まいにちポップス(My Niche Pops)

令和元年初日から毎日更新中〜1日1ポップス。エピソード、歌詞の和訳、謎解き、マニアックな捜査、勝手な推理、などで紹介していきます。text by 堀克巳(VOZ Records)

「Don't Throw It All Away」ゲイリー・ベンソン(1975)

おはようございます。

今日はゲイリー・ベンソンの「Don't Throw It All Away」という曲です。


DON´T THROW IT ALL AWAY - GARY BENSON - 1975

 

  ”さあ行こう、僕たちが気づいてきたものを壊して

   僕たちが感じてきたこともすべて忘れて

   僕はどこにいたんだろう?君が現れる前はどこにいたんだろう

        君を初めて見た時から そう思ったんだ

 

   たぶん僕は たぶん僕は何か間違いをおかしてしまったんだ

   どんなにやってみても 言葉が歌にうまくハマらない

   ドアを見つけたのに 鍵が見あたらない 

    君を初めて見た時から  君がそうかもしれないと思ったんだ

 

   だからすべて投げ出したりしないで

        君にいてほしいと懇願するやつにはなりたくないんだ

   君の気持ちを変えるやつにはなりたくないんだ

   もう一度 どうかいてほしい

   すべて投げ出さないで

 

        僕がただ君に八つ当たりしているように見えても

  君だけが僕を支えてくれるんだよ

  ドアを見つけて いま君が鍵だってわかった

  君を初めて見た時から 君かもしれないと僕はわかっていた

 

  だからすべて投げ出したりしないで

        君にいてほしいと懇願するやつにはなりたくないんだ

   君の気持ちを変えるやつにはなりたくないんだ

   もう一度 どうかいてほしい

   すべて投げ出さないで どうかいてほしい  ” (拙訳)

 

  ゲイリー・ベンソンはイギリスのシンガー・ソングライター

 キャリアは古く、1966年に「Unpredictable Journey」という曲でデビューしていま

す。


Gary Benson - Unpredictable Journey

  ソングライターとしてはジョン・ルーカスという人に書いた「Can't Afford To Lose」という曲が最初のヒットで、イスラエルでは1ヶ月間NO.1をキープし、そのせいでビートルズの「ロング・アンド・ワインディング・ロード」が2位で終わったそうです。


jon lukas - CAN't AffORD to LOSE (70's hit)

 また、日本の渋谷系で人気だったジョージィ・フェイムのアルバム「ゴーイング・ホーム」のタイトル曲は彼の作品でした。


Georgie Fame - Going Home (1971)

 


    さて、この「Don't Throw It All Away」はもともとはユーロヴィジョン・ソング・コンテストのために書いた曲でシャドウズが歌っていました。


The Shadows Don't Throw it All Away (HQ Audio)

 

  1975年に彼自身がこの曲を歌い、イギリスで最高20位という”まあまあの”ヒットになったわけです。
   しかし、日本ではオリヴィア・ニュートン・ジョンのカバーの方が有名でしょう。


Olivia Newton-John / Don't Throw It All Away

   彼女の「水の中の妖精」(1976)というアルバムは、当時オリコン総合チャート2位で40万枚を超えるという、彼女の日本での最大のヒット・アルバムになっています。

 

 それから、同じ1976年にバリー・マニロウがアルバム「想い出の中に(This One's For You)」用に録音しますが、こちらは最終的に外され、のちにCD化されたときにボーナス・トラックとして収録されました。

 結果的に「想い出の中に」は200万枚を超える大ヒットアルバムになったので、本人もさぞかし残念だったでしょう。

 

  1978年にフィラデルフィア・ソウルのコーラス・グループ、デルフォニックスが取り上げています。


DELPHONICS DON'T THROW IT ALL AWAY

  その他では、ステイシー・ラティソウが1982年にナラダ・マイケル・ウォルデンのプロデュースでカバー、シングルにもなりましたが。最高101位と奮いませんでした。

 


Don't Throw It All Away

 

 意外なところでは、日本のレゲエ・シンガー、ムーミンが1997年にカバーしています。


Moomin - Don't Throw it All Away

 でも、これには理由があって、ゲイリー・ベンソンは1990年代にポップ・レゲエの作曲家として大ブレイクしていたんです。

 マキシ・プリースト「クロース・トゥ・ユー」(1990年全米1位)を筆頭に、アスワド、ビッグ・マウンテン、ジャネット・ケイ、ダイアナ・キングなど日本でも当時大変人気のあったアーティストに曲を書いているんです。

 

 なかなか面白いプロフィールの人なんです。日本では、少年隊のミュージカルで東山紀之が歌った曲なんかも書いているようです。

 

 そして実は、日本で彼の名前が最も浸透しているのがAORシーンなんです。1980年に発売された彼のアルバム「Moonlight Walking」は田中康夫の「たまらなくアーベイン」にも紹介され、隠れた名盤とされています。


Gary Benson - Dying To Live With You (1980)

 

 

Gary Benson: The Best Of...

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  • 発売日: 2012/06/04
  • メディア: MP3 ダウンロード
 

 

ムーンライト・ウォーキング

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