まいにちポップス(My Niche Pops)

令和初日から毎日、1000日連続で1000曲(せんきょく)を選曲(せんきょく)しました。。。古今東西のポップ・ソングのエピソード、洋楽和訳、マニアックなネタ、勝手な推理、などで紹介しています。キャッチーでメロディアスなポップスは今の時代では”ニッチ”なものになってしまったのかなあとも思いますが、このブログを読んでくださる方の音楽鑑賞生活に少しでもお役に立てればと願っています。みなさんからの追加情報や曲にまつわる思い出などコメントも絶賛募集中です!text by 堀克巳(VOZ Records)

「恋にノー・タッチ( Never Gonna Fall in Love Again)」エリック・カルメン(1976)

 おはようございます。

 今日もエリック・カルメンで「恋にノータッチ」。

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No use pretending things can still be right
There's really nothing more to say
I'll get along without your kiss tonight
Just close the door and walk away

Never gonna fall in love again
I don't want to start with someone new
‘Cause I couldn't bear to see it end
Just like me and you
No, I never want to feel the pain
Of remembering how it used to be
Never gonna fall in love again
Just like you and me

At first we thought that love was here to stay
The summer made it seem so right
But like the sun we watched it fade away
From morning into lonely night

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  ” もう取り繕っても仕方がないんだね

  これ以上言うことはない

  君のおやすみのキッスなしでなんとかやっていくよ

  ただドアを閉めて 立ち去ってくれ

 

  もう恋に落ちたりしない

     誰か新しい恋人とやり直す気にもなれない

     だって恋の終わりには耐えられそうもない

  僕と君のように

     もう辛い思いはしたくない

  楽しかったことを思い出す時の

  もう恋に落ちたりしない

  君と僕のように

 

 最初僕たちは愛はずっと続くと信じていた

 あの夏はそれを約束してくれてたように見えた
 だけど、僕たちが見つめた夕日のように

 朝を孤独な夜へと変えてしまった

 

    もう恋に落ちたりしない

     誰か新しい恋人とやり直す気にもなれない

     だって恋の終わりには耐えられそうもない

  僕と君のように

     もう辛い思いはしたくない

  楽しかったことを思い出す時の

  もう恋に落ちたりしない

  君と僕のように                                              ”      (拙訳)

 

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「恋にノー・タッチ」の楽譜はこちら

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 これはエリック・カルメンのソロ・アーティストとしてのセカンド・シングルで全米11位の大ヒットになりました。

 以前にこのブログに登場した「サンライズ」が収録されている同名のアルバムにも入っています。

 

 最初のシングルで彼の代名詞「オール・バイ・マイセルフ」が大作でいかにも名曲という風格もあるので、「恋にノー・タッチ」のさりげない感じを好む人も意外に少なくないような気がします。

 

 せっかくなので「オール・バイ・マイセルフ」を。1975年ビルビード第2位、キャッシュボックスでは見事1位に輝きました。

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 大した話じゃないですが、僕が長い間ず〜っと引っかかているのが、邦題の”ノー・タッチ”と言う言葉。それが邦題として良い悪いという問題じゃなく、”ノー・タッチ”と言う言葉が、邦題に使うほどその頃流行ったり、普通に大衆に浸透していた言葉だったけ?ということなんです。ほんとに、どうでもいいことなんですけど(苦笑。

 僕の記憶の中で”ノー・タッチ”と言う言葉を聞いたり使ったりしたのは、子供の頃、野球のときだけです。ボールを持った野手が走者にタッチしたかどうか、のときに。

 う〜ん、その担当者の方はただ野球が好きだったんでしょうか、、。

 

  さて話を戻して「恋にノー・タッチ」はエリック・カルメンが作った曲ですが、ラフマニノフ交響曲第2番第三楽章のメロディーを流用しているため、ラフマニノフも共作者としてクレジットされています。

 サビのメロディーと間奏部ですね。


Rachmaninov - Symphony No. 2 Op. 27 III. Adagio: Adagio (LSO)

 

 「オール・バイ・マイセルフ」はラフマニノフピアノ協奏曲第2番をモチーフにしているところからわかる通り、ラフマニノフは彼が敬愛する作曲家だということです。

 

「僕は腰掛けてラフマニノフ交響曲第2番を聴いていたんだ。あの美しいメロディをね。僕がそれを使った理由は二つの意味がある。ひとつはそれが僕の心を動かしたから。いつもあの曲を聴くと鳥肌が立つんだ。また、クラシック音楽の中には劇的なメロディの曲があるのに、それが一般の人には紹介されないのは罪だと思ったんだ。私の大好きなクラシック音楽を、新しい時代の子供たちのためのポップスに組み込んで、そうでもしないと彼らが聴く機会のないような美しいメロディーを紹介するというのが僕のできることじゃないかと考えたんだ。それが「恋にノー・タッチ」の隠されたプランだった」

 

                     (本人のHP内のインタビューより) 

 

 ラフマニノフを聴いてから、あらためてまたこの「恋にノー・タッチ」を聴くと、彼の手腕は本当に見事だと思います。

 

 最後にこの曲のカバーを。

 まずはジョン・トラボルタ。1976年ですから「サタデー・ナイト・フィーバー」以前ですね。アルバム「ジョン・トラボルタ」に収録されています


John Travolta -Never Gonna Fall In Love Again

 

 そして、日本の伊豆田洋之。”日本のポール・マッカートニー”とも呼ばれていたピアノマンですね。ごく最近、2020年8月の無観客配信ライヴの映像のようで、エリック・カルメン生誕祭と銘打って彼のカバーをたくさん演奏していたようです(彼の動画チャンネルでは「オール・バイ・マイセルフ」もアップされています)。


Never Gonna Fall In Love Again【伊豆田洋之カバー】 cover by Hiroyuki IZUTA

 僕はこの人の「迷路」っていう曲が好きでした。声質も含めて、エリック・カルメンのカバーは日本人ではこの人が一番似合うかもなあ、と妙に納得してしまう素晴らしいカバーです。

 

 

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追記:日記のブログを始めました。よろしかったらぜひのぞいてみて下さい

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