おはようございます。
今日もケニー・ランキン。
ポップス・シンガーとしてデビューし、アコースティックなシンガー・ソングライターへと変わっていった彼ですが、その後いろんな曲をケニー・ランキン流にアレンジするスタイルを磨き上げていきます。
特にビートルズ・ナンバーのカバーには定評があり、僕も大好きです。
中でも僕が驚いたのは「夢の人」でした。オリジナルはこんな感じでしたね。
I've Just Seen A Face (Remastered 2009)
I've just seen a face, I can't forget the time or place
Where we just met, she's just the girl for me
And I want all the world to see we've met
Had it been another day I might have looked the other way
And I'd have never been aware
But as it is I'll dream of her tonight
Fallin', yes, I am fallin'
And she keeps callin' me back again
I have never known the like of this, I've been alone
And I have missed things and kept out of sight
But other girls were never quite like this
Fallin', yes, I am fallin'
And she keeps callin' me back again
Fallin', yes, I am fallin'
And she keeps callin' me back again
I've just seen a face, I can't forget the time or place
Where we just met, she's just the girl for me
And I want all the world to see we've met
Fallin', yes, I am fallin'
And she keeps callin' me back again
Fallin', yes, I am fallin'
And she keeps callin' me back again
Oh, fallin', yes, I am fallin'
And she keeps callin' me back again
”ちょうど顔を見たばかり
その時間も出会った場所も忘れられない
彼女はまさに僕のための女の子 世界中に僕らの出会いを知って欲しいんだ
これが別の日だったら
僕は違う方を見ていて 彼女に気づかなかったかも
でも実際出会ってしまったから 今夜彼女のことを夢に見るよ
落ちてゆく そう僕は落ちてゆく そして彼女は僕を呼び続けてくれる
こんな感じは初めてなんだ
ずっとひとりきりで ものごとをやり過ごして 見ないようにしてきた
でも 他の女の子たちは全然こんな感じじゃなかったんだ” (拙訳)
そして、こちらがケニーのカバー。
ケニーはこの曲の歌詞を読んだとき胸を突かれたような感じがして、こういう解釈を思いついたのだそうです。
これはそれぞれの解釈で違うでしょうが、確かに歌詞を読むと、この歌の主人公はけっこうナイーヴな感じがしますから、ビートルズのオリジナルはちょっとノリが明るすぎる気がしないでもないですね。ケニーはまったりし過ぎているようにも思いますが、、。
ケニーのニューヨークのボトムラインのライブ・アルバムでピアノの弾き語りでやっているんですが、それがちょうどいい気もします(すみません、そっちの動画はアップされていないようです)。
ケニーのビートルズ・ナンバーのカバーでは有名なのは「ブラックバード」。ポール・マッカートニーが絶賛していたようで、レノンーマッカートニーが「ソングライターの殿堂」入りを果たした際のイベント(1987)で、ポールがケニーにこの曲をやって欲しいとリクエストしたのだそうです。
「ペニーレイン」もいい感じです。
「夢の人」のようにバラードにするパターンは、この曲でもやっています。
With a Little Help from My Friends
彼はこんな風に語っています。
「僕はただのシンガーだから、自分の心に触れた曲ならなんだって歌えるよ」
「僕はいつもずっとメロディをくずして歌ってきた、実際に書かれたものとは違うメロディが僕には聴こえてくるんだ」
フランク・シナトラやメル・トゥーメのようなポピュラーなジャズ・シンガーに憧れていたという彼ですが、到達したスタイルは彼にしかできないまったく独自のものでした。