まいにちポップス(My Niche Pops)

令和元年初日から毎日更新中〜1日1ポップス。エピソード、歌詞の和訳、謎解き、マニアックな捜査、勝手な推理、などで紹介していきます。text by 堀克巳(VOZ Records)

「フェイス(Faith)」ジョージ・マイケル(1987)

 おはようございます。

 今日はジョージ・マイケルの「フェイス」です。


George Michael - Faith (Official Video)

 

 " 君のボディに触れられたらきっと素敵だろうな

   みんなが君みたいなスタイルじゃないからね

   でも僕のハートを捧げる前に もう一度考えて見なくちゃ

   君がプレイするゲームはみんな知ってるよ 僕もやっているから

 

   ああ、だけどそんな感情から離れる時間が必要なんだ

   この心を床から拾い上げてあげる時間がね

   すべてを捧げることもなしにあんな愛が現れたら

 強い男じゃなきゃ太刀打ちできない

   だけど僕は君に出口を教えている

 

 だって僕は信念を持たなくちゃ

 持たなくちゃいけないんだ 信念を 信念を 信念を

 

 ベイビー、君は僕にいて欲しいと言っているんだよね

    だったら言えよ「どうぞどうぞ行かないで」って

 君は僕が君を憂鬱にさせると言う

 たぶん君は本心から言っているんだろうけど

 僕は思い出さずにいられない 昨日のことを

 ”理想の男”のルールに僕を縛り付けた他の誰かのことを

 

 この川が海になる前に

 君がまた僕の心を床に叩きつける前に

 おおベイビー 僕の愚かな考えを見つめ直すよ

 抱きしめてくれる人は欲しいけど 

 もっと違う何かを待つことにするよ

 

    そうさ、僕は信念を持たなくちゃ 信念を持たなくちゃ

 だって、僕は持たなくちゃいけないんだ 信念を 信念を 信念を

 

 僕はただ待たなくちゃいけないのさ

 だって信念をもたなくちゃいけないから

 信念を持たなくちゃ 信念を 信念を 信念を

 

 この川が海になる前に

 君がまた僕の心を床に叩きつける前に

 おおベイビー 僕の愚かな考えを見つめ直すよ

 抱きしめてくれる人は欲しいけど 

 もっと違う何かを待つことにするよ

 

     だって僕は信念を持たなくちゃ

 持たなくちゃいけないんだ 信念を 信念を 信念を  ”(拙訳)

 

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Well, I guess it would be nice if I could touch your body
I know not everybody has got a body like you
But I gotta think twice before I give my heart away
And I know all the games you play because I played them, too

Oh, but I need some time off from that emotion
Time to pick my heart up off the floor
Oh, when that love comes down without devotion
Well, it takes a strong man, baby
But I'm showin' you the door

'Cause I gotta have faith
I gotta' have faith
Because I gotta have faith, faith, faith
I got to have faith, faith, faith

Baby, I know you're askin' me to stay
Say "Please, please, please don't go away"
You say I'm givin' you the blues
Maybe you mean every word you say
Can't help but think of yesterday
And another who tied me down to loverboy rules

Before this river becomes an ocean
Before you throw my heart back on the floor
Oh, baby, I reconsider my foolish notion
Well, I need someone to hold me but I'll wait for somethin' more

Yes, I gotta have faith
Ooh, I gotta have faith
Because I gotta have faith, faith, faith
I gotta have faith, faith, faith

I'll just have to wait
Because I've got to have faith
I gotta have faith
I've got to, got to, got to have faith

Before this river becomes an ocean
Before you throw my heart back on the floor (I just gotta have faith)
Oh, oh, baby, I reconsider my foolish notion
Well, I need someone to hold me but I'll wait for somethin' more

'Cause I gotta have faith
Ooh, I gotta have faith
Because I gotta have faith, faith, faith
I gotta have faith, faith, faith

 

Writer/s: George Michael

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 1988年のビルボード年間シングル・チャートで1位、この曲の入った同名のアルバム「フェイス」も年間アルバムチャート1位、当時破格のヒットとなった曲です。

 

 ワム!時代にはR&B、クラブ・ミュージックのベースに、そこに猛烈に(?)ポップなメロディをのせて大ヒットを飛ばしていた彼ですが、この「フェイス」は1950年代のボ・ディドリー風の古いR&B、R&Rをエッセンスにしたもので、当時すごく斬新に聴こえました。

  <こちらがボ・ディドリー>


Bo Diddley

 

 当時ワム!やジョージの楽曲を管理し、ワム!の売り出しに大きく貢献した音楽出版社ディック・リーヒィはこう語っています。

 

「彼はちょっとしたイントロを、「フェイス」のイントロであり、アルバムのイントロになるものを書いていた。話し合っていくうちに、だんだんとそれを発展させていったんだ。私は言ったー「1950年代には、ギター・リックに入って、ブリッジに戻ってエンディングに行くという音楽ばかりだった。2分半ーそれが1950年代のレコードだった。これを1950年代のレコードにしようじゃないか」

 次の日スタジオに行くと、彼は「フェイス」を聞かせてくれた。「こんなふうにってこと?」ってね。

 たいしたやつだよ。」

                     (「自伝 裸のジョージ・マイケル」)

 

 また、ミュージック・ビデオで見せた彼のワイルドなスタイルも、曲に具体的なイメージをプラスする実に効果的な役割を果たしました。

 

 ワム!でのアイドルっぽいスタイルから一転、髪を短くし、無精髭にサングラス、レザージャケットにブーツ、破れたジーンズを履いたスタイルは、彼の母国イギリスよりアメリカで大いにウケたそうで、それはすごく納得できる気がします。

 

 この変貌について、ワム!の相方アンドリュー・リッジリー

「なぜ彼があんなー『フェイス』の思わせぶりなマッチョ・ガイのイメージを演じようとしたのか、僕にはわからない。あれは、彼じゃないよ。」

 と語っています。

 

 当のジョージ・マイケルの方は、当時プライベートでよく着ていたスタイルだっただけで、全く戦略的なものじゃなく、自分に自信が持てなくていろいろやってみていただけらしく、それが大ウケし、そのイメージで自分がとらえられることになったことについてはかなりとまどっていた、というようなことを語っています。

 

 ちなみに、印象的なギターを弾いているのはヒュー・バーンズ。スコットランド出身のギタリストで、ワム!の「ケアレス・ウィスパー」の哀愁味のあるスパニッシュギターも彼が演奏しています。

 「フェイス」では彼はリズム・ギターとソロの両方をやっていて、リズム・ギターは無名のメーカーのメタル・ボディのアコギを使っていたそうです。

 

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