まいにちポップス(My Niche Pops)

令和初日から毎日、1000日連続で1000曲(せんきょく)を選曲(せんきょく)しました。。。古今東西のポップ・ソングのエピソード、洋楽和訳、マニアックなネタ、勝手な推理、などで紹介しています。キャッチーでメロディアスなポップスは今の時代では”ニッチ”なものになってしまったのかなあとも思いますが、このブログを読んでくださる方の音楽鑑賞生活に少しでもお役に立てればと願っています。みなさんからの追加情報や曲にまつわる思い出などコメントも絶賛募集中です!text by 堀克巳(VOZ Records)

「ラブ・マシーン(Love Machine Part1)」ミラクルズ(1975)

 おはようございます。

 今日はミラクルズの”鉄板”ポップ・ダンス・チューン「ラブ・マシーン」です。


The Miracles - Love Machine

 

I'm just a love machine
And I won't work for nobody but you (Yeah, baby)
I'm just a love machine
A hugging kissing fiend

I think it's high time you knew
Whenever I think of you
My mind blows a fuse (Baby)
When I look in your eyes
My meter starts to rise
And I become confused


My voltage regulator cools
When I'm sitting next to you
Electricity starts to flow
And my indicator starts to glow, ooh


(I, I) I'm just a love machine
And I won't work for nobody but you (Hoo-hoo-hoo, yeah)
I'm just a love machine (Yeah, baby)
A hugging kissing fiend


La, la-la-la-la
La-la-la-la, la-la
Doo-doo-doo
La-la-la-la-la
La-la-la-la, la-la

(I, I) I'm just a love machine
And I won't work for nobody but you (Hoo-hoo-hoo, yeah)
I'm just a love machine (Yeah, baby)
A hugging kissing fiend

I'm gentle as a lamb
I'm not that hard to program
There's no way that you can lose (Doo, doo, doo-doo, ow)
My chassis fits like a glove
I've got a button for love (Push it, push it, ooh)
That you have got to use (Push it, push it)


If you look into my file
I am sure you can find out how
To turn me on, just set my dial
And let me love you for a little while, ooh


(I, I) I'm just a love machine
And I won't work for nobody but you (Hoo-hoo-hoo, yeah)
I'm just a love machine (Yeah, baby)
A hugging kissing fiend


La, la-la-la-la
La-la-la-la, la-la
Doo-doo-doo
La-la-la-la-la
La-la-la-la, la-la
Push it, push it, baby, ow

(I, I) I'm just a love machine
And I won't work for nobody but you (Hoo-hoo-hoo, yeah)
I'm just a love machine (Yeah, baby)
A hugging kissing fiend
(I, I) I'm just a love machine
I won't operate for anybody but you (Hoo-hoo-hoo, yeah)
I'm just a love machine (Yeah, baby)
A hugging kissing fiend


Hoo-hoo-hoo, yeah
Love-makin'
Earth-quakin', soul-shakin'
Love machine
I won't operate for anybody but you
Love-makin'
Earth-quakin', soul-shakin'
Love machine
I won't operate for anybody but you

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  ”僕はただのラブ・マシーン 君のためじゃなきゃ動かない

    僕はただのラブ・マシーン

    ハグとキスの達人さ

 

    君も気づいていい頃さ     いつだって君を思うと   

       僕の気持ちはフューズが飛んだみたいさ

 

    君の瞳を見つめると 僕のメーターは上昇しはじめて

  わけがわからなくなってしまう

       君の隣に座ると 僕の電動モーターが動き出すよ

    電流が流れ始めて インディケーターが光り出す

  

       僕はただのラブ・マシーン 君のためじゃなきゃ動かない

    僕はただのラブ・マシーン

    ハグとキスが大好きさ 

 

       ラ、ラ、ラ、ラ、、、、、、

 

  僕は子羊のように優しいし

  しつけるのはそんなに大変じゃない

  君が失敗するはずはないよ

 

  シャシー(車台)は手袋みたいにぴったりだ

  君が使うための愛のボタンが僕にはついている

  (ボタンを押すんだ ベイビー)

 

  僕のパワー(動力)を調べたなら 

  君は僕の電源の入れ方がわかるはず

  ダイヤルをセットするだけでいいんだ

  そうしたら 少しの間君を愛させてよ

 

  僕はただのラブ・マシーン 君のためじゃなきゃ動かない

    僕はただのラブ・マシーン

    ハグとキスが大好きさ ”   (拙訳)

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     1972年にミラクルズの大看板、スモーキー・ロビンソンがグループを離れてしまってから3年目にして生まれた大ホームランがこの「ラブ・マシーン」でした。

 

 スモーキーはベリー・ゴーディーの右腕としてモータウンの副社長をつとめ、テンプテーションズ、メリー・ウェルズなど他のアーティストのプロデューサー、ソングライターをやっていたので、ミラクルズとの両立が難しく、以前から脱退を考えていたようですが、優しい人なので(推測ですが、、)なかなか思いきれず、延び延びになっていたようです。

 代わりにグループに入ったのがビリー・グリフィンというまだ22歳の美しい声を持つ若者でした。

 スモーキー・ロビンソンが作ったミラクルズの上品でソフトなイメージを保ちながら、ビリーの特質を生かすためにスウィート・コーラス・グループのスタイルで作品を作りますが、いまいち成功しませんでした。

    そこでジャクソン5のヒット曲を手がけたソングライター・チーム”ザ・コーポレーション”のひとり、フレディ・ペインがプロデュースを手がけるようになり、グループは上向きになります。少しずつ、グルーヴが打ち出され始めました。そして、1974年に「Do It Baby」が全米13位まで上がるヒットになります。


The Miracles - Do It Baby

 そして、1975年にこの「ラブ・マシーン」が全米NO.1に輝いたわけです。

 スモーキー・ロビンソン在籍時でも全米NO.1は「ティアーズ・オブ・クラウン」1曲だけでしたので、まさに快挙でした。

 曲を書いたのはビリー・グリフィンとメンバーのピート・ムーアです。

 ”僕はラブ・マシーン”   なんて、スモーキー・ロビンソンだったら死んでも書かない(?)ような歌詞です。リズムも今までにない速さです。

 今までのミラクルズのイメージのまさに”真逆”に振り切ったことが吉と出たわけですね。

 何か変化しなければいけない局面では、今までのイメージに縛られて堅実にいくよりも、とらわれずに思いっきりいったほうがいいのかもなあ、などと思ったりしました。

 

 それにしても、歌詞がついているところじゃなく、ラララ〜のコーラスがサビの役割を果たすなんて、ほんと画期的な曲です。

 

 ちなみにこの「ラブ・マシーン」の入った「シティ・オブ・エンジェルス」と言うアルバム自体も、それまでのミラクルズのイメージを一気に払拭するような軽快なアルバムです。

 ちなみに、シティ・オブ・エンジェルスとはロサンゼルスのことです(Los Angeles 天使たち)。アルバム・ジャケットは有名な”ウォーク・オブ・フェイム”で、スターを夢見てLAに行ったガールフレンドを追いかける男をテーマにしたコンセプト・アルバムになっています。

 モータウンデトロイトからロサンゼルスに本拠地を移転したのが1972年でしたから、スモーキーがグループを離れるのにちょうどいい区切りだと判断したのかもしれません。

 

 残念ながらミラクルズのホームランは「ラブ・マシーン」1曲のみで、次の作品は成功せず、その翌年モータウンからコロンビアに移籍しますがやはりうまくいきませんでした。

 ボーカルのビリー・グリフィンは1980年代前半にソロ・アーティストとして活動しています。

 ちなみに、ソロとしてのファースト・シングルだった「Hold Me Tighter in the Rain」という曲がなかなかの傑作で、後年DJから結構人気になっているようです。


Billy Griffin - Hold Me Tighter In The Rain (Audio only)

 

シティ・オフ・エンジェルス

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  • アーティスト:ミラクルズ
  • 発売日: 2018/05/16
  • メディア: CD
 

 

ビー・ウィズ・ミー(期間生産限定盤)

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