の話を聴いてくれ 同じにはならないかもしれないから 人生のピークにいる若者 彼は二度と彼女に会えないかもしれない)
ボズがレコーディングする際にAメロの歌詞を変えています。
このデモを作った頃、ジェフとペイチはリサ・ダルベロという女性シンガーのアルバムにミュージシャンとして呼ばれていました。カナダ人の彼女はやはりカナダ出身であるデヴィッド・フォスターを紹介され、彼のプロデュースでアルバムを作ることになって2人に声がかかったのです。
ちなみに、その時作られた彼女の曲はこんな感じです。
この時のレコーディングがきっかけで彼女とジェフは恋仲になったそうで、この曲のデモでも彼女に歌ってもらっています。
デモが認められてTOTOはデビューが決まりましたが、この「ミス・サン」は採用されませんでした。ポップなハード、プログレッシヴ・ロックという路線を打ち出してデビューしましたので、R&Bのグルーヴが曲全体を引っ張っている「ミス・サン」がそぐわなかったことは十分想像できます。
デビュー・ヒット「ホールド・ザ・ライン」
Toto - Hold The Line (Official Video)
お蔵入りした「ミス・サン」をなぜ、ボズ・スキャッグスを取り上げることになったのでしょう。
デヴィッド・ペイチはこの曲についてこう語っています。
「僕はずっとアル・グリーンのファンだったんだ。僕が大人になってTOTOを始める前、車には一本のカセットがあった、「アル・グリーン・グレーテスト・ヒッツ」だ。何ヶ月か僕はそれだけしか聴かなかった。彼の大ファンなんだよ、あとスライ・ストーン。だから、あの曲は僕からただ出てきたものなんだ。レコード会社から契約をとるためにスタジオで作ったTOTOの最初の録音のひとつだ。僕らが演奏したり作った曲のなかでも一番最初の一つかもしれない。僕らはファーストアルバムに入れなかったんだ。そのときレコード会社も驚いたけど(笑)。僕はいつかTOTOでリリースしたかったんだけど、ボズがものすごく欲しがって、最後は折れたんだ。僕は喜んでいるよ、彼はヒットさせてくれたし、それに彼は自分の歌詞を加えたからね。僕のヴァージョンとはいくつか歌詞が違うんだ。それで、一つの曲の中にほとんど二つの曲があるような形になった。この曲はいつだって僕には特別なものなんだ」
( SOMETHING ELSE! 2013 MAY8)
確かに「ミス・サン」はアル・グリーンのグルーヴですね。そしてスライ・ストーンの「If You Want Me Stay」のグルーヴとも近いです。ボズ・スキャッグスがどうしてもこの曲をやりたがっていたんですね。ボズはこう語っています。
「『ミス・サン』という曲はデヴィッド・ペイチにとってとても個人的なもので、彼はこの曲を他の人に録音させることをとても嫌がっていたんだ。でも、僕たちの親しい友情と、プロデューサーのビル・シュニーとの関係のおかげで、彼は僕らにこの曲をやらせてくれたんだと思う」
(The Lost 45's -Boz Scaggs Interview)
ボズのプロデューサーのビル・シュニーは、ジェフ・ポーカロが最初にそのデモを聴かせた一人でもありました。彼らはスティーリー・ダンの「彩(エイジャ)」などで一緒に仕事をしていました。そしてビルは、そのデモの中で「ミス・サン」が一番気に入っていたと語っていたので、ビルがボズに歌わせようとしてデモを聴かせた可能性が高いように思います。
(ちなみにビルはその後オフ・コースや小田和正の仕事もやっていたので、コアな小田ファンには知られている人です)
そして、ボズのレコーディングにはデヴィッド・ペイチ、ジェフ・ポーカロ、スティーヴ・ルカサー、スティーヴ・ポーカロとTOTOのメンバーが集まり、ペイチがアレンジを手がけています。
そして、リサ・ダルベロが再びコーラスで参加、TOTOのデモ以上の熱唱を聴かせてくれています。
この曲の大変貴重なライヴ映像がアップされていました。
1985年3月17日 つくば科学万博のオープニング・ショーとして彼はライヴをやっています。(ちなみに僕は今つくばに住んでいます、、)当日は雨が降って寒かったようで、彼の息が白いですね。Miss SunというよりMiss The Sun(太陽が恋しい)という感じですが、、すみません(苦笑。
Boz Scaggs Miss Sun (’つくば '85 Live)
この曲の発想の源となったアル・グリーン
ボズとTOTOのメンバーが邂逅した記念碑的作品
popups.hatenablog.com
追記:日記ブログはじめました。よかったらのぞいてみて下さい