まいにちポップス(My Niche Pops)

令和初日から毎日、1000日連続で1000曲を選曲しました(苦笑)。古今東西のポップ・ソングをエピソード、歌詞の和訳、マニアックなネタ、勝手な推理、などで紹介しています。みなさんの音楽鑑賞生活に少しでもお役に立てればうれしいです。みなさんからの情報や思い出話などコメントも絶賛募集中です!text by 堀克巳(VOZ Records)

「ビー・マイ・ベイビー(Be My Baby)」ヴァネッサ・パラディ(1992)

 おはようございます。

 今日はヴァネッサ・パラディ。長い間、日本のマスコミで取り上げられるのはほとんどジョニー・デップのパートナー(事実婚)としてでしたが、もう少しさかのぼって、約30年前にポップスを聴いていた人たちに強烈な印象を残したのが彼女の「ビー・マイ・ベイビー」でした。


Vanessa Paradis - Be My Baby

 フランスのパリ郊外にあるサン=モール=デ=フォッセ出身の彼女は、昨日このブログに登場したシャニース同様、幼い頃から芸能活動を始めています。

 レコード・プロデューサーだった叔父のサポートで7才から子供のシンガーを集めた地元のTV番組に出演していたそうです。

 そして1983年彼女が11才の時にレコード・デビューを果たします。 


Vanessa Paradis La magie des surprises parties

 残念ながらヒットはしなかったようですが、1987年、彼女が14才の時に念願の大ヒット曲が生まれます。"Joe Le Taxi"という曲で「夢見るジョー」という邦題がつけられて日本でも発売されました。

 タクシー・ドライバーのジョー、のことを歌ったもので、

”彼の黄色い車はパリのいたるところ、小さなバーや危険な場所まで知っていて、車の中は彼の好きなルンバやマンボ調のロックがかかっている、行って、ジョー、走って、ジョー”

 そんな内容です。 


Vanessa Paradis - Joe Le Taxi

 フランスで11週連続1位、フランス語の曲なのにイギリスでも3位、スウェーデンノルウェーデンマーク、ベルギーなどでも軒並みトップ10入りしたそうです。

 14才の少女が歌うには相当大人びた歌で、2009年に彼女が歌っている映像がありますが、全く違和感がありません。


Joe Le Taxi 2009 - Vanessa Paradis

  この「夢見るジョー」で彼女のイメージが確立されたんでしょうね。

 その次のアルバムではフランスを代表する”ワル”な色男、セルジュ・ゲンズブールを作詞家に迎えることで、彼女の”小悪魔”のイメージは完成します。

 そして、彼女の次のステップは英語圏を制す、ことだったのでしょう。その彼女をサポートしたのは、当時付き合っていたといわれているレニー・クラヴィッツ。ちょうどその時にリリースされたセカンドアルバム「ママ・セッド」で、1960年代後半〜1970年代前半のロックのテイストを新鮮な感覚で表現する彼の才能が世界的に評判になっている時期でした。

  そして、ヴァネッサのアルバムの翌年には、レニーの代名詞である「Are You Gonna Go My Way」をリリースするわけですから、彼のクリエイティヴィティが最高潮のタイミングにハマったように思います。

 しかも、レニー本人がやる場合はハードなロックかR&Bしか似合わないわけですが、ヴァネッサだとポップスなど自分がやれないジャンルをやれる、それがまた彼の創作力を刺激したのだと思います。

 その代表がこの「ビー・マイ・ベイビー」です。

 曲を書いたのはレニーと彼のいとこのジェリー・デヴォー。レニーの「Heaven Help」たカイリー・ミノーグチャカ・カーンにも曲を書いていて、レニー、ヴァネッサ人気にあやかって、90年代半ばに日本で二枚アルバムもリリースしています。

 調べてみると、彼は今はファッションの仕事をメインになっているようです。

 

 ヴァネッサにとって英語の歌を歌うことはかなり大変だったようで、かなり練習もしたそうですが、結果アルバム「Vanessa Paradi(邦題”ビー・マイ・ベイビー”)」は

 今聴き直しても、本当によくできた他に類のない面白いアルバムだと思います。

 ちなみに、アルバムに入っていた「Lonely Rainbows」をレニー自身が歌ったデモがのちに発表されています。


Lonely Rainbows

 僕がこのアルバムの中で当時一番好きだったのはこの曲でした。 


Vanessa Paradis - Sunday Mondays

 

 

ビー・マイ・ベイビー

ビー・マイ・ベイビー

 

 

ベスト・オヴ・ヴァネッサ・パラディ

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