まいにちポップス(My Niche Pops)

令和初日から毎日、1000日連続で1000曲(せんきょく)を選曲(せんきょく)しました。。。古今東西のポップ・ソングのエピソード、洋楽和訳、マニアックなネタ、勝手な推理、などで紹介しています。キャッチーでメロディアスなポップスは今の時代では”ニッチ”なものになってしまったのかなあとも思いますが、このブログを読んでくださる方の音楽鑑賞生活に少しでもお役に立てればと願っています。みなさんからの追加情報や曲にまつわる思い出などコメントも絶賛募集中です!text by 堀克巳(VOZ Records)

「さよならキャロライン(Caroline Goodbye)」コリン・ブランストーン(1971)

 おはようございます。

 今日はコリン・ブランストーン


Colin Blunstone - Caroline goodbye [original]

 

 ”新聞で君の写真を見たよ すごくよく映ってた

  大きなチャンスをものにしようとしているみたいだね

  ああ、そんなこといつもわかっていたのに

 

    だけど知っておくべきだった 早く気づくべきだった

 

 強がってもしょうがない ずっと前からわかっていた

 君の愛が終わってしまったことに

 キャロライン、さよなら、キャロライン、さよなら

 

 どんな風にいつから二人はおかしくなったかなんて、そんなことは言ってないよ

 僕らがそれぞれやっていけるまで、時は変わってゆくんだね

 僕は昔のことも振り返られないまま取り残されている

 これは二人の関係を続けるために作った君の歌

 知っておくべきだった 早く気づくべきだった

 

 強がってもしょうがない ずっと前からわかっていた

 君の愛が終わってしまったことに

 キャロライン、さよなら、キャロライン、さよなら  ” (拙訳)

 

 コリン・ブランストーンゾンビーズのボーカリストだった人です。

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 のちにアラン・パーソンズ・プロジェクトのゲスト・ボーカルもやることになります。

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 吐息成分が多くて、なんとも言い難い、切ない声質ですよね。

 これほど稀有な魅力を持ったボーカリストなのに、彼はゾンビーズ解散後しばらく音楽業界から身を引いて保険の外交員をやっていたそうです。 

 しかし、また音楽をやりたくなった彼は、ゾンビーズのクリス・ホワイトとロッド・アージェントのバックアップで「1年間(One Year)」というソロ・アルバムを作り、そこに収録されていたのが「さよならキャロライン」で、シングルでもリリースされています。

 また、1970年代にデヴィッド・ボウイT.Rexをプロデュースしたトニー・ヴィスコンティが弦アレンジをやっていて、この曲に大きく貢献しています。

 

 さて、この「さよならキャロライン」は彼の実体験を歌ったものらしいです。

 その頃彼が付き合っていたのキャロライン・マンローという駆け出しの女優との決別の歌なんですね。

 ”新聞で君の写真を見たよ”という冒頭の歌詞は、本当にそういうことがあったんでしょう。

 キャロライン・マンローはどんな女優さんかというと、彼の歌の雰囲気に引っ張られて儚げな女性を勝手にイメージしてしまいますが、その反対でちょっと濃いめ(?)の人です。のちに「007私を愛したスパイ」(1977)でボンドガールをやっています。

 *水着の方がキャロライン・マンローです。


The Spy Who Loved Me - Naomi - "Such lovely lines."

 

 コリンはふわっとしてそうですから(イメージですけど)、こういうキリッとした女性に惹かれたんでしょうかね。

 それはともかく、21世紀に入って彼がこの曲をライヴで歌っている動画が本当にたくさんアップされています。

 リアル・タイムではヒットしませんでしたが、”隠れた名曲”として長く支持されているのかもしれませんね。

 


Colin Blunstone and Band - Caroline Goodbye

 

 

 

 

 

コリン・ブランストーンが在籍したゾンビーズ

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コリン・ブランストーンが度々客演したアラン・パーソンズ・プロジェクト

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コリンを敬愛するタヒチ80

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この曲の元ネタはゾンビーズ

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