まいにちポップス

1日1ポップス。エピソード、歌詞の和訳、謎解き、勝手な推理、などで紹介していきます

「恋のひとこと(Something stupid)」フランク・シナトラ&ナンシー・シナトラ(1967)

 おはようございます。

 昨日に続いてデュエット曲を。


Frank & Nancy Sinatra ~ Something Stupid (1967)

 昨日取り上げた「Baby,It's Cold Outside」を書いたフランク・レッサーが音楽を担当した映画「野郎どもと女たち(Guys And Dolls)」にも出演していたフランク・シナトラと、彼の娘のナンシー・シナトラ、親子でデュエットした大ヒットしました。

 フランク・シナトラアメリ音楽史上最大の大物よいっていいほどのアーティストですが、ナンシーは彼の最初の奥さん(彼女もナンシーといいます)との間に生まれた、初めての子供でした。可愛かったのでしょう、彼女の誕生に合わせて「ナンシー(Nancy (with the Laughing Face))」という歌まで発表したほどです。

 学校で音楽やダンスを学んでいた彼女にチャンスを与えたのもフランクでした。自身のTVショーに出演させ、自分が持つレーベル(リプリーズ)で彼女を歌手として契約しました。

    彼女の二枚目のシングル「Like I Do」はアメリカでは売れませんでしたが、イタリアでヒット、そして日本でもヒットします。「レモンのキッス」という邦題がつけられ、ザ・ピーナッツがカバーしました。


LIKE I DO

 アメリカではパッとしなかった彼女でしたが、フランクがリー・ヘイズルウッドというシンガー・ソング・ライターと組ませたことから状況は変わります。二人の組み合わせで数多くの曲をチャートに送り込みました。

 代表的なのがこの2曲。「にくい貴方」(全米、全英1位)「シュガー・タウンは恋の町」。


Nancy Sinatra - These Boots Are Made for Walkin'


NANCY SINATRA - Sugar Town 1967

  フランクはナンシーに合いそうな曲を知り合いから教えてもらいます。それが

「Something Stupid」。カーソン&ゲイルという夫婦デュオが発表したものでした。

曲を書いたのはカーソン・パークス。旦那さんの方です。ちなみに、ビーチ・ボーイズの作品にも関わったヴァン・ダイク・パークスのお兄さん、ということです。 


the original "Something Stupid" Carson & Gaile

 (*ちなみにこの曲の入ったカーソン&ゲイルのアルバム昨年日本でCD化されています)

 フランクがヘイズルウッドに聴かせたところ彼も気に入り、フランクがディエットしないなら自分が歌うと申し出たそうで(ナンシーとヘイズルウッドは数多くデュエットしています)、そう言われたフランクは、いや俺たち(親子)で歌うからスタジオをおさえてくれ、と答えたそうです。

 

 アレンジはビリー・ストレンジ。ビーチ・ボーイズの「ペット・サウンズ」にも関わっている人ですね。ドラムスはポピュラー・ミュージック史に名を残す名ドラマー、ハル・ブレイン

 そして、ギターは、シンガーとしても多くの大ヒット曲を持つグレン・キャンベル。ただし、フランクがカーソン&ゲイルのヴァージョンと同じフレーズを求めた箇所があったらしく、そこはオリジナルを演奏していたアル・ケイシーが弾いているそうです。

 確かにこの曲の影の主役はギターです。多くのカバー・ヴァージョンは、このギターのイントロのフレーズもそのまま再現しています。このイントロが重要な”ツカミ”になっているんですね。

 

 そして、この曲はアメリ音楽史上初めて1位になった、父娘デュエット・ソングになりました。

 近年ではロビー・ウォリアムスとニーコール・キッドマン、マイケル・ブーブレリース・ウィザースプーンという、なぜか”男性シンガーと女優”という組合せでカバーしています。

 

 さて、今回僕がこの曲を取り上げた大きな理由は、日本のポップスの二大巨頭、細野晴臣大瀧詠一がともにカバーして歌っているからです。

 大瀧は竹内まりやと、細野はアン・サリーとデュエットしています。

 はっぴいえんど以降、遠く離れた道筋をたどった二人が同じ曲を歌う、というのは何か感慨深いものがあります。しかも細野が発表した年の年末に、大瀧は亡くなってしまいます。細野がこの曲を取り上げたのは、大瀧に対して何かメッセージを伝えたかったのか?などと深読みしたくもなりますが、素晴らしい仕上がりのこの2つのヴァージョンを、聴けるだけでもほんとうに幸せな気分になれます。

 

 


恋のひとこと  竹内まりや&大滝詠一

 

恋のひとこと

恋のひとこと

 

  

恋のひとこと (SOMETHING STUPID)

恋のひとこと (SOMETHING STUPID)

  • アーティスト:竹内まりや
  • 出版社/メーカー: WM Japan
  • 発売日: 2018/11/15
  • メディア: MP3 ダウンロード
 

 

Something Stupid

Something Stupid

  • アーティスト:細野 晴臣
  • 出版社/メーカー: daisyworld Labels UNITED/Speedstar
  • 発売日: 2013/05/22
  • メディア: MP3 ダウンロード