おはようございます。
今日はスウェディッシュ・ポップの代表バンド、カーディガンズの「カーニバル」。
この曲はJ-Wave、FM802、ZIPFMといった洋楽を多くオンエアするFM局と、HMV、タワー、WAVEの輸入盤を多く売っていたCDショップが連携するようにものすごく盛り上げていた記憶があります。
そんな彼らをいち早く発見して本国スウェーデンに負けないほど盛り上がったのも日本でした。
ちょうどその頃、彼らのような音楽を受け入れるファン層がちょうど拡大していたんですね。
ネオ・アコから渋谷系の流れ、フリッパーズ・ギターが筆頭ですね。ピチカート・ファイヴ、カヒミカリイなどもカーディガンズと親和性はあったと思います。
カーディガンズのプロデューサー、トーレ・ヨハンソンとも仕事をしたことのあるカジヒデキは、彼らのファースト・アルバム「Emmerdale」は”渋田界隈が騒然となった”と語っています。
カーディガンズは当時ヘヴィ・メタルをやっていたという1992年にギターのピーター・スヴェンソンとベースのマグナス・スヴェニンソンを中心に結成され、メンバー5人で共同生活をしながら音楽活動をしていたそうです。そのデモがプロデューサーのトーレ・ヨハンソンの耳にとまりデビューすることになります。作曲ピーター作詞マグナスというスタイルで曲を作ってきましたが、ボーカルのニーナ・パーションが初めて歌詞を手がけたのが「カーニバル」だったそうです。
そして「カーニバル」は日本以外でもイギリスなどでもヒットしましたが、この曲の入った「LIFE」は日本がオリコン最高13位と(スウェーデンは20位、イギリスは51位)一番のセールスをあげています。
そして、次の作品で彼らは世界的にブレイクします。
この曲は映画レオナルド・ディカプリオの映画「ロミオ+ジュリエット」で使われたことをきっかけに、世界中で大ヒットします。
この曲の歌詞もボーカルのニーナで、空港で飛行機を待っている時に書いたそうで
”一番のヒット曲は一番容易く書けた曲だった”と語っています。
このあたりで彼らが突き詰めてきたスタイルが極まったのでしょうか、もしくは自分たちの年齢や時流と共に変化しようとしたのでしょうか、この次のアルバム「グラン・トゥーリスモ」では、今までの温かみのある親密なサウンドから一転、暗く無機質なサウンドに変貌しています。
The Cardigans - My Favourite Game “Stone Version”
しかし、この方向転換が成功し、かれらばまた世界的に高い評価を受けます。
ただ、日本ではあまりウケなかったようで、ここから彼らの人気は終息していった感じはします。しかし、海外ではこの後も引き続き人気は衰えず、寡作ながら本国スウェーデンでは国民的なバンドの座を掴んだようです。
ちなみに、このアルバムの後、彼らはなんとトム・ジョーンズと共演。トーキング・ヘッズの曲をカバーしています。
Tom Jones, The Cardigans - Burning Down The House (Official Video)
彼らは、バンドの中に顔となる魅力できなボーカリストと、とても才能のあるソングライターがいて、その上で、独自のサウンドを作れる卓越したプロデューサーと相性が良くがっちり組めたわけですから、今考えると最強の布陣だったわけですね。
そして、同じ布陣でいながら、成功した一つのスタイルに固執しなかった、というのが大きかったんでしょうね。
ちなみに、プロデューサーのトーレ・ヨハンソンは当時日本のアーティストの間でも大人気でした。原田知世、BONNIE PINK、レミオロンメンなど、これほどたくさんの日本人のプロデュースをした外国人プロデューサーは他にいないのではないでしょうか。
そして、ギターと作曲を手がけていたピーター・スヴェンソンはいま、アメリカで売れっ子ソングライターとして大活躍しています。
これも彼の作品だったんですね。そう言われると納得できますが。
Carly Rae Jepsen - I Really Like You
また、この世界的大ヒットにも、マックス・マーティンなどとともに共作者として名を連ねています。
The Weeknd - Can't Feel My Face
さて、カーディガンズは昨年ライヴを行ったようで、その映像がアップされています。ラストが「カーニバル」〜「ラブフール」です。
The Cardigans - REC Festival (2019)