まいにちポップス(My Niche Pops)

令和初日から毎日、1000日連続で1000曲(せんきょく)を選曲(せんきょく)しました。。。(現在は不定期で更新中)古今東西のポップ・ソングを、エピソード、和訳、マニアックなネタ、勝手な推理、などを交えて紹介しています。親しみやすいポップスは今の時代では”ニッチ(NIche)”な存在になってしまったのかもしれませんが、このブログがみなさんの音楽鑑賞生活に少しでもお役に立てればうれしいです。追加情報や曲にまつわる思い出などありましたらどんどんコメントしてください!text by 堀克巳(VOZ Record

「ステイン・アライヴ(Stayin' Alive)」ビージーズ(Bee Gees)(1977)

 おはようございます。今日はビージーズの「ステイン・アライヴ(Stayin' Alive)」です。

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Well, you can tell by the way I use my walk
I'm a woman's man, no time to talk
The music loud and the women warm
I've been kicked around since I was born

And now it's alright, it's okay
And you may look the other way
But we can try to understand
The New York Times' effect on man

Whether you're a brother or whether you're a mother
You're stayin' alive, stayin' alive
Feel the city breakin' and everybody shakin'
And we're stayin' alive, stayin' alive
Ah, ah, ah, ah
Stayin' alive, stayin' alive
Ah, ah, ah, ah
Stayin' alive
Oh, when you walk

Well now, I get low and I get high
And if I can't get either, I really try
Got the wings of Heaven on my shoes
I'm a dancin' man and I just can't lose

You know it's alright, it's okay
I'll live to see another day
But we can try to understand
The New York Times' effect on man

Whether you're a brother or whether you're a mother
You're stayin' alive, stayin' alive
Feel the city breakin' and everybody shakin'
And we're stayin' alive, stayin' alive
Ah, ah, ah, ah
Stayin' alive, stayin' alive
Ah, ah, ah, ah
Stayin' alive

Life goin' nowhere
Somebody help me
Somebody help me, yeah
Life goin' nowhere
Somebody help me, yeah
I'm stayin' alive

Well, you can tell by the way I use my walk
I'm a woman's man, no time to talk
The music loud and the women warm
I've been kicked around since I was born

And now it's alright, it's okay
And you may look the other way
But we can try to understand
The New York Times' effect on man

Whether you're a brother or whether you're a mother
You're stayin' alive, stayin' alive
Feel the city breakin' and everybody shakin'
And we're stayin' alive, stayin' alive
Ah, ah, ah, ah
Stayin' alive, stayin' alive
Ah, ah, ah, ah
Stayin' alive

Life goin' nowhere
Somebody help me
Somebody help me, yeah
Life goin' nowhere
Somebody help me, yeah
I'm stayin' alive、、、

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歩き方を見ればわかるはず
オレは女にモテる男さ、しゃべってる暇はない
音楽はデカく、女たちは暖かい
オレは生まれてからずっと蹴飛ばされてきた

でも今は大丈夫、問題ない
君は目を背けるかもしれないが
オレたちは理解しようとしてるんだ
ニューヨーク・タイムズが人に与える影響を

お前が兄弟であれ母親であれ
生き続けてる、生き延びてる
街が崩れ落ち、皆が震えていても
オレたちは生き続ける、生き続けるんだ
ああ、ああ、ああ、ああ
生き続ける、生き延びる
ああ、ああ、ああ、ああ
生き延びる
ああ、お前も歩く時には

オレは落ち込むこともあれば、舞い上がることもある。
どちらも手に入らない時は、必死に手を伸ばすんだ。
靴には天国の翼がついてるみたいで、
オレは踊る男、負ける気がしない。

わかるだろ、問題ない、平気なんだ
オレはまた明日を生きる
でもオレたちは理解しようとしているんだ、
ニューヨーク・タイムズが人にもたらす影響を。

兄弟であろうと、母親であろうと、
お前は生き延びてる、生き続けてる。
街が崩れそうで、みんなが震えていても、
オレたちは生き続ける、生き延びるのさ
アー、アー、アー、アー、生き続ける、生き続ける
アー、アー、アー、アー、生き続ける

人生はどこにも向かっていない
誰か助けてくれ、
誰か助けてくれよ
人生はどこにも向かっていない
誰か助けてくれよ
それでもオレは生き延びている   (拙訳)

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ビージーズの「ステイン・アライヴ(Stayin' Alive)」のヤマハぷりんと楽譜はこちら

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 1978年は世界的な”ディスコ・ブーム”が巻き起こった年でした。その起爆剤となったのは1977年12月にアメリカで公開になった映画サタデー・ナイト・フィーバー。そして、その映画のメイン曲だったこの「ステイン・アライヴ」でした。

 それ以前にすでに、ディスコ・ミュージックはニューヨークなどのクラブを中心に熱狂的に盛り上がっていました。1976年にその様子をレポートした"Tribal Rites of the New Saturday”という記事がニューヨーク誌に掲載され、その原稿をいち早く見た、RSOレコード(ビージーズが所属)の社長ロバート・スティッグウッドがその権利を買って、映画化したのが「サタデー・ナイト・フィーバー」でした。

 映画はジョン・トラヴォルタという新しいスター、黒人ではなくビージーズというポップス畑のアーティストがメロディアスにわかりやすく解釈したディスコ・ミュージックという、とてもわかりやすい武器があったことで、世界的な大ヒットになります。マイケル・ジャクソンの「スリラー」に抜かれるまで、このサントラが世界で最も売れたアルバムの地位に君臨していた、それくらいの超特大ヒットだったのです。

 「サタデーナイト・フィーバー」のオープニング。これだけで、ジョン・トラヴォルタと「ステイン・アライヴ」が強烈に刷り込まれます

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 あれから50年近く経っても、ビージーズの最大のヒット曲の座に鎮座し続け、Spotifyだけでもなんと13億回以上再生されています。

 ディスコには数々の大ヒットがありますが、世界的にディスコを広めた、という観点では文句なしにこの「ステイン・アライヴ」がNO.1だろうと僕は考えます。

 

 この曲のトリビアで興味深いのはアメリカ心臓協会(AHA)が、2007年頃に心臓マッサージの適切なテンポを覚えるための曲として、この「ステイン・アライヴ」を推奨していることで、ちょっとコミカルなビデオまで作っているんですね。

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 そして、実際にこの曲のテンポで心臓マッサージを行なって蘇生した例がいくつもあると「WIRED」が記事にしていました。

wired.jp

 これは別に歌詞が「Stayin' Alive」=生き延びる、だから、患者の励ましになる、とかいう安直なことじゃなくて、一分間のビート数(音楽用語ではBPMと言います)が一分間に100〜120回のリズムが心臓マッサージに良いらしく、「ステイン・アライヴ」はBPM103なのだそうです。その速さの曲でアメリカ人が誰もが知っているということで選ばれたのでしょう。もちろん、タイトルもピッタリだ、と言うのも候補曲から絞り込むときに大きな決め手になったのかもしれませんが。

 ちなみにみんなが知ってる大ヒット曲でいうとABBAの「ダンシング・クイーン」がBPM100で、これが心臓マッサージに適したテンポの最も遅いラインになりそうです。

 ディスコ・クラシックスではグロリア・ゲイナーの「恋のサバイバル(I Will Survive)」なんてまさにピッタリのタイトルだと思うのですが、BPM119という上限ギリギリなので、気持ちが乗っちゃうとスピードオーバーしそうです。何より、まずは正しい圧迫方法を覚えるのが先ですが。。。

 

 さて、この曲のBPM103のドラム、実はループなのだそうです。今の時代ではループは当たり前ですが、1977年当時はまだ生楽器の時代、ドラムマシーンで生ドラムのループを作れるようになるのはもう数年先なんですね。

 実はバンドのドラマー、デニス・ブライオンの母親がアルツハイマーで入院することになってレコーディングから急遽離脱してしまい、困ったスタッフとエンジニアは、すでにレコーディングしてあった「恋のナイト・フィーバー(Night Fever)」のドラム・パートから数小節分を別のテープにコピーして、そのテープをつなぎ合わせてリズムトラックを作ったんです。

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 そして「ステイン・アライヴ」は「恋のナイト・フィーバー」より遅い曲だったので、ループのテンポを落とします。録音した声をゆっくり再生させると、低く重い声になりますよね。この場合も同じようにドラムもテンポを遅くすることで、音が低く重くなりました。でもかえって質感はその後ヒップホップなどで使われるドラム音に近くなったので、このことは意外にこの曲の生命力を維持させている隠れた要因の一つになっているのかなとも僕は思います。

 そしてリズム・トラックの上にベース、ギターと重ねていく。これって当時は前代未聞でしたが、今のレコーディングのスタンダード、”当たり前の方法”になっています。世界最初とは言わないですが、ドラムのループから作った最初の大ヒット曲が「ステイン・アライヴ」だったのかもしれません

 

 さて、この「ステイン・アライヴ」の歌詞は映画の内容に合わせて、労働者階級の若者がテーマになっています。優しい世界観の歌が多いビージーズにしてはちょっとワイルドなタッチです。で、アメリカの労働者階級の若者の歌といえば、真っ先に思い浮かぶのがブルース・スプリングスティーン。実は彼が「ステイン・アライヴ」を自分流にアレンジした見事なカバーをやっているんです。ぜひ最後にご覧ください。

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