おはようございます。
今日はアリシア・キーズの「イフ・アイ・エイント・ガット・ユー(If I Ain't Got You)」です。
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Some people live for the fortune
Some people live just for the fame
Some people live for the power, yeah
Some people live just to play the game
Some people think that the physical things
Define what's within
And I've been there before but that life's a bore
So full of the superficial
Some people want it all
But I don't want nothin' at all
If it ain't you, baby
If I ain't got you, baby
Some people want diamond rings
Some just want everything
But everything means nothing
If I ain't got you
Some people search for a fountain
That promises forever young
Some people need three dozen roses
And that's the only way to prove you love them
Hand me the world on a silver platter
And what good would it be?
With no one to share
With no one who truly cares for me
Some people want it all
But I don't want nothin' at all
If it ain't you, baby
If I ain't got you, baby
Some people want diamond rings
Some just want everything
But everything means nothin'
If I ain't got you, you, you
Some people want it all
But I don't want nothin' at all
If it ain't you, baby
If I ain't got you, baby
Some people want diamond rings
Some just want everything
But everything means nothin'
If I ain't got you
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すべてを求める人もいるけど
私は何もいらないわ
もしそれがあなたじゃなかったら、ベイビー
もしあなたが私のものじゃないのなら、ベイビー
ある人はダイヤの指輪が欲しがり
ある人はすべてを欲しがる
でも、すべてが何の意味もないの
もしも、あなたがいなければ
ある人は永遠の若さを約束してくれる泉を探す
ある人は3ダースのバラが必要
それが、愛していることを証明するたった一つの方法
銀の皿に乗せて世界を手に入れても
それが何になるの?
誰とも分かち合えず
誰も私のことを本当に心配してくれないのに
すべてを求める人もいるけど
私は何もいらないわ
もしそれがあなたじゃなかったら、ベイビー
もしあなたが私のものじゃないのなら、ベイビー
ある人はダイヤの指輪が欲しがり
ある人はすべてを欲しがる
でも、すべてが何の意味もないの
もしも、あなたがいなければ
すべてを求める人もいるけど
私は何もいらないわ
もしそれがあなたじゃなかったら、ベイビー
もしあなたが私のものじゃないのなら、ベイビー
ある人はダイヤの指輪が欲しがり
ある人はすべてを欲しがる
でも、すべてが何の意味もないの
もしも、あなたがいなければ
(拙訳)
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彼女は母親がイタリア系の白人、父親がアフリカ系アメリカ人で、ニューヨーク・マンハッタンの治安の悪いエリア(今はそうでもないようですが)”ヘルズ・キッチン”で育ちでながら、クラシックを本格的に学んだ人です。
ストリートを生き抜くタフさと、音楽的インテリジェンスをあわせ持っているんですね。
彼女の才能は十代の頃から業界から注目されていましたが、デビューに至るまでは困難続きだったようです。
15歳でコロンビア・レーベルと契約した彼女は、成績優秀だったため16歳で高校を早期卒業しコロンビア大学に入学しましたが、アーティスト活動を選びすぐに退学しています。
しかし、レーベル側は彼女の意に沿わない”ヒット狙い”のソングライターやプロデューサーと組ませたようで、まったく良い作品が作れなかったうえに、彼らから誘惑されることも少なくなかったようで、彼女にとってはフラストレーションばかり溜まる日々でした。
彼女はなんとかコロンビアとの契約を解除し、次に契約したのがクライヴ・デイヴィス率いるアリスタ・レコードでした。彼女の音楽の才能を強く感じた彼は、彼女の自主性を尊重する方針をとりますが、”クーデター”のようなことがあり、彼自身がアリスタを追放されることになってしまいます。
デイヴィスはすかさずJレコードを立ち上げ、彼女を迎い入れました。
そして、2001年、彼女はデビュー作 『ソングス・イン・Aマイナー』を発表、グラミー5部門を受賞し全世界で1200万枚以上のセールスを記録する大ヒットになりました。このアルバムには、彼女がコロンビアと契約した頃に書いていた曲も収録されているために、「完成までに6年かかったアルバム」と自身で語っています。
シングル「フォーリン」は6週連続全米1位を獲得しました
そして、2003年にリリースされたセカンドアルバム「ダイアリー・オブ・アリシア・キーズ(The Diary of Alicia Keys)」からのセカンド・シングルで全米4位になったのが、この「イフ・アイ・エイント・ガット・ユー」でした。
この曲について彼女はこう語っています。
「この曲のアイデアは、アリーヤが亡くなった直後に生まれたの。とても悲しい出来事で、誰もがそれを信じたくなかった。そのことで私は、何が重要で、何が重要でないのか、すべてはっきりわかったの」
(COMPLEX Jun 10, 2011)
2001年にアリーヤは新曲のミュージックビデオ撮影のためにバハマ諸島へ行き、帰りに乗ったセスナ機が墜落してしまい、わずか22歳で帰らぬ人となっています。
「イフ・アイ・エイント・ガット・ユー」の歌詞は切実で本質的なことを、実にシンプルに言い表している素晴らしいものだと思いますが、「死」というものを自分の身近に置いて考えられたものだったんですね。
その後も彼女はヒット曲をたくさん世に出しています。
2007年の全米1位「NO ONE」
2012年「GIrl on Fire」
最後は、彼女の作品で一番最初に世に出たものを。
1990年代にアトランタをR&Bの新たなメッカにした張本人のひとり、ジャーメイン・デュプリ率いる”SO SO DEF”レーベルのクリスマス・アルバム「12 Soulful Nights of Christmas」に収録されていたものです。R&Bのクリスマス・アルバムの中でも個人的に好きなものでもあります。
曲は「Littele Drummer Girl」。
この時彼女はまだ17歳ですが、スタイルは出来上がっていたんですね。