まいにちポップス(My Niche Pops)

令和初日から毎日、1000日連続で1000曲(せんきょく)を選曲(せんきょく)しました。。。(現在は不定期で更新中)古今東西のポップ・ソングを、エピソード、和訳、マニアックなネタ、勝手な推理、などを交えて紹介しています。親しみやすいポップスは今の時代では”ニッチ(NIche)”な存在になってしまったのかもしれませんが、このブログがみなさんの音楽鑑賞生活に少しでもお役に立てればうれしいです。追加情報や曲にまつわる思い出などありましたらどんどんコメントしてください!text by 堀克巳(VOZ Record

「Love Me Again」Ikkubaru(イックバル)(2014)

 おはようございます。

 今日はIkkubaru(イックバル)の「Love Me Again」です。

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I know 
that you really want to do it again,
do it again.
I know
that you really want to love me again,
love me again.

Rainfall in afternoon
bring us back
our memory
A story of us
When our love start that day

Raincoat cover us
while we rode in rainfall
I'm taking you around,
'cause no one else's around that day.

and suddenly our love is growing,
and without notice anything,
how we realize that we're in love?

and suddenly our heart is beating,
and without notice anything,
how we realize
that we're in love?

I know that you really want to do it again,
do it again.
I know that you really want to love me again,
love me again.

I know that you really want to do it again,
do it again.
I know that you really want to love...

and suddenly our love is growing,
and without notice anything,
how we realize that we're in love?

and suddenly our heart is beating,
and without notice anything,
how we realize
that we're in love?

I know  that you really want to do it again,
do it again.
I know  that you really want to love me again,
love me again.

I know that you really want to do it again,
do it again.
I know  that you really want to love...

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わかってるよ
君が本気で僕とやり直したいって
僕とやり直したいって
わかってるさ
君が本当に僕をもう一度愛したいって
もう一度僕を愛したいって

雨降りの午後は
僕たちの記憶を連れ戻す
僕たちの物語
その日二人の愛は始まった

レインコートが
僕たちを包んでくれる
雨に打たれて二人が自転車に乗っている間も
僕は君を連れて行くよ
その日はまわりに誰もいないんだから

突然、二人の愛は深まっていく、
そうとは気づかないまま
恋していることにどうやって気づくのだろう?

そして突然、僕たちの鼓動が高鳴る
そうとは気づかないまま
どうやって気づくのだろう
僕たちが恋をしているって

わかってるよ
君が本気で僕とやり直したいって
僕とやり直したいって
わかってるさ
君が本当に僕をもう一度愛したいって
もう一度僕を愛したいって       (拙訳)

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 Ikkubaruはインドネシアのバンドです。

 彼らは山下達郎角松敏生などに影響を受けたらしく、日本でもシティポップ・ファンからの知名度がとても高く、日本のアーティストとも数多くコラボをしています。この曲も星野みちるが彼らをフィーチャーした形でカバーしています。

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     ここ数年日本や海外でシティポップが再び注目されて、そういう音楽をやるアーティストも増えているようですが、2014年にデビューした彼らは時代をかなり先取りしていたと言えます。

 日本でもシティポップをやるアーティストが増えていて、自然体でみんなセンスがいいです。ただ、古いシティポップ・ファンとしては、少しロマンティックさに欠けている気がどうしてもしてしまいます。メロディにしても歌詞にしても。

 それは、今の日本は若者が”ロマンティックな幻想”を持てるような国じゃないからだろうな、などと思ったりします。いや、ひょっとしたら、僕がいうロマンティックは、あくまでも僕が若かった時代(1980~90年代)の数十年の間に生まれた音楽や映画やドラマなどから育まれたもので、今は今の若者なりのロマンティックがちゃんとあるのかもしれませんが。

    ともかく、十代から二十代にかけてシティポップを聴きながら甘くてちょっと”こっぱずかしい”幻想に浸って暮らしていた僕には、インドネシアのこのバンドの素朴なロマンティックさがすごくしっくりくる気がするんです。

 きっとこれは、インドネシアやタイなどの、景気も若者の人口も右肩上がりという、<楽観的なヴィジョン>を持つことが可能な社会が生み出す若者の感性が、かつてそうだった日本の80年代〜90年代の若者の感性に、クロスする部分があるのではないか、なんて思ったりもします。

 

 さて、Ikkubaruのこの「Love Me Again」は1960年代のアメリカのサンシャインポップや70年代の日本のシティポップを思わせるような、メロディアスなポップソングです。<限りなくピュアで甘酸っぱい雨のポップス>ということでは、有賀啓雄の「雨色の僕と君」と並ぶ名曲だと僕は思っています。

 ちなみにこの曲が収録されたアルバム「Amusement Park」は、達郎、角松フォロワーらしくグルーヴィーな曲が中心で、それもクオリティが高く聴きごたえ十分です。

「Amusement Park」

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「Chasing Your Shadow」

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 Ikkubaruのリーダー、ムハンマド・イクバルがギターで参加!

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