まいにちポップス(My Niche Pops)

令和初日から毎日、1000日連続で1000曲(せんきょく)を選曲(せんきょく)しました。。。古今東西のポップ・ソングのエピソード、洋楽和訳、マニアックなネタ、勝手な推理、などで紹介しています。キャッチーでメロディアスなポップスは今の時代では”ニッチ”なものになってしまったのかなあとも思いますが、このブログを読んでくださる方の音楽鑑賞生活に少しでもお役に立てればと願っています。みなさんからの追加情報や曲にまつわる思い出などコメントも絶賛募集中です!text by 堀克巳(VOZ Records)

「地獄へ道づれ(Another One Bites the Dust)」クイーン(1980)

 おはようございます。

 今日はクイーンの「地獄へ道づれ」です。


Queen - Another One Bites the Dust (Official Video)

 

Steve walks warily down the street
With the brim pulled way down low
Ain't no sound but the sound of his feet
Machine guns ready to go
Are you ready? Hey, are you ready for this?
Are you hanging on the edge of your seat?
Out of the doorway the bullets rip
To the sound of the beat


Another one bites the dust
Another one bites the dust
And another one gone, and another one gone
Another one bites the dust, yeah
Hey, I'm gonna get you too
Another one bites the dust


How do you think I'm going to get along
Without you, when you're gone
You took me for everything that I had
And kicked me out on my own
Are you happy, are you satisfied?
How long can you stand the heat?
Out of the doorway the bullets rip
To the sound of the beat
Look out


Another one bites the dust
Another one bites the dust
And another one gone, and another one gone
Another one bites the dust
Hey, I'm gonna get you, too
Another one bites the dust

 

Hey Oh, take it
Bite the dust, hey
Another one bites the dust
Another one bites the dust, 
Another one bites the dust, 
Another one bites the dust, 

There are plenty of ways you can hurt a man
And bring him to the ground
You can beat him, you can cheat him, you can treat him bad
And leave him when he's down, yeah
But I'm ready, yes I'm ready for you
I'm standing on my own two feet
Out of the doorway the bullets rip
Repeating the sound of the beat


Another one bites the dust
Another one bites the dust
And another one gone, and another one gone
Another one bites the dust, yeah
Hey, I'm gonna get you, too
Another one bites the dust

 

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ティーブは用心しながら通りを歩く
帽子のつばを低く下げて
聞こえるのはヤツの足音だけ
マシンガンは準備できている
準備はいいか?なあ準備はできてるか?
ハラハラしてるかい?
ドアを出たら 弾丸が炸裂する
バンって銃声とともに


また誰かが地面に倒れる
また誰かが地面に倒れる
誰かが逝っちまう 誰かが逝っちまう
また誰かが地面に倒れる
ヘイ、オレがオマエもしとめるさ
誰かが地面に倒れる

 

オマエなしでオレはどうやっていけばいいんだ
オマエが行ってしまったら
オマエはオレのすべてを奪ったのさ
そしてオレを一人追い出した
オマエは幸せかい、満足かい?
いつまでこの暑さに耐えられる?
ドアを出たら 弾丸が炸裂
バンって銃声とともに
気をつけろ


また誰かが地面に倒れる
また誰かが地面に倒れる
誰かが逝っちまう 誰かが逝っちまう
また誰かが地面に倒れる
ヘイ、オレがオマエもしとめるさ
誰かが地面に倒れる

 

いくらでもあるのさ
人を傷つけたり ねじ伏せる方法なんて
殴ってもいい、騙してもいい、ひどく扱ってもいい
彼が落ち込んでいるときに置き去りにしてもな
だけど、オレは準備できてる オマエに対しての準備が
オレは自分の足で立っているんだ
ドアを出たら 弾丸が炸裂
銃声が繰り返す

 

また誰かが地面に倒れる
また誰かが地面に倒れる
誰かが逝っちまう 誰かが逝っちまう
また誰かが地面に倒れる
ヘイ、オレがオマエもしとめるさ
誰かが地面に倒れる                  (拙訳)

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 ギターのカッティングとベースラインだけで”ディスコ”だとわかる”ミニマリズム・スタイル”を作り上げた”ディスコの匠”、シックのナイル・ロジャースとバーナード・エドワーズ。

 昨日取り上げた「おしゃれフリーク」は彼らの最大のヒットですが、他のアーティストに最も影響を与えた、何度もサンプリングされ、リフやフレーズなどもっとも使われまくった曲が「グッド・タイムス」です。

 


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 この曲がリリースされた同じ年に、ラップの曲で初めて全米チャートTop40に入ったシュガーヒル・ギャングの「Rapper's Delight」という曲がリリースされますが、これはシックの「グッド・タイムス」を無断で使ったものでした(裁判になりシックの二人が共作者にクレジットされることで解決しました(この後、サンプリングされた場合、共作者扱いになるということが規定ラインになりました)。

 

 ヒップホップはディスコに行く経済的な余裕がない若者たちが、もっとリアルなダンス・ミュージックをかけるパーティーをオーガナイズしていく中で発展したという”アンチ・ディスコ”の側面もあるのですが、シックのべースラインとギターのカッティングは、アンチ・ディスコの若者たちにもアピールするほどカッコよかったということでしょう。


The Sugarhill Gang - Rapper's Delight (Official Video)

 

 さて、当時そのシックのレコーディング・スタジオによく遊びに来ていたのが、クイーンのベーシスト、ジョン・ディーコンでした。彼は無類のR&B好きでした。

 

 バンドのリハーサルの時に、ジョンが考えていたベースのリフを弾くと、フレディー・マーキュリーが興味を示して、曲を仕上げていくことになります。フレディは親交のあったマイケル・ジャクソンから”君たちには踊れる曲が必要だよ”とアドバイスされていました。

 

 ただし、R&Bやダンス・ミュージックに興味がなかったブライアン・メイ(ギター)、ロジャー・テイラー(ドラムス)はこういう曲のサウンド作りには苦戦したようで、カッティング・ギターやパーカッションもジョンが演奏しています。

 

 そしてこの曲がアルバム「ザ・ゲーム」の中の1曲として収録されたのですが、この曲を聴いたマイケルが絶対シングル・カットするべきだとアドバイスし、シングル・カットしたところ大ヒット、全米NO.1になりました。ちなみに、クイーンの本国イギリスでは「ボヘミアン・ラプソディ」がシングルとしては一番のヒットですが、アメリカや世界規模ではこの曲がクィーン最大のヒットです。

 

 そして、ビルボードのディスコ・チャートとソウル・チャート両方でも最高2位を記録、黒人層やディスコ・ファンにも認められる結果になりました。

  

   「Bite The Dust」は地面に倒れて死ぬ、ことを指すようで、銃弾が飛び交う場所で

”また誰かが倒れて死んだ”という、なんとも物騒な歌詞です。それが、シックほど洗練されてない”シックもどき”のサウンドフレディ・マーキュリーの歌声と妙にマッチして、今まで誰も聴いたことのないようなインパクトのある曲が出来上がったわけです。

 

 

 さて、最後はジョン・ディーコンが書いたクイーンの曲を2曲。

 まずは名盤「オペラ座の夜」から、彼が奥さんのために書いた「マイ・ベスト・フレンド((You're My Best Friend)」(全米16位 全英7位)

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 そして、こちらはあまり知られていませんが、個人的に偏愛(笑)している曲です。

ジョン・ディーコンはこんな甘酸っぱいメロディーを書く人なんですね。

「Jazz」収録の「In Only Seven Days」

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ザ・ゲーム(SHM-CD)

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グレイテスト・ヒッツ(SHM-CD)

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オペラ座の夜(SHM-CD)

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ジャズ(SHM-CD)

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この曲もシック「グッド・タイムス」の末裔

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