まいにちポップス(My Niche Pops)

令和初日から毎日、1000日連続で1000曲(せんきょく)を選曲(せんきょく)しました(苦笑)。古今東西のポップ・ソングをエピソード、歌詞の和訳、マニアックなネタ、勝手な推理、などで紹介しています。みなさんの音楽鑑賞生活に少しでもお役に立てればうれしいです。みなさんからの情報や思い出話などコメントも絶賛募集中です!text by 堀克巳(VOZ Records)

「Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow!」ディーン・マーティン(1959)

 おはようございます。

 今日はディーン・マーティンの「Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow!」です。

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Oh, the weather outside is frightful
But the fire is so delightful
And since we've no place to go
Let it snow, let it snow, let it snow


Man, it doesn't show signs of stopping
And I've brought  some corn for popping
The lights are turned way down low
Let it snow, let it snow


When we finally kiss goodnight
How I'll hate going out in the storm
But if you really hold me tight
All the way home I'll be warm


And the fire is slowly dying
And, my dear, we're still goodbyeing
But as long as you love me so
Let it snow, let it snow, and snow


When we finally kiss goodnight
How I'll hate going out in the storm
But if you really grab me tight
All the way home I'll be warm

 

Oh, the fire is slowly dying
And, my dear, we're still goodbyeing
But as long as you love me so
Let it snow, let it snow, let it snow

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ああ、外の天気はひどいけど
暖炉の火はすごく心地よい
どこにも行けないんだから
雪よ降れ  雪よ降れ 雪よ降れ


もう、止む気配はないね
ポップコーン用にコーンを持って来てあるよ
灯りは少し落として
雪よ降れ、雪よ降れ 


最後におやすみのキスをしたら
こんな嵐の中の出てゆくなんて
でももし君が僕を強く抱きしめてくれたら
帰り道はずっと暖かいだろう


暖炉の火はゆっくりと消えていく
そして、愛しい人よ、僕たちはまだ別れを惜しんでる
だけど、君が僕を愛してくれるなら
雪よ降るがいい、降るがいい、雪よ


最後におやすみのキスをするとき
嵐の中の外出がどんなに嫌だろう
でも、もしあなたが本当に私を強くつかんだら
帰り道はずっと暖かい


暖炉の火はゆっくりと消えていく
そして、愛しい人よ、僕たちはまだ別れを惜しんでる
だけど、君が僕を愛してくれるなら
雪よ降るがいい、降るがいい、雪よ

            (拙訳)

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 この曲を書いたのが、作詞家のサミー・カーンと作曲家のジュリー・スタイン。二人ともブロードウェイ・ミュージカルや映画音楽を中心に大きな実績を残しています。

 スタインはマリリン・モンローの映画で有名な「紳士は金髪がお好き」やバーブラ・ストライサンド出世作「ファニー・ガール」なども手がけています。

 

 ニューヨーク生まれのカーンとウクライナ移民の両親のもとでロンドンに生まれたスタインは、1942年にコンビを組んだことがきっかけに、売れっ子ソングライターになっていきいました。

  1944年にフランク・シナトラがとりあげた「Saturday Night (Is the Loneliest Night of the Week)」が全米2位の大ヒットになっています。

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 そして波に乗り始めた彼らが1945年に書いたのが、この「Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow!」でした。

 

 「インスピレーション」などソングライターの創作の秘密に迫るインタビューを得意とするポール・ゾロが「Songwriters on Songwriting」という本で、サミー・カーンにインタビューしていて、カーンはこう語っていたそうです。

 

「"Let It Snow "は、一年で一番暑い日にハリウッド&ヴァインで書かれたんだ。ジュール・スタインに『ビーチに行って涼まないか』と言ったら、彼に『ここにいて冬の曲を書かないか』と言われたんだ。僕はタイプライターのところへ行った。”ああ、外の天気はひどいけど 暖炉の火はすごく心地よいどこにも行けないんだから雪よ降れ  雪よ降れ 雪よ降れ”。さて、なぜ「雪よ降れ(let it snow)」が3回なのか?2回でも4回でもいいじゃないか?それは、3回にするのが歌詞というものだからだ」

  (Songfacts)

 

「ハリウッド&ヴァイン」はロサンゼルスのハリウッド地区にあるハリウッド大通りとヴァイン通りの交差点の界隈、1920年代にラジオや映画関連のビジネスが集中していたエリアで、ハリウッド・ウォーク・オブ・フェイムはこの交差点が中心となって続いているそうです。

 

 そして、この曲を最初にレコーディングしたのがヴォーン・モンローでした。

 モンローはシンガー、トランペッターでビッグ・バンドのリーダーで有名なナイトクラブのオーナーもやっていた人です。

   1945年11月後半に発売されると、1946年1月終わりから2月にかけて全米1位を記録しています。

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 僕がこの曲を強く認識したのは、「ダイ・ハード」だったのですが、映画に使われていたのはモンローのオリジナル・ヴァージョンでした。

 

 そして1950年にはフランク・シナトラがこの曲を取り上げています。

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  そして、最も有名なこのディーン・マーティンのヴァージョンですが、録音されたのは1959年8月7日、まさに夏の真っ盛りだったそうです。

 この曲は当初クリスマス・アルバムの中の1曲でシングルカットはされていなかったようです。この曲が初めてシングル・チャートに入ったのは、なんと2018年になってからのことでした。

   ディーン・マーティンは俳優としても有名なショー・ビジネス界の超大物、彼の代名詞だったのはこの曲でした。

 

1964年の全米NO.1『誰かが誰かを愛してる(Everybody Loves Somebody)

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 ちなみに、彼は1966年に「Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow!」を再レコーディングしています。やはり、59年版に比べるとまったりして感じますね。

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 今の時代では、ディーン・マーティンの代名詞になっているのは「誰かが誰かを愛してる」じゃなく「Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow!」なのかもしれません。

 

 そして、マーティンは1995年の12月25日に亡くなっているんですね。

    それで、思い出すのは「ラスト・クリスマス」のジョージ・マイケル。彼も12月25日に亡くなっているんですね(2016)。

 あとひとり「サンタ・ベイビー」(1953年 全米4位)で知られているアーサー・キットも12月25日に亡くなっています。

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 何か”呪い”のたぐいの話にこじつける気は全然ないのですが、クリスマス・ソングが長く愛されているアーティストばかりなので、とても不思議な感じがします。

 

 最後は、ロッド・スチュワートのカバーを。ピアノはデヴィッド・フォスターですね。最後に”Baby、It's Cold Outside"を一節さりげなく入れてます。

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