まいにちポップス(My Niche Pops)

令和初日から毎日、1000日連続で1000曲を選曲しました(苦笑)。古今東西のポップ・ソングをエピソード、歌詞の和訳、マニアックなネタ、勝手な推理、などで紹介しています。みなさんの音楽鑑賞生活に少しでもお役に立てればうれしいです。みなさんからの情報や思い出話などコメントも絶賛募集中です!text by 堀克巳(VOZ Records)

「地獄へ道づれ(Another One Bites the Dust)」クイーン(1980)

 おはようございます。

 今日はクイーンの「地獄へ道づれ」です。

 

 ギターのカッティングとベースラインだけで”ディスコ”だとわかる”ミニマリズム・スタイル”を作り上げた”ディスコの匠”シックのナイル・ロジャースとバーナード・エドワーズ。

 昨日を取り上げた「おしゃれフリーク」は彼らの最大のヒットですが、他のアーティストに最も影響を与えたというか、サンプリングからパクリまで、もっとも使われまくった曲が「グッド・タイムス」です。

 


Chic - Good Times (Atlantic Records 1979)

 この曲がリリースされた同じ年に、ラップの曲で初めて全米チャートTop40に入ったシュガーヒル・ギャングの「Rapper's Delight」という曲がリリースされますが、これはシックの「グッド・タイムス」を無断で使ったものでした(裁判になりシックの二人が共作者にクレジットされることで解決しました(この後、サンプリングされた場合、共作者扱いになるということが規定ラインになりました)。

 

 ヒップホップはディスコに行く経済的な余裕がない若者たちが、もっとリアルなダンス・ミュージックをかけるパーティーをオーガナイズしていく中で発展したという側面もあるのですが、シックのべースラインとギターのカッティングは、アンチ・ディスコの若者たちにもアピールするほどカッコよかったということでしょう。


The Sugarhill Gang - Rapper's Delight (Official Video)

 

 さて、当時そのシックのレコーディング・スタジオによく遊びに来ていたのが、クイーンのベーシスト、ジョン・ディーコンでした。彼は無類のR&B好きでした。

 バンドのリハーサルの時に、ジョンが考えていたベースのリフを弾くと、フレディー・マーキュリーが興味を示して、曲を仕上げていくことになります。フレディは親交のあったマイケル・ジャクソンから”君たちには踊れる曲が必要だよ”とアドバイスされていました。

 ただし、R&Bやダンス・ミュージックに興味がなかったブライアン・メイ(ギター)、ロジャー・テイラー(ドラムス)はこういう曲のサウンド作りには苦戦したようで、カッティング・ギターやパーカッションもジョンが演奏しています。

 そしてこの曲がアルバム「ザ・ゲーム」の中の1曲として収録されたのですが、この曲を聴いたマイケルが絶対シングル・カットするべきだとアドバイスし、シングル・カットしたところ大ヒット、全米NO.1になりました。ちなみに、クイーンの本国イギリスでは「ボヘミアン・ラプソディ」がシングルとしては一番のヒットですが、アメリカや世界規模ではこの曲がクィーン最大のヒットです。

 そして、ビルボードのディスコ・チャートとソウル・チャート両方でも最高2位を記録、黒人層やディスコ・ファンにも認められる結果になりました。

  

   「Bite The Dust」は地面に倒れて死ぬ、ことを指すようで、銃弾が飛び交う場所で

”また誰かが倒れて死んだ”という、なんとも物騒な歌詞です。それが、シックほど洗練されてない”シックもどき”のサウンドフレディ・マーキュリーの歌声と妙にマッチして、今まで誰も聴いたことのないようなインパクトのある曲が出来上がったわけです。

 


Queen - Another One Bites the Dust (Official Video)

  

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