まいにちポップス(My Niche Pops)

令和元年初日から毎日更新中〜1日1ポップス。エピソード、歌詞の和訳、謎解き、マニアックな捜査、勝手な推理、などで紹介していきます。text by 堀克巳(VOZ Records)

「朝からゴキゲン(I'm into Something Good)」ハーマンズ・ハーミッツ(1964)

 おはようございます。

 今日はハーマンズ・ハーミッツ。

 1960年代にビートルズなどとともに、イギリスのロック・バンドの世界的なブーム、いわゆる”ブリティッシュ・インヴェイジョン”を起こしたグループです。この「朝からゴキゲン」は彼らのデビュー曲にして、全英1位に輝いた大ヒット曲でした。


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Woke up this mornin' feelin' fine
There's somethin' special on my mind
Last night I met a new girl in the neighbourhood, whoa yeah
Somethin' tells me I'm into something good (Somethin' tells me I'm into somethin')

She's the kind of girl who's not too shy
And I can tell I'm her kind of guy
She danced close to me like I hoped she would (she danced with me like I hoped she would)
Somethin' tells me I'm into something good (Somethin' tells me I'm into somethin')

We only danced for a minute or two
But then she stuck close to me the whole night through
Can I be fallin' in love
She's everthing I've been dreamin' of
She's everthing I've been dreamin' of

I walked her home and she held my hand
I knew it couldn't be just a one-night stand
So I asked to see her next week and she told me I could
(I asked to see her and she told me I could)
Somethin' tells me I'm into something good (somethin' tells me I'm into somethin')
(Somethin' tells me I'm into somethin', ahhh)

I walked her home and she held my hand
I knew it couldn't be just a one-night stand
So I asked to see her next week and she told me I could
(I asked to see her and she told me I could)
Somethin' tells me I'm into something good (somethin' tells me I'm into somethin')
Somethin' tells me I'm into something good (somethin' tells me I'm into somethin')
To something good, oh yeah, something good (somethin' tells me I'm into somethin')
To something good, something good, something good

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今朝はいい気分で目が覚めた  何か特別なものを感じるよ

昨夜 近所で初めて見る女の子に出会ったんだ 

そんな気がするんだ 僕が何かいいことに夢中になっているって

 

彼女はそんなにシャイなタイプじゃない

で、僕は彼女にぴったりなヤツだってわかるんだ

彼女が踊るとき、僕が望むくらいくっついてくる

そんな気がするんだ 僕が何かいいことに夢中になっているって

 

二人、ほんの1、2分踊っただけさ

だけど彼女は一晩中ぼくにぴったりくっついてきたんだ
恋に落ちていいのかな

彼女は僕が夢見たそのものなんだ

彼女は僕が夢見たそのものなんだ

歩いて彼女を家まで送ったとき、彼女は手を握った

一晩限りの関係なんかじゃあるわけない

それで、彼女に来週も会ってくれるかきいたら

彼女はいいわと答えたんだ

そんな気がするんだ 僕が何かいいことに夢中になっているって

 

歩いて彼女を家まで送ったとき、彼女は手を握った

一晩限りの関係なんかじゃあるわけない

それで、彼女に来週も会ってくれるかきいたら

彼女はいいわと答えたんだ

そんな気がするんだ 僕が何かいいことに夢中になっているって   (拙訳)

 

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 僕はもう五十代半ばなので、自分が最後にいい気分で目覚めることができたのがいつだったかさえ思い出せませんが、、(苦笑。何とかまた気持ちよく目覚めることはできないかなあとあれこれ試したりはしています。今までのところ、いい方法はないですが(再苦笑。

 

 さて、1960年代のポップスのヒット曲の多くは競作になったり、曲の取り合いが起こったり、売れるとすぐさまいろんな人がカバーしたり、という特徴があります。

 ”売れそうな曲”が絶対的な権力(?)を持っていた時代なんですね。

 

 この曲も、ハーマンズ・ハーミッツより先に、アメリカの黒人女性グループ”クッキーズ”のメンバー、アール・ジーン・マクリーが録音し、発売しています。


The Cookies/Earl Jean I'm Into Something Good (ORIGINAL SONG)

 この曲は全米最高38位という中ヒットで終わりましたが、この曲がチャートを上がっているときにハーマンズ・ハーミッツはレコーディングを始めました。

   作詞、作曲はジェリー・ゴフィンとキャロル・キング。この曲の2年前にはリトル・エヴァの「ロコモーション」を大ヒットさせましたが、この曲のコーラスをやっていたのがクッキーズでした。

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 彼女たちは「ロコモーション」と同じディメンション・レコードから作品をリリースしていて、その中でゴフィン/キング作の「チェインズ」はビートルズにカバーされています。


 この曲に目を付けたのが、プロデューサーのミッキー・モスト。昨日このブログで登場したドノヴァンなどを手掛けた、1960年代のイギリスを代表する大ヒット・プロデューサーです。

 

 彼は音楽出版社を通じてこの曲のデモを聴いて、ハーマンズ・ハーミッツに歌わせようと思ったそうです。クッキーズはキャロル・キングのデモ・シンガーでもあり、そのデモはクッキーズのメンバー、アール・ジーンが歌っていたようです。そして発売されたアール・ジーンのヴァージョンはそのデモそのままか、少し手直ししたものじゃないかと推測します。

 

 ともかく、ミッキー・モストの選曲が当たったわけです。”楽曲至上主義”のこの時代は特にそうですが、ヒット・プロデューサーになるためには、選球眼ならぬ”選曲耳”が優れていることが必須なんですね。

 

 ちなみに、ブライアン・ウィルソンの自伝を読んでいたら、彼はこの曲をすごく気に入っているような記述がありました。確かに、コーラスのパートがすごくビーチボーイズっぽいですよね。

 調べてみると、キャロル・キング本人は当時ブライアンに影響されてこの曲を書いた、と語っていたようです。

 

 そして、ブライアンに招かれて、キャロル・キングは彼とこの曲をレコーディングします。ポップス・ファンには夢の共演ですが、このヴァージョンは、彼のアルバム「ラッキー・オールド・サン」を”ベストバイ”(世界最大の家電量販店)で販売されるもののみのボーナス・トラックとして限定的にリリースされたようです。(もったいない、、、)

 それがこの音源です。まるでブライアン作の曲みたいに聴こえつつも、よく聴くとちゃんとキャロル・キングらしいメロディをしていて、聴いていてうれしくなりますね。


Brian Wilson & Carole King - I'm into Something Good

  

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