まいにちポップス(My Niche Pops)

令和元年初日から毎日更新中〜1日1ポップス。エピソード、歌詞の和訳、謎解き、マニアックな捜査、勝手な推理、などで紹介していきます。text by 堀克巳(VOZ Records)

「ミスター・ブルー・スカイ(Mr.Blue Sky)」E.L.O(エレクトリック・ライト・オーケストラ)(1977)

 おはようございます。

 長いキャリアのあるアーティストの場合、代表曲がリアルタイムと現在では違う、ということが起こることがあります。

 E.L.Oの世界中で最も知られている曲は、この「ミスター・ブルー・スカイ」で間違いないと思いますが、当時は全米チャート最高35位という、彼らにとっても”まあまあ”のヒット曲でした。

  これは21世紀に入ると、映画やTV番組、ロンドン・オリンピックやサッカーなど試合のオープニングなどに使われる大人気曲になります。

 映画ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Vol. 2』のオープニングでも、すごく印象的に使われていました。

 日本でもイチローが出た”キリン一番搾り”のCMや車のSUZUKIのCMで使われました。

 この曲が再評価されたきっかけははっきりはわかりませんが、僕個人としては2004年のジム・キャリーの映画『エターナル・サンシャイン』を見たときに久しぶりにこの曲を聴いて、あれ?こんなにいい曲だったけ?とびっくりしてサントラ盤を買ったことをおぼえています。

 2003年には海外でフォルクス・ワーゲンのTVCMで使われたそうなので、この2003、4年あたりが最初のきっかけなのかもしれません。

 

 ”空には太陽が輝いて 雲一つない 雨は止んで みんな楽しんでいる

  素晴らしい 真っ新な日なんだよ

 <中略>

 ミスター・ブルー・スカイ 今日は一緒だね

 どうしてそんなに長い間 顔を見せてくれなかったのか 理由を教えて

 どこかで僕たちは間違いを犯していたのかな”

 

 この曲を書いた時、グループのリーダーでソングライターのジェフ・リンはスイスのシャレー(アルプス地方特有の木造家屋)に宿泊していて、2週間ずっと薄暗く霧が立ち込めている悪天候もあって全く曲ができなかったそうです。すると突然晴れ渡ってきて、美しいアルプスも見えたそうで、それがきっかけにして、次の2週間でこの曲やこの曲が収録されるアルバム「アウト・オブ・ザ・ブルー」の曲を計14曲を一気に書き上げたそうです。

 

 以前このブログで紹介しました「シャイン・ラブ」も、彼が気分が良くて調子がいいときに書いたそうですから、やっぱり本当にポップな曲はそういう気分じゃないと書けないのかもしれないですね。

 

 

popups.hatenablog.com

  2週間もの長い期間の重苦しい天気の後ですから、巡り合えた青空のありがたさは格別だったわけで、歌詞も、曲調もストレートですが、そこに、ジェフ・リン得意のビートルズをフラシュバックさせるアレンジが加わっているわけです(「マーサ・マイ・ディア」や「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」などの影響が指摘されています)。

 

 21世紀に入ってからポジティヴなポップスがめったに作られなくなったように思います、それは当然そういう曲が似合う時代じゃなくなったということが大きいでしょう。

でも重苦しく単調なループの曲が主流になると、その反動としてポップな曲がはじけることが時おり起こります。

 その代表がファレルの「ハッピー」であり、日本では星野源の「恋」だと思います。

 僕は21世紀に入ってからの「ミスター・ブルー・スカイ」の再評価も、そういった”反動”だと解釈しています。

   


Electric Light Orchestra - Mr. Blue Sky

 2012年に新しく作られたニューヴァージョン。


Electric Light Orchestra - Mr. Blue Sky (Animated Video)

 

Mr. Blue Sky

Mr. Blue Sky