まいにちポップス(My Niche Pops)

令和初日から毎日、1000日連続で1000曲(せんきょく)を選曲(せんきょく)しました。。。(現在は不定期で更新中)古今東西のポップ・ソングのエピソード、和訳、マニアックなネタ、勝手な推理、などで紹介しています。キャッチーでメロディアスなポップスは今の時代では”ニッチ(NIche)”なものになってしまったのかもしれませんが、みなさんの毎日の音楽鑑賞生活に少しでもお役に立てればうれしいです。みなさんからの追加情報や曲にまつわる思い出なども絶賛募集中です!text by 堀克巳(VOZ Records)

「きみの笑顔(YOUR SMILING FACE)」ジェームス・テイラー(James Taylor)(1977)

 おはようございます。

 今日はジェームス・テイラーの「きみの笑顔」です。


James Taylor - Your Smiling Face (Audio)

Whenever I see your smiling face
I have to smile myself
Because I love you (Yes, I do)
And when you give me that pretty little pout
It turns me inside out
There's something about you, baby (I don't know)

Isn't it amazing a man like me
Can feel this way
Tell me how much longer
It will grow stronger every day
Oh, how much longer

I thought I was in love
A couple of times before
With the girl next door
But that was long before I met you
Now I'm sure that I won't forget you

And I thank my lucky stars
That you are who you are
And not just another lovely lady
Sent down to break my heart

Isn't it amazing a man like me
Can feel this way
Tell me how much longer
It will grow stronger every day
Oh, how much longer

No one can tell me that I'm doing wrong today
Whenever I see you smile at me
No one can tell me that, tell me that I'm doing wrong today
Whenever I see your smiling face my way
No one can tell me that I'm doing wrong today
No one can tell me that I'm doing wrong today, no no darling
No no, darling, no no, yeah yeah
No one can tell me that I'm doing wrong today

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きみの笑顔を見るたびに
自分も笑顔にならずにいられない
だって、愛しているから (そうさ)
きみがかわいくちょっとふくれっ面をしたら
僕はひっくり返るのさ
きみには特別なものがあるんだよ、ベイビー

僕みたいな男がこんな風に感じるなんて
驚きじゃないかい?
いつまで続くのか教えてほしい
日に日に強くなっていくよ
ああ、いつまで続くのか

僕だって恋したことはあるよ
前に何度か、隣りの女の子とね
だけど、それはきみに会うずっと前のことさ
今はきっときみのことは忘れられないよ

そして、僕は幸運な星に感謝してる
きみがきみであることにさ
僕の心を傷つけるために送られてきた
他のかわいらしい女性じゃなく

僕みたいな男がこんな風に感じるなんて
驚きじゃないかい?
いつまで続くのか教えてほしい
日に日に強くなっていくよ
ああ、いつまで続くのか

僕が今日間違ったことをしているなんて誰にも言わせない
きみが僕に微笑むのを見るたびにね
僕が今日間違ったことをしているなんて誰にも言わせない
きみの笑顔を見るたびに
僕が今日間違ったことをしているなんて誰にも言わせない
僕が今日間違ったことをしているなんて誰にも言わせない,,,

                                                               (拙訳)

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 この曲を書いた当時、彼はシンガーのカーリー・サイモンと結婚していて彼女についての歌だという推測と、彼女との間にできた当時3歳の娘サリーのことを歌ったという説があるようですが、僕は娘のことについて歌ったんじゃないかと思っています。

 

 この曲は彼がワーナー・ブラザースからコロンビア(現ソニー)レコードに移籍した第一弾で、同じ時期にポール・サイモンがコロンビアからワーナーに移籍して、二大レーベルによるスーパー・スターの仁義なき争奪合戦が繰り広げられたことが当時話題になりました。

 その移籍第一弾のアルバム「JT」の冒頭を飾ったのがこの曲で、たぶん彼のキャリアで、最もポップで明るい曲じゃないでしょうか?

 この当時の彼のカーリーや子供達との円満な関係(二人で出演している番組の動画を YouTubeでいくつか見ることができます)が反映されたことが大きいでしょうが、もうひとつ、彼はギター弾き語りじゃなくて、最初からバンド・サウンドを想定して曲を作ったのも大きいでしょう。

 

 そして、「スウィート・ベイビー・ジェイムス」など初期の彼の傑作を手がけたプロデューサーのピーター・アッシャーが復帰し、昔から彼のバックを務める”セクション”のメンバー、ダニー・コーチマー(ギター)、リーランド・スカラー(ベース)、ラス・カンケル(ドラムス)に、70年代にモータウンのレコーディングに数多く参加した、クラレンス・マクドナルド(ピアノ)というメンバーで録音されました。

 ちなみに、クラレンスはエモーションズの「ベスト・オブ・マイ・ライフ」のプロデュースと鍵盤を担当したことでも知られています。

 

 プロデューサーのピーター・アッシャーはこの曲をR&Bテイストの”たまらない”グルーヴの曲としてとらえていて、とにかく最高のテイクを録音しようとつとめたそうです。

 また、ピーター曰く、アメリカのウエストコースト・サウンドを代表するギタリスト、ダニー・コーチマーは本来はR&Bを得意とするギタリストだったそうで、そういうノリもこの曲にはよく表れているようです。

 

 「ファイアー・アンド・レイン」や「寂しい夜(Don't Let Me Be Lonely Tonght)」の大ヒットで、内省的で孤独な印象が強い彼のレパートリーの中では異色な曲ではありますが、難しいことは考えずに、ただただ、素晴らしいバンドが生み出すグルーヴとジェームスのボーカル・ワークを楽しむのがいいんじゃないかと僕は思います。

 

最後は2001年の”PULL OVER TOUR"のライヴ映像をどうぞ!

www.youtube.com

 

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