まいにちポップス(My Niche Pops)

令和初日から毎日、1000日連続で1000曲(せんきょく)を選曲(せんきょく)しました。。。(現在は不定期で更新中)古今東西のポップ・ソングを、エピソード、和訳、マニアックなネタ、勝手な推理、などを交えて紹介しています。親しみやすいポップスは今の時代では”ニッチ(NIche)”な存在になってしまったのかもしれませんが、このブログがみなさんの音楽鑑賞生活に少しでもお役に立てればうれしいです。追加情報や曲にまつわる思い出などありましたらどんどんコメントしてください!text by 堀克巳(VOZ Record

「ロック・ミー・トゥナイト(Rock Me Tonight)」フレディ・ジャクソン(Freddie Jackson)(1983)

おはようございます。今日はフレディ・ジャクソンの「ロック・ミー・トゥナイト」です

www.youtube.com

Hey, girl, long time no see
Do you have a little time to spend with me?
I wanna know what's been going on
In your life, huh
Talk to me, baby

Your hair, perfume you wear brings back memories
Oh, of you and me
You look so fine
You blow my mind all over again, ooh, ooh

So much has happened in my life since we parted
What about you?
And now I've got myself together
And I know just what I want
And right now I know that it's you, you

Rock me tonight for old times sake
Would you, baby? Hey
Roll with me tonight for old times sake

Ooh girl, I'm gonna love you real good
Come on, let me do it now, you know I could
I really miss the way you squeeze and moan
And call out my name
Woo-woo, you can call me, baby
I remember you like to take your time
To get in the mood, ooh, woo, yes, you do, yeah
But once you're in the mood
You like to go straight to the groove
Oh yes, you do, girl

It's been so long since we've had a night together
I have missed you
When I get through lovin' you, girl
Fire and desire
Will burn in you forevermore, more

Rock me tonight for old times sake
Would you, baby? Hey
Roll with me tonight for old times sake
Woo, woo, would you, would you, would you?
Rock with me tonight for old times sake
Sweet baby, yeah
Roll with me tonight for old times sake
Oh girl, come on and rock

So much has happened in my life since we parted
What about you?
Oh, now I've got myself together
And I know just what I want
And right now, girl, it's you, you

Rock with me tonight for old times sake, sake
Would you, baby? Hey
Roll, roll with me tonight for old times sake
Feels so good, feels so right
Would you rock with me tonight for old times sake?
Sweet baby, yeah
Would you come and roll with me tonight for a old times sake?
Oh girl

Come on and rock me
(Rock me tonight)
Come on and roll with me, baby
(For old times sake)
Come on and rock me
Roll with me
I wanna feel you next to me
(Roll with me tonight)
I want you to do the things
That we used to do together
(For old times sake)
Come on, let's make it right
I wanna feel you rock with a lot of lovin'
(Rock me tonight for old times sake)
The way I used to do, girl
Do you remember?
I wanna rock and roll with you, baby
(Roll with me tonight)
Come on, hey
(For old times sake)
I'm gonna rock and roll and hold and squeeze ya
Sweet thing, yeah

**********************************************

ヘイ、ガール、久しぶりだね
少しだけ僕に時間をくれないか?
君の人生で何があったのか知りたいんだ
僕に話して、ベイビー

君の髪、香水の香りが
あの頃の思い出を連れ戻す
君と僕のことをね
相変わらず素敵で
また君にまた夢中になりそうさ、ああ

僕たちが別れてから、いろんなことがあったよ
君はどうだった?
今の僕は心も落ち着いて
何が欲しいか、ちゃんとわかってる
そう、今の僕がほしいのは君だけなんだ

僕を揺らしてくれないか今夜、あの頃みたいに
ねえ、ベイビー?
僕と一緒に過ごそう あの頃みたいに

ベイビー、君を心から愛したい
さあ、今すぐにでも、わかってるだろ?
君が僕に抱きついて
感じてくれるあの瞬間が恋しいんだ
Woo-woo、君は僕の名前を呼んでいいんだよ

君はじっくり気分を高めるのが好きだったよね
そうだろう?
でも一度その気になったら
一気に入りこむ、そうだったよね

長い間、こうして過ごせなかったね
君が恋しかったよ
今夜、君を愛し尽くしたら
君の中で炎と欲望が永遠に燃えるだろう

僕を揺らしてくれないか今夜 あの頃みたいに
ねえ、ベイビー?
僕と一緒に過ごそう、あの頃みたいに

僕たちが別れてから、いろんなことがあったよ
君はどうだった?
今の僕は心も落ち着いて
何が欲しいか、ちゃんとわかってる
そう、今の僕がほしいのは君だけなんだ

僕を揺らしてくれないか今夜 あの頃みたいに
ねえ、ベイビー?
僕と一緒に過ごそう あの頃みたいに

さあ、僕を揺らして
(今夜は僕を揺らして)
さあ、僕と一緒に横になって
(あの頃のように)
君のぬくもりを感じたいんだ
(今夜は僕と一緒に)
あの頃みたいに愛し合いたいんだ
(あの頃のように)

さあ、ちゃんとやろう
昔みたいに愛を感じながら
(今夜は僕を揺らして、あの頃のように)
覚えてるかい?
君と一緒に、心ゆくまで
(今夜は僕と一緒に過ごそう)

さあ、おいで(昔のように)

僕は君と踊って、抱きしめる、ぎゅっとね
愛するひとよ       (拙訳)

******************************************

 1980年代は「セクシャル・ヒーリング」をきっかけに”ポスト・マーヴィン・ゲイ”と呼ばれる男性シンガーが”雨後の筍(たけのこ)のように出てきたのですが、そのレースに勝利したのがフレディ・ジャクソンでした。
 
 彼のデビュー曲「ROCK ME TONIGHT」は1985年の6月から7月にかけて6週も続けてNO.1を記録しました。1985年の年間R&Bチャートでも堂々の1位で、あのホイットニー・ヒューストンのデビュー曲「そよ風の贈り物」、ダイアナロス「ミッシング・ユー」スティーヴィー・ワンダー「パートタイム・ラヴァー」などを押さえての結果ですから凄いものです。
 ただ、R&Bシーンではこれだけヒットしたのにポップチャートでは最高18位。エムトゥーメ「ジューシー・フルーツ」同様、当時まだR&Bとポップの間に断絶があったことを証明していると思います。

 彼のセカンド・アルバム「ジャスト・ライク・ザ・ファーストタイム」 はR&Bチャートで26週間(約半年間)も1位をキープしたというすごい記録を持っています。1985年から1990年の5年間に限って言えば、彼がキング・オブ・R&Bだったと言っても過言ではないでしょう(もう少し長いタームにするとルーサー・ヴァンドロスでしょうし、その後はR.ケリーの長期独裁政権が続きました)。

 もちろん、まず彼がシンガーとして優れていた のは確かでしょう。好みはあるでしょうが、ソフトでいながら粘着力もある、その押し出し具合が当時の世の中の好みと絶妙にマッチしたのだと思います。
 曲のノリは”打ち込み版「レッツ・ゲット・イット・オン」”と言いたくなるようなまったりしたリズムですが、 歌詞は昔の恋人との再会をテーマにしていて、露骨なセクシー・ソングではない、というのも時代的に良かったのだと思います。

 そして、僕が最も重要視するのがサウンドです。
 打ち込み主体のR&B は当初エレクトロ・ファンクなどの、その音色の特性をダイレクトに打ち出したもの として広まりますが、ここへきてミディアム〜バラードでもいい落しどころを見つけたようで、かえって全部生楽器の曲以上に、当時の都会的なムードにフィットした、と思います。

 そしてこの「ロック・ミー・トゥナイト」を作詞作曲しサウンドも作ったのがポール・ローレンスという人です。彼はフレディーとは学生時代からの知り合いで元々一緒に音楽活動をやっていました。 

 ネットで調べていて、たぶんアメリカの一般の方だと思いますがこういう書き込みがありました。
 「カシーフとポール・ローレンスが80年代のブラック・ミュージックのムードを作った。」 
 まさに、です。特に” ムードを作った”という表現が的確です。80年代R&Bに関して言えば、ムード、こそが最重要ポイントだったのですから。
 フレディ・ジャクソンが何故あれほど大ブレイクし、5年くらいで失速していったのか?それは彼の音楽がその時代のムードに他の誰よりも見事にハマってしまったからに他ありません。そして、当然時代の流れが変わると 彼の音楽はフィットしなくなったわけです。
 そして、そのムードを作った一人がポール・ローレンスなのです。
 当時、カシーフのほうは気鋭のR&Bヒットメイカーとして日本でも記事を目にする機会は多かったのですが、それに比べてポール・ローレンスが大きく紹介されることはほとんどなかったはずです。
 それは、フレディ・ジャクソン自体が日本ではさほどブレイクしなかったというのが大きかったからでしょう。ブラコン好きにはちょっとまったりし過ぎていて、コアなR&Bファンには軟弱に映ってどっちつかずになったのだと僕は思います。でも、その日本人の嗜好にはどっちつかずだった音楽こそが、その当時のR&Bシーンのムードだったのだと今なら理解できます。
 カシーフ、ポール・ローレンスの共通点は、キーボーディストであり、シンセ、ドラムマシーンを早くから積極的に導入し自ら使いこなす高度な技術を持ったクリエイターだった、ということです。違いはカシーフが明快で歯切れのいいアップ・テンポにこそ魅力が出るのに対して、ポールの本領は、ミッド〜バラードにありました。

 

ポールはソロアルバムも2枚出していますが、アップテンポがメインです。自分自身をボーカリストとして見た場合、バラードが合わないと判断したのかもしれません。

Strung Out

www.youtube.com 当初はエレクトロ・ファンクなど音色のエッジを立てたダンスミュージックとして使われることが多かったシンセとドラム・マシーンでしたが、80年代半ばにはラヴ・ソングのアレンジの中でも自然とマッチするようになってきました。そして、それがかえって全部生楽器のサウンドより80年代っぽい都会のムードにぴったりあったのです。

 その打ち込みR&Bバラードの決定版になったのがポール・ローレンス、「ロック・ミー・トゥナイト」でした。そして、「ロック・ミー・トゥナイト」と同じ年にもう1曲ポール・ローレンスは傑作を世に出します。これもまたR&Bチャート1位を記録、この時代のR&Bの”ムード”が色濃く出ていると思います。
 プリンスのカバー曲ですが、いまだに僕はオリジナルよりもこちらのほうが断然好きです。
 ハーレムの教会で音楽を身につけたと語るポール・ローレンスらしいゴスペル感、そして多くのレコーディングを経て磨きがかかった彼のドラム・マシーンとシンセを使ったアレンジが絶妙に溶け合っていると思います。

 メリッサ・モーガンの「Do Me Baby」を最後に

www.youtube.com