おはようございます。
今日もスティーヴィー・ワンダー。ブレッド&バター絡みで。
ブレバタがロンドンでレコーディングしたアルバム「Images」のプロデューサーのつてでスティーヴィーのスタジオに行った時に、彼から「今録っている曲を聴いて感想を聞かせてよ」と言われて、聴かせてくれたのがこの「サンシャイン」だったそうです。
You Are The Sunshine Of My Life
” 君は僕の人生の太陽
だからいつもそばにいるんだよ
君はかけがえのない存在
永遠に僕の心にい続けるんだ
僕にはこれが始まりのように感じる
もうずっと長く愛し続けているのにね
もし僕たちの愛が終わったなんて考えたら
僕はきっと自分の涙で溺れてしまうだろう
君は僕の人生の太陽
だからいつもそばにいるんだよ
君はかけがえのない存在
永遠に僕の心にい続けるんだ
僕が孤独だったってことを君は知っていたんだね
だって僕を救いに来てくれたから
君といることはきっと天国なんだ
君の心はどうしてそんなに愛がいっぱいなの?
君は僕の人生の太陽
だからいつもそばにいるんだよ
君はかけがえのない存在
永遠に僕の心にい続けるんだ " (拙訳)
この曲はスティーヴィーにとって3曲めとなる全米NO.1シングルになっています。前作「心の詩(Music Of My Mind)」のときに作られましたが、アルバムに合わないと言うことで収録されなかったのだそうです。
それで、今では名盤とされているアルバム「トーキング・ブック」のオープニング曲曲になったわけですが、アルバムの1曲目なのにいきなりバックアップ・シンガーが出だしをメインで歌い始めるという珍しい構成になっています。
歌っているのは当時”ワンダー・ラヴ”と名付けられていた、スティーヴィーのバンドのメンバー。
最初に歌い始める男性はジム・ギルストラップ。
この曲の成功をきかっけに、ソロ活動もするようになり、1975年には「Swing Your Daddy」という曲がイギリスで4位、アメリカ・ブラック・チャート(R&Bチャートの当時の呼称)で10位になっています。
Jim Gilstrap - Swing Your Daddy
彼の後に歌う女性は、ラニ・グローヴス。ハワイ出身でアメリカ西海岸で活動した音楽プロデューサー、エルヴィン・グローヴスの娘で。「サンシャイン」の2年前に父親のアルバムにシンガーとして参加しています。
Ervin Groves - Welcome To Paradise (with Lani Groves)
また、ソロをとっていませんがもう一人、この曲でバック・コーラスに参加しているのがグロリア・バーレイ。
ある評伝によると、スティーヴィーは彼女に興味を持っていて、この曲を捧げたなんて書いてあります。
ネットでは当時彼が結婚していたシリータに捧げたと書いてあるものもありますが、この「サンシャイン」が出た1972年に二人は離婚していますので、どちらにしろ、なかなか悩ましい時期に書かれた曲であるのは間違いないのかもしれません。
そんな時期によくぞ、こんなにシンプルでスタンダードな曲が書けたとある意味感心してしまうのですが、あんまり歌の背景や、創作者のプライベートに深入りしてしまうと、本来の音楽の楽しみを損ねてしまうので、考えないのが一番ですね。
この曲の成功を受けてスティーヴィーはジムにゴールド・ディスクを贈ったそうです。
そしてグラミー賞ではこの曲で最優秀男性ポップ・ヴォーカルを受賞し、「トーキング・ブック」からのもうひとつのNO.1シングル「迷信」では最優秀男性R&Bヴォーカルを受賞、ポップ、R&B両方の頂点に君臨します。
そしてその後「インナーヴィジョンズ」「ファースト・フィナーレ」「キー・オブ・ライフ」という傑作アルバムを次々にリリースし、神がかり的な才能を世界中をまさに驚かせて(Wonder)いくのです。
最後にカバー・ヴァージョンを。夏らしく小野リサで。1970年代から80年代にかけてクロスオーヴァー/フュージョンの代表的なプロデューサーであったエウミール・デオダートをプロデュースに迎えた2000年のアルバム「プリティ・ワールド」に収録されています。
You Are The Sunshine Of My Life