まいにちポップス(My Niche Pops)

令和初日から毎日、1000日連続で1000曲(せんきょく)を選曲(せんきょく)しました。。。古今東西のポップ・ソングのエピソード、洋楽和訳、マニアックなネタ、勝手な推理、などで紹介しています。キャッチーでメロディアスなポップスは今の時代では”ニッチ”なものになってしまったのかなあとも思いますが、このブログを読んでくださる方の音楽鑑賞生活に少しでもお役に立てればと願っています。みなさんからの追加情報や曲にまつわる思い出などコメントも絶賛募集中です!text by 堀克巳(VOZ Records)

「タイム・フォー・リヴィン(Time For Livin')」アソシエイション(1968)

 おはようございます。

 10月です。気持ちのいい季節になったので、なんとか日々の暮らしも気持ちよくしたいなあ、ということで今日は、アソシエイションの「Time For Livin'」を選びました。

曲調も歌詞の内容も、聴いていてちょっと前向きになれそうな曲です。


Time for Livin'

 

I kicked off my shoes, and felt the good earth under my feet
I loosened my tie, and felt what it feels like to breathe
I found the secret to llife
I took some time for living

 

I took off my watch, and found I had all the time in the world
I opened up my arms, so I could hold life like a beautiful girl
I laid down all of my hang-ups forever
I looked around and saw what sweet things can be found
Simply by taking some

 

time for living
Grooving on little things life is giving
From now on I'm taking time out for life

 

Too busy to stop and notice the things that are real
Embarrassed to talk about all things that I feel
It's so strange, never noticed the world all around me
Hey, look I've changed, my attitude's been rearranged
From now on I'm taking some

 

time for living
Grooving on everything life is giving
I'm gonna be taking time for life

 

Lifetime for living
Grooving on everything life is giving
Lifetime for living
Grooving on everything life is giving
Lifetime for living

*****************************

 ”靴を脱ぎ捨てたら 足下に気持ちよく大地を感じた

  ネクタイを緩めたら 息をするってどんな感じか気づいた

  生きてゆく秘訣を僕は見つけたんだ

     生きているって感じられる時間を作ることさ

 

  時計をはずしたら  時間はいくらでもあることに気づいた

  両手を広げてみた キレイな女の子を抱きしめるみたいに

  人生を抱きしめられるように

     悩みなんて全部捨て去ったよ

  まわりを見渡せば  素敵なものが見つかるってわかった

     ただ生きているって感じられる時間を作るだけで

  人生が与えてくれるささやかなことを楽しみながら

   これからは自分の人生のために時間を使うよ

 

   忙しすぎて 立ち止まって本当のことに気づくことができなかった

   僕が感じたことを全部話すことを恥ずかしいと思っていた

   本当に不思議だけど 僕の周りにある世界にまったく気づいてなかったんだ

   ねえ、僕は変わっただろ 僕の心構えはリアレンジされたんだ

   これからは自分の人生のために時間を使うよ

      人生が与えてくれるささやかなことを楽しんで

    これからは自分の人生のために時間を使うよ

 

       生きているって感じるために人生を生きる

    人生が与えてくれるささやかなことを楽しみながら

  生きているって感じるために人生を生きる

    人生が与えてくれるささやかなことを楽しみながら” (拙訳)

 

*****************************

 

 タイトルは”Time For Livin'”ですから、直訳すると生活の時間、暮らしの時間みたいな感じになりそうですが、歌詞の内容から、仕事や日常の煩雑な物事からちょっと距離を置いて、自分の周りにあるものの良さを見直したりして、自分らしくて、何より自分自身が喜ぶような時間をちゃんと確保しようよ、そんなニュアンスを僕は感じました。

 

 この曲はアソシエイションの1968年に発売されたアルバム「バースデー」に収録されていて、シングルとしても全米39位まであがり、彼らにとっての最後のトップ40作品になっています。

 

 曲を書いたのは、ドン・アドリシとディック・アドリシのアドリシ・ブラザース。

 彼らはアソシエイション最大のヒット曲「ネバー・マイ・ラヴ」を書いた人たちです。


Never My Love (Remastered Version)

 

 アドリシ・ブラザースはマサチューセッツ州ウィンスロップ出身の、ドナルド・"ドン"・アドリシとリチャード・"ディック"・アドリシによる兄弟デュオ。二人の家族は”フライング・アドリシ”というクロバット・グループをやっていて、彼らはそのメンバーとしてキャリアをスタートさせます。

 

 彼らは当時大人気だったコメディアン、レニー・ブルースに連絡を取り、シンガーとしてのキャリアをスタートさせるためにカリフォルニアに移住し、レコードデビューを果たします。同時代には大スター、エヴァリー・ブラザースがいましたので、それに対抗していたのかもしれません。しかし、残念ながらアーティストとしては成功せず、シングルとしては「Cherrystone」という曲が1959年にチャートに入っただけでした(全米62位)。


Addrisi Brothers Cherrystone - 1959

 その後は一旦ソングライターにシフトしますが、「ネバー・マイ・ラヴ」など実績ができると、1970年代にはアーティストとしての活動を再開し、三枚のアルバムをリリースしています。

 しかし、ドン・アドレシが1984年に45歳の若さで亡くなってしまい、活動が途絶えてしまいました。ディックだけでのソロ活動はやらなかったようです。

 

 ポップ・ミュージック史的には「ネバー・マイ・ラヴ」を書いた人たちとして記憶されているわけですが、他にも「Time For Livin'」のような軽快で素敵な曲も作っていたのです。

 

  さて、この「Time For Livin'」が収録されたアソシエイションの4枚目のアルバム「バースデイ」、彼らのアルバムの中ではセールス的にはいい方ではありませんでしたが、時代を経て今では彼らの最高傑作との評価を受けるようになっています。特に、日本では1990年代前半の渋谷系のムーブメントと連動した”ソフト・ロック”の再評価の動きの中で”マスト・バイ”なアルバムとして紹介されていたことを覚えています。

 

 最後にその「バースデー」から、1968年に全米10位のヒットになった「恋にタッチは御用心(Everything That Touches You)」を。


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