まいにちポップス(My Niche Pops)

令和初日から毎日、1000日連続で1000曲(せんきょく)を選曲(せんきょく)しました。。。古今東西のポップ・ソングのエピソード、洋楽和訳、マニアックなネタ、勝手な推理、などで紹介しています。キャッチーでメロディアスなポップスは今の時代では”ニッチ”なものになってしまったのかなあとも思いますが、このブログを読んでくださる方の音楽鑑賞生活に少しでもお役に立てればと願っています。みなさんからの追加情報や曲にまつわる思い出などコメントも絶賛募集中です!text by 堀克巳(VOZ Records)

「冬の散歩道(A Hazy Shade of Winter)」サイモン&ガーファンクル(1966)

 おはようございます。

 今日はサイモン&ガーファンクルの「冬の散歩道(A Hazy Shade of Winter)」です。


Simon & Garfunkel - A Hazy Shade of Winter (Audio)

Time, time time, see what's become of me
While I looked around for my possibilities
I was so hard to please
But  look around
The leaves are brown
And the sky is a hazy shade of winter

Hear the Salvation Army band
Down by the riverside's, there's bound to be a better ride
Than what you've got planned
Carry your cup in your hand
And look around
Leaves are brown, now
And the sky is a hazy shade of winter

Hang on to your hopes, my friend
That's an easy thing to say
But if your hopes should pass away
Simply pretend that you can build them again
Look around
The grass is high
The fields are ripe
It's the springtime of my life

Seasons change with the scenery
Weaving time in a tapestry
Won't you stop and remember me
At any convenient time?
Funny how my memory skips

while looking over manuscripts
Of unpublished rhyme
Drinking my vodka and lime


I look around
Leaves are brown, now
And the sky is a hazy shade of winter
Look around
Leaves are brown
There's a patch of snow on the ground
Look around
Leaves are brown
There's a patch of snow on the ground
Look around
Leaves are brown
There's a patch of snow on the ground

 

Writer/s: Paul Simon

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  ” 時よ、時よ

     自分の可能性を探しまわっているうちに

     僕がどうなってしまったか見てほしい

          僕はとても気難しかった

     だけど見渡してごらん

     木の葉は茶色 空は冬のかすんだ色になっている

 

          救世軍のバンドの演奏が聞こえる

     川沿いに進めば  君が計画したよりも

     いい道のりになりそうだ

          手にカップを持って 見渡してごらん

     木の葉は茶色 空は冬のかすんだ色になっている

 

          君の希望をしっかりつかんでおくんだ 友よ

    それは口で言うのは簡単なことだ

          だけど、もしそれが消えてしまったら

     ただ、もう一度希望を作り出せるように見せるんだ

 

    見渡してごらん   草は高く伸びて

          野原は豊かに熟し 今が僕の人生の春なんだ   

 

          季節は景色とともに変わり

     時をつづれ織ってゆく

 

     都合のいい時に 立ち止まって

     僕のことを思い出して欲しい

   おかしいな ウォッカ&ライムを飲みながら

      僕の未完の詩集に目を通していると

      僕の記憶は飛んでしまうんだ

  

   見渡せば

      木の葉は茶色 空は冬のかすんだ色になっている

           見渡してごらん

      木の葉は茶色 地面のあちこちには雪           

   見渡してごらん

   木の葉は茶色 地面のあちこちには雪           ”  (拙訳)

 

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「冬の散歩道」の楽譜はこちら

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   この曲は、彼らの三枚目のアルバム『パセリ・セージ・ローズマリー・アンド・タイム』のレコーディングの一番最後に「59番街橋の歌 (フィーリン・グルーヴィー)」とともに録音されましたが、アルバムには収録されずシングルで発売されたあと、四枚目のアルバム「ブックエンド」に入りました。

 

 シングルとしては全米チャート最高13位という成績でした。

 

 日本ではTVドラマ『人間・失格〜たとえばぼくが死んだら』(1994年 野島伸司脚本)で使われリバイバル・ヒットしました。まだ歌手デビュー前のKinKi Kidsが出演して注目された作品でもありました。

 

 

 サイモンとガーファンクルのレパートリーの中ではめずらしくロック色が強く、ノリが良い曲です。

 アート・ガーファンクルはこう語っています。

「僕の歌い方の多くは、リズム作りとメロディにこだわっていて、歌詞にはあまり重点を置いていません。Patch of - snow - on - the - ground - look - aroundは、ポールとのハーモニーを見つけながらとてもパーカッシブに、言葉を吐き出すような感じなんだ。母音と子音に気をつけることなんだ」 

                   (アート・ガーファンクルのHPより)

    アートが詞に重点をおかずに歌ったとしても、ポール・サイモンの歌詞はやはり興味深いものなのは間違いありません。

   自分の可能性をあれこれ探しているうちに、かなりの時間が経ってしまった、という焦りのような感覚は僕も昔感じたことがあります。

  < 希望が消えてしまったら、単にまた希望は生み出せるというフリをするんだ>というメッセージも彼らしいものだと思います。

 

  さて、S&Gにとって”まあまあの”ヒット曲だった「冬の散歩道」を”大ヒットさせたのが、バングルスでした。1987年に全米2位になっています。 


The Bangles - Hazy Shade Of Winter (Audio)

   1980年代半ばの若者の退廃的な生き方を描いてアメリカでベストセラになった「レス・ザン・ゼロ」(ブレット・イーストン・エリス著。1985年)を1987年に映画化することになり、彼女たちに曲を提供して欲しいという依頼がきました。

 しかし多忙で新曲を書き下ろす時間がなかった彼女たちは、結成してすぐ(1981年)の頃にライヴで演奏していた「冬の散歩道」を録音することを思いついたのだそうです。

 

 彼女たちがカバーする際にタイトルは「Hazy Shade of Winter」と頭の「A」がカットされただけでなく、曲の”ブリッジ”の部分を大幅にカットしています。

 

(太字の部分がカットされています)

Seasons change with the scenery
Weaving time in a tapestry
Won't you stop and remember me
At any convenient time?
Funny how my memory skips

while looking over manuscripts
Of unpublished rhyme
Drinking my vodka and lime

 

 ウォッカ&ライムを飲みながら未完の詩集の原稿に目を通すと記憶が飛ぶ、、というくだりで、確かにポール・サイモンだとしっくりしますが、バングルスのスザンナ・ホフスが歌ってもピンとこないところなのかもしれません。

 歌詞の内容以上に、スローダウンするパートなので短くして、ノリをなるべく維持しようという狙いの方が大きかったのでしょうけど。

 

 「冬の散歩道」の大ヒットのあと、バングルスのメンバーはポール・サイモンのライヴに行って彼と話したそうです。彼女たちのヴァージョンをポールは気に入っていて、ブリッジを大幅にカットしたことにも寛容だったそうです。

 

 ちなみに、僕が今日この曲を取り上げたのは、昨日「青い影」の記事を書きながら、

”A Whiter Shade of Pale”って、"A Hazy Shade of Winter"と語感が似ているなあと思って、ひょっとして何か因果関係があるのなと思ったからです。

 

 (「冬の散歩道」のShadeも「青い影」と同様に、”影”ではなく”色合い”と解釈した方が良さそうです。冬のぼんやりした影、ではなく、冬の空のぼんやりした色合い、という感じでしょうか)

 

 それで、二つの曲の因果関係は調べても特に何も見つかりませんでした、、。二つの曲の発売の間隔は思ったより近く、「冬の散歩道」の半年ちょっと後には「青い影」が発売されています。

 「青い影」はバンド結成前にすでにできていたようですから、偶然同じ時期に書かれたと解釈した方が良さそうです。

 

 しかし、ひとつだけ、”A Whiter Shade of Pale”と"A Hazy Shade of Winter"のどっちが好き? っていう掲示板が見つかりました(笑。やっぱり、同じようなタイプのタイトルだと思った人はけっこういたみたいですね。

 

 

 

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