まいにちポップス(My Niche Pops)

令和元年初日から毎日更新中〜1日1ポップス。エピソード、歌詞の和訳、謎解き、マニアックな捜査、勝手な推理、などで紹介していきます。text by 堀克巳(VOZ Records)

「ゲッチャ・バック(Getcha Back)」ザ・ビーチ・ボーイズ(1985)

 おはようございます。

 今日はビーチ・ボーイズの「ゲッチャ・バック」です。


Beach Boys Getcha Back

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The other night they were playing our song
Hadn't heard it for oh so long
Took me back darling to that time in my car
When you cried all night cause we'd gone too far

Can I ever get you back
Get you back baby
Going to get you back get you back
Get you back get you back baby
Going to get you back get you back
Can I ever get you back

I'm getting tired laying around here at night
Thinking about some other guy holding you tight
He may have money and a brand new car
May even treat you like a movie star
And no matter what he ever do for you
He can never love you like I can do
So if I leave her and you leave him


Bow bow bow oop
(Get you back) I'll leave her
(Get you back) and you leave him
(Get you back) can we baby
(Get you back) get it back again

(Get you back) I'll leave her
(Get you back) and you leave him

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 この前の晩、僕らの曲がかかったんだよ

かなり長い間聴いていなかったヤツさ

運転しながら、ダーリン、あの頃に戻っていったんだ

僕らずいぶん年をとったって、君が一晩中泣いたときさ

 

君を一度でもあの頃に戻せたら

戻ろうよ ベイビー

君をあの頃に戻してあげるよ ベイビー

君を一度でもあの頃に戻せたら

 

夜にここでゴロゴロしているだけなんて飽きてきたよ

他のヤツが君を抱きしめることを考えながら

ヤツはお金もピカピカの新車も持ってるかもしれない

君を映画スターみたいにもてなすかもしれない

だけど、君のためにどんなことをやったとしても

ヤツは僕みたいには君を愛せないさ

だからもし、僕が彼女と別れたら

君もヤツと別れてくれるかい?

(戻るんだ)僕は彼女と別れるよ

(戻るんだ)君はヤツと別れるんだ

(戻るんだ)僕たちは、ベイビー

(戻るんだ)もう一度元に戻れるかな    (拙訳)

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 佐野元春は、「SOMEDAY 」は「ハングリー・ハート」みたいな曲が書きたくて書いたんだよ、とは絶対言わないでしょうし、事実そうではなかったとは思いますが(重要なヒントのひとつにはなったんじゃないかなあ、とは思います。本人はもっとマイナーな古い曲を持ち出して、これにインスパイアされたとか、いろいろ言うんでしょうけど(笑))、実は「ハングリー・ハート」がすごくよかったんでこの曲書いたんだよ、とあっけらかんと素直に認めちゃっているちゃっている人がいます。

 それが、ビーチボーイズマイク・ラヴです。

 そして、その曲がこの「ゲッチャ・バック」なんです。

 ビーチ・ボーイズ久しぶりの復活作として当時けっこうオンエアされて、僕も大好きな曲でした。「ハングリー・ハート」に似てるなとは当時は思いませんでしたが、あらためてメロディーだけを追ってみると確かに、、。しかし、あのコーラスワークによって、ビーチボーイズ・ワールド立ち上がってくるわけです。

 

 何かを創作するということは、必ずなにかトリガー(引き金、きっかけ)が必要なわけです。キャリアが長くなればなるほど、そのトリガーを見つけるのが困難になるだろうというのは推測できます。

 

 そんな中で、後輩アーティストの曲が良かったから、という大らかなスタンスというのは素晴らしいと思います。

 しかも、スプリングスティーンビーチ・ボーイズが全盛だった60年代のポップスをイメージして「ハングリー・ハート」を作ったわけで、それにビーチ・ボーイズのメンバーが逆に影響を受けるという連鎖はとても素敵なことのようにも思えます。そういうアメリカのポップスの文化がうらやましくもあります。

 

 それから、この曲でブライアン・ウィルソンも歌っているということもうれしいところです。ただし、体調も精神状態も良くない時代でしたが。

 

 この曲の入っている「ザ・ビーチ・ボーイズ」というアルバムも、かなりいいアルバムでした。当時、カルチャー・クラブを大ヒットさせたスティーヴ・レヴィンがプロデュースしていて、ボーイ・ジョージの曲も収録されるというサプライズもありましたが、ビーチ・ボーイズっぽさと1980年代っぽさのバランスがすごくよくとれているなと思います。

 

 

 

 さて、マイク・ラヴスプリングスティーンのトリビュート・アルバムで「ハングリー・ハート」のカバーまでやっています。どれだけ好きなんでしょう(笑。


Hungry Heart (Cover Version)

  

 

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