まいにちポップス(My Niche Pops)

令和初日から毎日、1000日連続で1000曲(せんきょく)を選曲(せんきょく)しました。。。古今東西のポップ・ソングのエピソード、洋楽和訳、マニアックなネタ、勝手な推理、などで紹介しています。キャッチーでメロディアスなポップスは今の時代では”ニッチ”なものになってしまったのかなあとも思いますが、このブログを読んでくださる方の音楽鑑賞生活に少しでもお役に立てればと願っています。みなさんからの追加情報や曲にまつわる思い出などコメントも絶賛募集中です!text by 堀克巳(VOZ Records)

「恋の仲直り(Reunited)」ピーチズ&ハーブ (1979)

 おはようございます。

 今日はグロリア・ゲイナーの「恋のサバイバル」の作者フレディ・ペレンとディノ・フェカリスが次の年に出した大ヒット曲「恋の仲直り」です。


Reunited

 

    " 君のそばから離れるなんて僕はバカだったよ

    君なしの僕はなんて寂しい存在なんだ

    君と別れが僕を孤独で悲しくさせた

    愛しているって気づいたんだ どうしようもなく君が必要だから

 

  夜はラジオを聴きながら過ごしたの

  あなたを行かせてしまったことを悔やみながら

  二人の喧嘩はたくさんのことを学ぶすべだったのね

  今は愛しているってわかる あなたに触れてほしいと強く思っているから

 

  もう一度結ばれて とてもうれしくて

  お互いを理解したから また結ばれた

  完璧な相性というのがあるなら、これがそうなんだ

  二人とも胸が高鳴っている また一緒になれたから 

 

  ここに座って見慣れた部屋の壁を見つけているの

  あなたから電話をもらった途端 息を吹き返したみたい

  電話線の中を通って会いに行きたいと願ったわ

  そしてあなたの望むものをあげたい

  ずっとあなたは私のものだから

  

        君を欺いたりできないし 賭け事もしないよ

   離れていることがこんなに辛いとは思わなかった

   これほどかけがえのない瞬間を思い出しながら

   またよりを戻せてうれしい  君のキスが恋しかったから

 

        もう一度結ばれて とてもうれしくて

  お互いを理解したから また結ばれた

  完璧な相性というのがあるなら、これがそうなんだ

  二人とも胸が高鳴っている また一緒になれたから

 

         愛しい人よ これが完全な愛なんだ

    あなたこそが私が夢見た人

         昼も夜もずっと 全身全霊でこの愛を捧げる

 

  もう一度結ばれて とてもうれしくて

  お互いを理解したから また結ばれた

  完璧な相性というのがあるなら、これがそうなんだ

  二人とも胸が高鳴っている また一緒になれたから ”  (拙訳)

 

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I was a fool to ever leave your side
Me minus you is such a lonely ride
The breakup we had has made me lonesome and sad
I realize I love you 'cause I want you bad, hey, hey

I spent the evening with the radio
Regret the moment that I let you go
Our quarrel was such a way of learnin' so much
I know now that I love you 'cause I need your touch, hey, hey

Reunited, and it feels so good
Reunited 'cause we understood
There's one perfect fit
And, sugar, this one is it
We both are so excited 'cause we're reunited, hey, hey

I sat here starin' at the same old wall
Came back to life just when I got your call
I wished I could climb right through the telephone line
And give you what you want so you will still be mine, hey, hey

I can't go cheatin', honey; I can't play
I found it very hard to stay away
As we reminisce on precious moments like this
I'm glad we're back together 'cause I missed your kiss, hey, hey

Reunited, and it feels so good
Reunited 'cause we understood
There's one perfect fit
And, sugar, this one is it
We both are so excited 'cause we're reunited, hey, hey

Lover, lover, this is solid love
And you're exactly what I'm dreamin' of
All through the day
And all through the night
I'll give you all the love I have with all my might, hey, hey

Reunited, and it feels so good
Reunited 'cause we understood
There's one perfect fit
And, sugar, this one is it
We both are so excited 'cause we're reunited, hey, hey

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   昨日ブログに登場した「恋のサバイバル」は1979年のビルボード年間チャート6位で、その上の5位がこの「恋の仲直り」でした。

 2曲とも僕はリアルタイムで聴いていたのですが、作者が同じことに今まで気づきませんでした、、。

 考えてみれば2曲とも、男性が女性を捨てて出て行ったというまったく同じシチュエーション、でも「恋のサバイバル」のほうはふらっと彼女の部屋に舞い戻った男に対して、もうあなたは用無しよ、と三行半を突きつけるのに対し、「恋の仲直り」は男が電話をかけて来たことからよりを戻してゆくというまったく”真逆の”の状況になっています。

 しかも、曲を書いただけではなく作者のディノ・フェカリスとフレディ・ペレンのチームでどちらの曲もレコーディングをし(「恋のサバイバル」はディノのプロデュース、「恋の仲直り」はフレディのプロデュースの名義になっています)、ほぼ同じミュージシャンでレコーディングされているそうなので、「恋のサバイバル」と「恋の仲直り」はある意味”コインの裏表”のような曲と解釈していいのかもしれません。

 

 歌っているピーチズ&ハーブの二人もなかなか興味深いプロフィールの持ち主です。

 ”ピーチズ”が女性で”ハーブ”が男性のデュオなのですが、現在までハーブは同じ人なのですが、ピーチズは7代目になっているそうなんです。”襲名制”(?)なんですね。

 

 ”ハーブ”ことハーブ・フェイムは本名がハーバート・フィームスターといってハーバート(Herbert)の略称としてハーブ(Herb)と呼ばれたのでしょう。

 

    彼がレコード店員をしていた時によく来ていた客がヴァン・マッコイで、ハーブは彼のプロデュースでまずソロ・シンガーとしてデビューすることになります。彼と同じレーベルでグループとして活動していたのが”ピーチズ”ことフランシーヌ・ベイカーで、マッコイは彼らをデュオにし1966年にデビューさせます。

 

 彼らはコンスタントにヒットを出しましたが、この当時の一番のヒットは、山下達郎ア・カペラ・アルバム「オン・ザ・ストリート・コーナー」で取り上げ、吉田美奈子とデュエットしたことで達郎ファンにはおなじみの「Close Your Eyes」(オリジナルは1955年のファイヴ・キーズ)でした(全米8位)。


CLOSE YOUR EYES PEACHES AND HERB

 彼らの人気が上がるとともにツアーなどのスケジュールがハードになり、結婚もしていたベイカーは、レコーディングのみに参加する形になり、ツアーは2代目”ピーチズ”にマーリン・ジェンキンズがつとめることになります。

 

 自分からセミリタイアを申し出たので、代わりの人が”ピーチズ”を名乗ることにベイカーも同意したのでしょう。

 

 この頃、彼らには興味深いタイトルのシングルがあります。1968年に全米46位、R&Bチャートでは11位まであがった「United」です。

 「恋の仲直り」の原題は「Reunited」ですから、「United」の続編だと解釈する意見もあるのです。

 オリジナルはフィラデルフィア・ソウルの名ボーカル・グループ、イントゥルーダーズ。フラデルフィア・ソウルのメイン・プロデューサー、ギャンブル&ハフの作品です。

  イントゥルーダーズが"She”と歌うところを”You"に変え、デュエット仕様にしています。


(We'll Be ) United - Peaches & Herb

 このあと、ハーブは何か思うことがあったのでしょうか、1970年に歌手をやめ、警察学校に入り警官になります。

 しかし、時とともにまたステージに立ちたい気持ちは募っていたそうで、そんなとき彼は強盗事件で犯人と撃ち合いになり、そのときに警官をやめてまた歌手をやろうと決意したそうです。

 そして旧友のヴァン・マッコイに連絡し、紹介してもらった女性シンガーが3代目”ピーチズ”になるリンダ・グリーンだったわけです。

 

 マッコイのプロデュースで一枚アルバムを作りましたが成功せず、その後レコード会社を変えて古くからの知り合いだったフレディ・ペインにプロデュースを依頼したところ大ヒットになったというわけです。

 

 「恋の仲直り」は「恋のサバイバル」の”コインの裏表”であると同時に、「United」の続編、すなわち”新たなパートナーとの再会”、という二重の意味があると思うと、この曲の味わいがまた深くなるような気がします。

 

 最後にこの「恋の仲直り」が収録されたアルバム「2Hot」からはもう1曲全米トップ10ヒット(5位)が生まれています。こちらはダンス・ナンバー。「恋の仲直り」同様ディノ・フェカリスとフレディ・ペレンの作で、フレディのプロデュース。

「Shake Your Groove Thing」を最後に。

 

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