まいにちポップス(My Niche Pops)

令和元年初日から毎日更新中〜1日1ポップス。エピソード、歌詞の和訳、謎解き、マニアックな捜査、勝手な推理、などで紹介していきます。text by 堀克巳(VOZ Records)

「アイ・ウォント・チェンジ(I Won't Change)」ジョン・ヴァレンティ(1981)

 おはようございます。

 今日はジョン・ヴァレンティの「アイ・ウォント・チェンジ」です。

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I won't change, I won't change,
I won't change my mind.
I won't change, I won't change,
I won't change my mind.

I won't change,
I won't change my mind.
I will love you, baby,
till the end of time.
Even if this whole world crumbles,
I won't change my mind.

All the things, honey, we've been through,
over ups and downs, it's been me and you.
I don't care what people say,
our love's here to stay.

Sometimes this world gets movin' so fast,
I know you can't help but wonder
if my feelings for you can last.
Well, don't you worry, baby,
my love for you's like thunder.

I won't change,
I won't change my mind.
I will love you, baby,
till the end of time.
Even if this whole world crumbles,
I won't change my mind.

All the things, honey, we've been through,
I've been up and down and all around you.
I don't care what people say,
I won't change my mind.

Don't you know now, babe.

Both of us see lovers foldin' each day,
what makes us think we can make it?
There's a bond between us they can't see.
No matter how they try,
nobody's gonna break it.

'Cause I won't change,
I won't change my mind.
I'm gonna love you, baby,
till the end of time.
Even if this whole world crumbles,
I won't change my mind.

Ooh, ooh, baby.
I don't care what people say,
'cause I won't change my mind.

I won't change, I won't change,
I won't change my mind, baby, I...
I won't change, I won't change,
I won't change my mind, baby, I...

I won't change, I won't change,
I won't change my mind if you'll be mine.
I won't change, I won't change,
I won't change my mind.

I won't change, I won't change...
(I've been up and I've been down)
(and I've been all around now, baby).
...I won't change my mind.

I won't change, I won't change,
I won't change my mind.
(And I can't change my mind).

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変わらない、変わらない
僕の気持ちは変わらない
変わらない、変わらない
僕の気持ちは変わらない

変わらない
僕の気持ちは変わらない
君を愛するよ、ベイビー
永遠に
たとえこの世界が崩れ落ちても
僕の気持ちは変わらない

いろんなことを、ハニー、僕らは経験してきた
いい時も悪い時も乗り越えてきた、それが僕と君なんだ
人が何と言おうと構わない
僕たちの愛はここにあるのさ

時々、この世界はとても速く動いてしまう
僕の気持ちが続くかどうか、
君が疑問に思ってしまうのはわかる
心配しなくていいんだ、ベイビー
君への愛は雷のようなものさ

変わらない
僕の気持ちは変わらない
君を愛するよ、ベイビー。
永遠に
たとえこの世界が崩れ落ちても
僕の心は変わらない

いろんなことを、ハニー、僕らは経験してきた
僕は浮き沈みはあってもずっときみのそばにいた
人が何と言おうと構わない
僕の心は変わらない

わからないのかい、ベイビー

二人とも、恋人たちが日に日に壊れていくのを見ているんだ。
何をもってして自分たちが成功すると思うのだろう?
僕には彼らには見えない絆があるんだ
どんなことをやろうとしても
誰もそれを壊すことはできない

だって僕は変わらない
僕の気持ちは変わらない
君を愛し続けるよ、ベイビー
永遠に
たとえ、この世界が崩れ落ちても
僕の気持ちは変わらないよ

人が何と言おうと気にしない
僕の心は変わらないから

変わらない、変わらない
僕の気持ちは変わらない
変わらない、変わらない
僕の気持ちは変わらない、、、

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 当時AORの話題のニュー・アティストとして、FMや音楽誌でもかなり紹介されていた記憶があるのですが、アルバムが発売されたのは日本だけだったようです。

 アメリカでは先行でリリースされたシングルの売れ行きが思わしくなかったのか、アルバムは急遽お蔵入りしたのだそうです。

 

 ジョン・ヴァレンティはシカゴ出身のシンガーソングライター。1951年生まれで、本名はジョン・リヴィニ(John LiVigni)、シチリア人の家系だったようで、父は警察官、母は専業主婦で、5人の兄弟姉妹がいたそうです。

 彼に最も影響を与えたのがフランク・シナトラ。そしてマーヴィン・ゲイレイ・チャールズの影響も大きかったようです。

 8歳のとき、ジョンはドラムを始めま、9歳の頃お小遣いでマイクを買って、テレビで見た憧れの歌手の真似をしていましたが、周りからの評判が良く、歌手を目指すようになったようです。14歳でセミプロのバンドにドラマー・シンガーとして参加し、シカゴのクラブで演奏していました。

「1960年代、人々はソウルやリズム・アンド・ブルースのレパートリーを求めていたんだ。それは僕が育った音楽であり、僕のルーツであり、その後の僕のキャリアの指針となった」

 のちにTV番組「アメリカン・バンドスタンド」に出演した際、彼はこう語っていました。

 

 1968年に彼は”The Outfit”というバンドを結成し、イリノイ州のあちこちでライブを行い、最終的にはデトロイトでもライヴを行います。そして、1972年にモータウンの目に留まり、白人のバンドながら彼らに契約を申し出ました。

 そのときバンドは”パズル”という名前で、1973年から74年にレコードをリリースしています。

 同郷の先輩”シカゴ”のようなブラス・ロックの要素もありながら、ソウル・ファンク色もあるバンドでした。彼はヴォーカルとドラムを担当していました。

 

「Mary Mary」

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 パズル解散後、彼は本名のジョン・リヴィニ(John LiVigni)名義で1974年に2枚シングルをリリースしています。そのうち1曲はスティーヴ・ウィンウッドのいたスペンサー・デイヴィス・グループの代表曲「ギミ・サム・ラヴィン」でした。

 

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 彼が白人ソウル・シンガーとして、かなりの歌い手だったことがうかがえます。

 

そして1976年にアリオラレコードと契約しロサンゼルスに拠点を移し、芸名をジョン・ヴァレンティに変え、会心の作品をリリースします。

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 彼の歌声はスティーヴィー・ワンダーに似ていると言われることがよくあったそうですが、この曲などはまさにそうでしょう。

 1976年の「Anything You Want」。全米チャート最高37位、ソウル・チャートでは最高10位まで上がった、彼唯一のヒット曲です。

 

 そして、この曲と同名のアルバムもリリースしました。エド・グリーンジム・ゴードン、ディーン・パークス、ジェイ・グレイドンといった凄腕のミュージシャンが集まり、ブルー・アイド・ソウルの隠れた傑作とも呼べる充実した内容になりましたが、セールス的には成功しませんでした。

 同時期に、やはりブルー・アイド・ソウルのスタイルを打ち出したボズ・スキャッグスホール&オーツは花開いたわけですが、、。

 

 ちなみに、パズルからこのファースト・アルバムまではボブ・カレンがプロデュースしています。彼はRCAのスタッフA&Rだった人で古くはヤングブラッズの「ゲット・トゥゲザー」のスーパーバイザーをつとめ、70年代は様々なレーベルでプロデューサーをやっていて、70年代後半はシルヴァーズも手がけています。

 

   そして、5年ぶりの復活作となったのがこの「アイ・ウォント・チェンジ」が収録された「女はドラマティック」。原題は「I Won't Change」。しかし、アルバムのオープニングの「Who Will Be」という曲にも「女はドラマティック」という邦題がつけられるというややこしい事態になっていました(このパターン、たまにありましたが)。

 当時僕がラジオでよく耳にしたのが、この「Who Will Be」のほうの「女はドラマティック」でした。

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 このアルバム、当時流行していたAORのさまざまなパターンを、とてもうまく取り入れた”ウェルメイド”な作品でした。

  プロデュースはスモーキー・ロビンソンの「Being With You」やロバート・ジョン「Sad Eyes」で知られるジョージ・トービン。トービンのアシスタントでもあったギタリスト/アレンジャーのマイク・ピシリロが共同でアレンジをし、マネージャーでもあったゲイリー・ゴーツマンの作詞でこの「アイ・ウォント・チェンジ」、「女はドラマティック」などの主要曲を作曲しています。

 また、ベースで「Risin' To The Top」のケニ・バーク、バック・コーラスではダーレン・ラヴ、エドナ・ライト姉妹も参加しています。

 

 しかし、冒頭でお話しした通り、アルバムはお蔵入りしていまい、ジョン・ヴァレンティのアーティスト生命はほぼ立たれてしまいました。

 同じ時期、西海岸のラジオ・スターだった”シャナ”さんと恋に落ち結婚し、彼はアーティスト業から足を洗い、家族をメインにする人生を選んだそうです。

 そして彼はハイファイ・スピーカーのキャビネットの設計や特許、風景画家、そして教師などをやっていたそうです。

 そして闘病生活の果てに昨年初めに亡くなっています。

 彼が亡くなった後、たぶん息子さんだと思いますが、ジョンのフェイスブックを立ち上げています。

 2012年に、彼は友人のジョン・スピニゾーラと「It Wouldn't Be Christmas」というクリスマス・ソングを作っていました。

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 彼は”白いスティーヴィー”でもありましたが、シナトラが最大のアイドルでしたから、ソフトな”クルーナー”っぽい歌い方も身についていたんですね。

 

 これは彼のフェイスブックに行かないと見れないですが、たぶん息子さんと作ったトラックに合わせて「雨にぬれても」を歌っている動画があって、ものすごくいいんですよね。大昔に引退したとは思えない、とてもいいヴォーカルで見ていてなんかウルウルしてしまいました。彼がクルーナー・ボイスでスタンダードを歌うアルバムをぜひ聴いてみたかったなあ、と思ってしまいました。

 

https://www.facebook.com/JohnValentiMusic/

 

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