おはようございます。今日はスティーヴィー・ワンダーの「土星(Saturn)」です。
Packing my bags, going away
To a place where the air is clean
On Saturn
There's no sense to sit and watch people die
We don't fight our wars the way you do
We put back all the things we use
On Saturn
There's no sense to keep on doing such crimes
There's no principles in what you say
No direction in the things you do
For your world is soon to come to a close
Through the ages, all great men have taught
Truth and happiness just can't be bought or sold
Tell me, why are you people so cold?
I'm going back to Saturn where the rings all glow
Rainbow moonbeams and orange snow
On Saturn
People live to be two hundred and five
Going back to Saturn where the people smile
Don't need cars, 'cause we've learned to fly
On Saturn
Just to live to us is our natural high
We have come here many times before
To find your strategy to peace is war
Killing helpless men, women, and children
That don't even know what they're dying for
We can't trust you when you take a stand
With a gun and bible in your hand
And the cold expression on your face
Saying give us what we want or we'll destroy
I'm going back to Saturn where the rings all glow
Rainbow moonbeams and orange snow
On Saturn
People live to be two hundred and five
Going back to Saturn where the people smile
Don't need cars, 'cause we've learned to fly
On Saturn
Just to live to us is our natural high
I'ma stop on J
Don't do that Let her go first
Let her go first, please let her go first
Let me go first, go 'head
Alright, let Alwatta go by herself
Okay, then we gon' take turns
Alright
Strawberry shortcake, cream on top
Tell me the name of your sweetheart
A, B, C, D, E, F, G, H, I, J, K, L, M, N, O, P
Paul, oh, Paul
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荷物をまとめて旅立つ
空気がきれいな場所へ
土星では 人が死ぬのを座って眺めるなんて意味がない
僕たちは君たちみたいな戦争をしない
使ったものは全部元に戻すんだ
土星では
そんな犯罪をやり続ける意味なんてない
君が言うことには原則がなく
君がやることには方向性がない
君たちの世界はやがて終わりを迎えるだろう
時代を超えて偉人たちが教えてきたのは
真実も幸せも、買ったり売ったりはできないということ
教えてくれ、なぜ人々はそんなに冷たいんだ?
僕は土星に帰るんだ 環が光り輝くるところ
虹色の月の光、オレンジ色の雪
土星では
人は205歳まで生きる
土星に帰るんだ 人々が笑顔で暮らす場所へ
車なんていらない 僕らは飛ぶことを覚えたから
土星では
僕たちはただ生きてるだけで自然に高揚するのさ
僕らはこれまでも何度もここに来て
君たちの平和へための戦略が戦争だってわかった
無力な男たち、女たち、子供たちを殺す
自分が何のために死ぬのかすら知らない人たちを
君たちが態度を示す時は
僕らは君たちを信じることができない
銃と聖書を君たちは手にしながら
冷たい表情を浮かべたまま
我々が望むものをよこせ、さもなくば破壊する、と言う君たちを
僕は土星に帰るんだ 環が光り輝くるところ
虹色の月の光、オレンジ色の雪
土星では
人は205歳まで生きる
土星に帰るんだ 人々が笑顔で暮らす場所へ
車なんていらない 僕らは飛ぶことを覚えたから
土星では
僕たちはただ生きてるだけで自然に高揚するのさ
私は「J」でストップ
やめて 彼女を最初にやらせてあげて
彼女を先に、お願いだから先に 私を先に行かせて どうぞ
よし、じゃあAlwattaがやるね
それから順番で行こう
わかった
ストロベリー・ショートケーキ、クリームのせて
恋人の名前を教えてね
A, B, C, D, E, F, G, H, I, J, K, L, M, N, O, P
ポール、ああ、ポールね <拙訳>
*最後の女の子たちの掛け合いは子供の遊び歌らしく、縄跳びをしながらA,B,C,Dと言いながら縄が引っかかって止まったタイミングのアルファベットが恋人のイニシャル(この場合はPで止まったからポール)、そんな感じの遊びのようです。
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「土星」は1976年に発表されたスティーヴィー・ワンダーのアルバム『キー・オブ・ライフ (Songs in the Key of Life) 』に収録されています。
オリジナル盤は、LPレコード2枚組に<A Something's Extra>と題された4曲入りEPまでプラスというボリューム感のあるものでしたが、ビルボードの全米アルバム・チャートでは、その時代では超レアだった初登場1位を記録し、そのまま13週連続独走、その後イーグルスの『ホテル・カリフォルニア』に首位を明け渡しますが、その後再び首位に返り咲くほどの大ヒットになります。そして、グラミー賞のアルバム・オブ・ザ・イヤーも獲得、まさにスティーヴィーのキャリアの頂点となる作品でした。
そして、2020年のローリングストーン誌が選ぶ「史上最高のアルバム500」では4位に選ばれ、現在も大変人気のある作品です。
そんな、名盤中の名盤の中でオリジナル盤で<A Something's Extra>のEPに収録されて、現在もあまり注目されていない(?)曲の一つがこの「土星」です。
僕もアルバムの他の曲に比べてこの曲が特に優れているとは思ってはいないんですが、なんかずっと気になる曲ではあったので、今回ちょっと調べてみることにしました。
この曲は共作者としてマイケル・センベロがクレジットされています。映画「フラッシュダンス」の大ヒット「マニアック」を作って歌った人です。自身で詞曲両方を手がけることが普通のスティーヴィーにとっては珍しいことです。
その辺りの経緯をマイケル・センベロはこう語っています。
「面白いことに、「土星」という曲ができた経緯はこんな感じなんだ。スティーヴィーが”今作っている曲について、何かアイデアある?”って僕に聞いてきたんだよ。彼はテープを渡してくれて、何か「サギノーに戻る」みたいなことを歌っていた。だから僕は「実際は何て言ってるの?」と聞いたんだ。すると彼は”曲のタイトルは“Going Back to Saginaw(サギノーに帰る)”なんだけど、これじゃうまくいかないだろうね”って言ったんだ。僕は”うん、それはあまりエキサイティングじゃないね”って答えた。
その夜遅く、歌詞をもう一度聴き直したときに、僕が最初に思いついたのは“Going Back to Saturn(土星に帰る)”だった。それを伝えたら、彼は”そうだ、それだ! 仕上げてこい!”って言ったんだ。そして翌日戻ってきて録音しようってことになった。僕は心の中で「善いことをし、人々を助けようとしてこの地球にやって来たのに、銃と聖書を手にした僕たちによって追い返される、不満を抱いた宇宙人だったらどんな気持ちだろう」と想像してみたんだ。だから彼は“I’m going back to Saturn”と歌ったんだよ。正直言って、この曲がアルバムに入るなんて思ってなかった。レコード会社はこの曲をとても嫌っていたからね。でもダブル・アルバムだったおかげで収録されたんだ。もしシングル・アルバムだったら、絶対に入らなかったよ。」(okayplayer September 28, 2021)
センベロは歌詞で貢献していたんですね。ちなみにサギノー(Saginaw)はミシガン州の都市の名前。スティーヴィーが生まれた場所です。元々は”故郷に帰ろう”という歌だったのが”土星に帰ろう”になった、というわけです。発想が奇抜すぎたんでしょうね、レコード会社の人間が気に入らなかった、というのも少しわかるような気もします。
しかし、今の時代にあらためてこの歌詞を読むと、ひょっとしたら発売当時以上に、切実なものとして伝わってくる気がします。ただ僕たちは土星には帰れないので、この地球でなんとかするしかないのですが、、、
さて、マイケル・センベロはもともとはギタリストとして、スティーヴィーに採用され、「キー・オブ・ライフ」でも大きな貢献をしています。最後に彼のギタープレイを最も堪能できる曲を聴いてみましょう。
この当時彼らのリハーサル・スタジオの向かい側の部屋ではチック・コリアとジョン・マクラクランがやっていたそうで、マイケル・センベロいわく、スティーヴィーがチック・コリアの影響を受けて作ったんじゃないかというインスト・ナンバー「Contusion」です。
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