まいにちポップス(My Niche Pops)

令和元年初日から毎日更新中〜1日1ポップス。エピソード、歌詞の和訳、謎解き、マニアックな捜査、勝手な推理、などで紹介していきます。text by 堀克巳(VOZ Records)

「第一級恋愛罪 (Love In the First Degree)」バナナラマ (1988)

 おはようございます。

 今日はバナナラマの「第一級恋愛罪(Love In the First Degree)」です。

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Last night I was dreaming
I was locked in a prison cell
When I woke up I was screaming
Calling out your name

 

And the judge and the jury
They all put the blame on me 
They wanna tell from my story
They want to hear my plea

 

Only you can set me free
'Cause I'm guilty 
Guilty as a girl can be
Come on baby, can't you see
I stand accused
Of love in the first degree

(Guilty) Of love in the first degree

 

Someday I'm believing
You will come to my rescue
Unchain my heart, you're keepin'
Let me start anew

 

The hours passed so slowly
Since they've thrown away the key
Can't you see that I'm lonely
Won't you help me please

 

Only you can set me free
'Cause I'm guilty 
Guilty as a girl can be
Come on baby, can't you see
I stand accused
Of love in the first degree

 

(Guilty) Of Love in the first degree

(Guilty)Of Love
(Guilty)Of Love in
(Guilty) Of Love
(Guilty) Of Love in
(Guilty)Of love in the first degree

 

And the judge and the jury
They all put the blame on me
They wanna tell from my story
They wanna hear my plea

 

Only you can set me free
'Cause I'm guilty (Guilty)
As a girl can be
Come on baby, can't you see
I stand accused
Of love in the first degree

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昨晩、夢を見ていたの
牢屋に閉じ込められて
目覚めた時には叫んでいたわ
あなたの名前を大声で呼びながら

 

そして、裁判官と陪審員
みんな私に責任を押しつけてくる
彼らは私からいろいろ聞き出して
嘆願するのを聞きたいの

 

あなただけが私を自由にできる
だって、私は有罪だから 
有罪、女の子なら問われる罪で
さあベイビー、わからないの?
私は告発されているの
第一級の恋愛罪で

 

有罪、第一級の恋愛罪で

 

いつの日か、私は信じている
あなたが助けに来てくれるって
私の心の鎖を外して そのままに
新しく始めさせてくれる

 

時間がゆっくりと流れたわ
彼らが鍵を捨ててしまったときから
私がさみしいってわからないの?
助けてください、どうか

 

あなただけが私を自由にできる
だって、私は有罪だから 
有罪、女の子なら問われる罪で
さあベイビー、わからないの?
私は告発されているの
第一級の恋愛罪で

(有罪) 第一級の恋愛罪で


そして、裁判官と陪審員
みんな私に責任を押しつけてくる
彼らは私からいろいろ聞き出して
嘆願するのを聞きたいの

あなただけが私を自由にできる
だって、私は有罪だから 
有罪、女の子なら問われる罪で
さあベイビー、わからないの?
私は告発されているの
第一級の恋愛罪で

      (拙訳)

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 バナナラマは1980年にロンドンで幼馴染だったカレン・ウッドワード、サラ・ダリンの2人がシヴォーン・ファーイと出会い、意気投合したことがきっかけで結成されています。

 彼女らちの最初のデモは、Black Bloodの「AIE A MWANA」をカバーしたもので、スワヒリ語で歌われていたものでした。この時点ではグループ名は決まっていませんでしたが、バナナはトロピカルな響きでいいと思い、ロキシー・ミュージックの大ファンだったサラが彼らの曲名から「Pyjamarama」を選んで合体させ”Bananarama"にしたそうです。

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 この曲を気に入ったのがスペシャルズテリー・ホールでした。彼は彼女たちに連絡を取り彼の新しいバンド、ファン・ボーイ・スリーのアルバムのいくつかの曲で歌ってほしいと頼みます。そのうちの1曲が「T'AINT WHAT YOU DO」で、全英4位の大ヒットになります。

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これ、もう「マカレナ」ですね。元は古いジャズの曲らしいですが、ロス・デル・リオはこれ聴いてたんじゃないでしょうか。

 このヒットのお礼として、ファン・ボーイ・スリーは彼女達の「REALLY SAYING SOMETHING」という曲に参加、全英5位のヒットになります。

  その後スパンダー・バレエの「トゥルー」などを手がけたヒット・プロデューサー・チーム、ジョリー&スウェインのもとで「シャイ・ボーイ」(全英4位)「クルーエル・サマー (ちぎれたハート)」(全英8位、全米9位)「愛しのロバート・デ・ニーロ」(全英3位) などをヒットさせました。

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 そして、彼女たちは新しいプロデューサーと組むことになります。それが、ストック・エイトキン・ウォーターマン(SAW)でした。彼女たちから(特にシヴォーンが)彼らにアプローチしたようです。

 マイク・ストックはこう語っています。

 バナナラマは「ユー・スピン・ミー・ラウンド」(デッド・オア・アライヴ)をラジオを聴いて、同じエネルギーを望んでストック・エイトキン・ウォーターマンの元に来たんだ。僕は「ヴィーナス」の彼女達のヴォーカルを2時間でレコーディングした。彼女たちにはそれが信じられなかったんだ。通常は2日かけていると彼女たちは言っていた。だけど、僕の考えじゃ、できるだけ早くスタジオに来て、すぐにプロモーションに行ってもらって、あとはプロデューサーに任せてもらった方がいいんだ。時間の制限がなければヴォーカルを永遠に修正できるさ。僕は5~6人のアーティストを扱っていて、全員について僕が曲を書き、ヴォーカル録りをして、プロデュースを求められているんだ。座っておしゃべりする暇なんてないんだ」

 (Billboard  3/3 2021)

 1960年代のモータウンのように、ベルトコンベア式にヒットを作る”ヒット・ファクトリー”を標榜していた彼らのスタイルだったのでしょう。

 そして「ヴィーナス」はイギリスでは8位でしたがアメリカなど多くの国でNO.1になりました。1960年代のショッキング・ブルーのヒット「ヴィーナス」を「ユー・スピン・ミー・ラウンド」のサウンドでやった、と考えると確かに理解しやすいですね。

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 そして、SAWと組んだ次のヒットが、昨日このブログで取り上げましたマイケル・フォーチュナティから盗用を訴えられた「アイ・ハド・ア・ルーマー」で、その次のシングルがこの「第1級恋愛罪(Love In the First Degree)」でした。

 彼女たちのレパートリーの中で最も明快でポップなものになったこの曲はアメリカでは48位とふるいませんでしたが、イギリスでは3位と彼女たちの最大のヒットになりました。

 この曲を最も気に入っているのはピート・ウォーターマンで、こんな風に語っています。

「『第1級恋愛罪』は彼女たちの曲の中でも最も好きな曲で、自分の葬式でもこの曲を流してほしいよ。僕のようなモータウン・ファンからしたら、スプリームスじゃないアーティストが作ったものでスプリームスのレコードに最も近いものだと思う。あのレコードで、僕たちはそれを正々堂々と証明したと思う」

ベリー・ゴーディが、この曲が発売された直後にラジオ1に出演して、(司会の)サイモン・ベイツから『ピート・ウォーターマンというモータウンのことをよく知っている男がいる』と言われ、『第1級恋愛罪』は自分が作ったことのない曲の中で最高の曲だよ、と答えたんだ。それは、僕たちが常に目指していたことであったので、目標を達成したように感じたよ」

 (Official Charts  02 November 2017

 

 ストック・エイトキン・ウォーターマンの中で、彼だけがこの曲の曲作りにタッチしていないとバナナラマのメンバーが主張した、なんて過去の記事も見つかりましたが、ともかく、1980年代にイギリスのモータウンを目指した彼らの到達点の一つがこの曲だったということなんですね。

 

 この曲がリリースされた頃にはシヴォーンが脱退し別のメンバーが入りますが数年後に脱退すると、バナナラマはカレンとサラの2人組で活動していました。

 しかし2017年にシヴォーンが一時的に復帰しツアーをやっていたようです。その時のライヴでこの曲をやっているものを最後に。

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 彼女たちのカバーで再び脚光を浴びた大ヒット曲

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ストック・エイトキン・ウォーターマンといえば

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