まいにちポップス(My Niche Pops)

令和初日から毎日、1000日連続で1000曲(せんきょく)を選曲(せんきょく)しました(苦笑)。古今東西のポップ・ソングをエピソード、歌詞の和訳、マニアックなネタ、勝手な推理、などで紹介しています。みなさんの音楽鑑賞生活に少しでもお役に立てればうれしいです。みなさんからの情報や思い出話などコメントも絶賛募集中です!text by 堀克巳(VOZ Records)

「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー(Rockin' Around The Christmas Tree)」ブレンダ・リー(1958)

 おはようございます。

 今日はブレンダ・リー「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー(Rockin' Around The Christmas Tree)」です。

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Rockin' around the Christmas tree
At the Christmas party hop
Mistletoe hung where you can see
Every couple tries to stop

Rockin' around the Christmas tree
Let the Christmas spirit ring
Later we'll have some pumpkin pie
And we'll do some caroling


You will get a sentimental feeling when you hear
Voices singing, "Let's be jolly
Deck the halls with boughs of holly!"


Rockin' around the Christmas tree
Have a happy holiday
Everyone's dancing merrily
In the new old fashioned way

 

You will get a sentimental feeling when you hear
Voices singing, "Let's be jolly
Deck the halls with boughs of holly!"

 

Rockin' around the Christmas tree
Have a happy holiday
Everyone's dancing merrily
In the new old fashioned way

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ツリーのまわりで踊りましょう
クリスマスのダンス・パーティー
ヤドリギは見えるところに吊るされて
カップルはみんな立ち止まろうとしている

 

ツリーのまわりでロックしましょう
クリスマス気分を盛り上げて
後でパンプキン・パイを食べて
クリスマス・キャロルも歌いましょう


あなたもセンチメンタルな気分になるわ
あの歌声を聴けば
”楽しもう  ひいらぎかざろう


ツリーのまわりで踊りましょう
休日を楽しんで
みんなで陽気に踊ってる
昔からの新鮮なスタイルで


あなたもセンチメンタルな気分になるわ
あの歌声を聴けば
”楽しもう  ひいらぎかざろう

 

ツリーのまわりでロックしましょう
休日を楽しんで
みんなで陽気に踊ってる
昔からの新鮮なスタイルで

           (拙訳)

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 このブログを書いている時点で最新のビルボードのシングルチャート(2021年12月18日)を見てみると、1位がアデルの「Easy on Me」、2位がマライア・キャリーの「恋人たちのクリスマス」そして3位がなんと、この「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー」なんです。しかも、63年も前にリリースされたオリジナル・ヴァージョンが、です。

 さかのぼってみると2014年のクリスマス・シーズンに最高50位まであがってから、毎年じわじわ人気を集めていき、2019年に最高2位、2020年も2位、そして今年が3位と、

ここ数年はアメリカでは「恋人たちのクリスマス」の次に人気のあるクリスマス・ソングの座をしっかりつかんでいるようです。

 

 ブレンダ・リージョージア州出身のシンガー。1956年にまだ12歳でデビューしています。

 彼女は1960年代に47曲がアメリカのヒット・チャートに入り、60年代の女性アーティストで1位、全体でもエルヴィス・プレスリービートルズレイ・チャールズに続き第4位という、すごい実績を持っています。

    また、身長が145cmくらいしかなかったことから”リトル・ミス・ダイナマイト”と呼ばれていたそうです。

 

 彼女は1960年リリースの「ごめんなさい(I'm Sorry)」が全米NO.1に輝き大ブレイクしています。

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 続くシングル「乙女の青春(I Want to be Wanted)」も全米1位に輝いています。

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 1970年代に入るとヒットの勢いは衰え、彼女はカントリー・シンガーとして着実に活動を続けながら、日本人作家が作り日本語で歌ったシングルをいくつか出しています。1965年の来日時には「ブレンダ・リー・ショー」という番組がTVで放送され、日本語の曲もいくつかリリースしていたので、当時日本でも知名度が高く、その人気を当て込んでのリリースだったのかもしれません。

 

 「思い出のバラ」(詞:なかにし礼 曲:川口真)

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「ごめんなさいね」(作詞作曲: 中山大三郎

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 さて、「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー」に話を戻しますと、この曲を歌った時に彼女はまだ14歳。ブレイクする前でしたので、ヒットチャートにも入りませんでした。翌年も再リリースしますがまったくあたらず、大ブレイクした1960年にもう一度発売し直すと、ビルボードチャート14位まであがったそうです。

 

 この曲を書いたジョニー・マークスは「赤鼻のトナカイ」などクリスマス・ソングばかりをたくさん書き残したという異色のソングライターです(もちろん、全部が全部じゃないですが、リストを見るとほとんどクリスマス・ソングなんです)。しかも、本人はクリスマスを祝わないユダヤ人だったそうですから面白いですね。

 きっかけは「赤鼻のトナカイ」の詩に曲をつけてみないかと言われてやってみたことだったそうです。

 「赤鼻のトナカイ」以外では彼はこんな曲も書いています。

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 全く無名だったブレンダに「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー」に歌わせることを決めたのはジョニー・マークス本人だったそうです。

 

 ブレンダはこう回想しています。

「私はまだ12歳で、出したレコードは成功していなかった、だけどどういうわけか、彼は私の歌を聴いて歌わせたいと思ったの。それで私は歌ったの」

 (Tennessean  Dec.9  2019)

 

 そして、レコーディングの時にプロデューサーのオーウェン・ブラッドリーは、まだクリスマス・シーズンじゃなかったので、その気分になってもらうために、スタジオの照明を落としてエアコンを消して、クリスマスツリーとクリスマスイルミネーションを置いたそうです。

 特にまだローティーンだった彼女に、こういう演出はきっとすごく効果的だったんでしょうね。

 そして、”ナシュビル・サウンド”と呼ばれるカントリー・ポップを生み出した凄腕ミュージシャンたち(”ナッシュビルAチーム”と呼ばれていた)が、彼女のバックを固めました。

 「あれは魔法だった、そして、それをみんながわかっていたの。魔法が広がるのに数年かかったけど、一度そうなると、本当にそうなったの」

 (Tennessean  Dec.9  2019)

 

 

 この曲の人気が蘇ったきっかけのひとつで、日本人に馴染みのあるものでは、1990年の映画「ホーム・アローン」がありますね。

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 最後に僕が”ミスター・クリスマス”の称号を与えたいと思っています、ジョニー・マークスが作った他のクリスマス・ソングから1曲。

 

 こちらは最新ビルボード・シングル・チャートで5位。4位はキッド・ラロイ&ジャスティン・ビーバーの「STAY」ですから、クリスマス・ソングとしては、マライア、ブレンダについで3位。現在全米で三番目に人気のあるクリスマス・そんぐということになります。

 それが「A Holly Jolly Christmas」。歌っているのは俳優で知られるバール・アイヴスです。

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