まいにちポップス(My Niche Pops)

令和元年初日から毎日更新中〜1日1ポップス。エピソード、歌詞の和訳、謎解き、マニアックな捜査、勝手な推理、などで紹介していきます。text by 堀克巳(VOZ Records)

「恋するふたり(Cruel to Be Kind)」ニック・ロウ(1979)

 おはようございます。

    突然ですが、今日からポップスをランダムに選んで紹介していこうと思います。 

 というのは、自分が50数年生きてきて振り返ってみたときに、当然アップダウンあるわけですが、けっこう楽しかったなあ、という学生時代のことを考えていたら、その時期僕は毎日、明るくて気分が高揚する曲を聴いてから登校することを”日課”にしていたことを思い出したのです。

 もちろん、そんな気分を台無しにしてくれる出来事もたくさんあったはずですが、後から全体的に眺めてみると、けっこういいリズムで過ごせていたのです。

 それで、何十年かぶりにそういう”日課”をやってみたくなりました。そして、せっかくなら個人で完結させないで、ブログというかたちでやれば、たまたま読んだ人が音源を聴いて気分が良くなる可能性もなくはないと、などと手前勝手に考えたわけです。

 

 オリンピックとか大きな試合の前に、ヘッドフォンで音楽を聴いて気持ちを集中させるアスリートも少なくないですよね。そういう姿を見ていると、音楽の効用って大したもんだなあと思います。

 もちろん、普通に暮らす人間には、アスリートのような大勝負はめったにないですから、集中力を上げる曲より、自分の気分の目盛りを前向きなほうに、少しだけでもまわしてくれる、そういう音楽と接することの効用も、決して侮れないように思います。

 

 さて、第一回目は、登校前に聴いていた曲の中でたぶんいちばんヘビーローテーションだった曲です。

 歌っているのはニック・ロウ。イギリスのシンガー・ソング・ライターでプロデューサーです。ロック・ポップスへの深い造詣を持ちながらも、軽快なスタイルを崩さない粋人です。

 もともとは、彼がソロになる前にメンバーだったブリンズリー・シュウォーツというバンド用に書いたものでした。しかし、この曲が収録されるはずのアルバムは結局発売されませんでしたが、後年になってそのヴァージョンも発表されました。

 

 ちなみにこの曲、後になって調べてみると、冷たくするのは愛しているって意味なのよ、という気まぐれな彼女に翻弄される男の嘆きの歌(でも、やっぱり好きなんだというハッピーなニュアンスですが)で、高校生がよし学校に行くぞ!っていうタイプの歌詞じゃなかったです。。。

 

 この”Cruel To Be Kind”(やさしくするために、冷たくする)というフレーズの原点をさかのぼってゆくと、なんとシェークスピアの「ハムレット」にたどりつくんです。第3幕第4場面で、ハムレットが母親に向かっていうセルフの中に

 "I must be cruel, only to be kind" (私は残酷にならねばならない、優しくなるために

 というフレーズが出てきます。

 また、「コンクリートとクレイ」というヒット曲のあるイギリスのバンド”UNIT4+2”に、「You've Got To Be Cruel To Be Kind」(1965)という曲があります。


You’ve Got to Be Cruel to Be Kind

 ハムレットとUNIT 4+2のどちらが、ニックのインスピレーションになったのは不明ですが、、

 

  


NICK LOWE - CRUEL TO BE KIND - HQ Best Version. New Audio.

 ブリンズリー・シュウォーツ時代のオリジナル・ヴァージョン。


Nick Lowe - "Cruel To Be Kind (Original Version)" (Official Audio)

  

 ”もう傷つくなんてまっぴら 君は僕の友達だっていうけど

   途方に暮れるばかりさ

     君は自分の愛は誠実だっていうけど やってることと一致しないよ

   僕がやさしくしてよって頼むと こういうのさ

 

     冷たくするのはやさしくしたいから

  それが正しい方法なの

     やさしくするために冷たくするのは、いいサイン

  やさしくするために冷たくするのは、愛してるってこと

   ベイビー、やさしくなるには冷酷さが必要なの

     

   なんとか理解しようと頑張っているのに

   君は相変わらず僕を惑わせるのはどうしてなんだい?

   僕が懸命に立ち上がるのは

   君にまた打ち倒されるためみたいさ   何度も何度も

  それで 君に説明を求めたら、こう言うんだ

 

      冷たくするのはやさしくしたいから

  それが正しい方法なの

     やさしくするために冷たくするのは、いいサイン

  やさしくするために冷たくするのは、愛してるってこと

   ベイビー、優しくなるには冷酷さが必要なの  ” (拙訳)

 

       

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Oh I can't take another heartache
Though you say you're my friend, I'm at my wit's end
You say your love is bonafide, but that don't coincide
With the things that you do
And when I ask you to be nice, you say

You've gotta be cruel to be kind, in the right measure
Cruel to be kind, it's a very good sign
Cruel to be kind, means that I love you, baby
(You've gotta be cruel)
You gotta be cruel to be kind

Well I do my best to understand dear
But you still mystify and I want to know why
I pick myself up off the ground
To have you knock me back down, again and again
And when I ask you to explain, you say

You've gotta be cruel to be kind, in the right measure
Cruel to be kind, it's a very good sign
Cruel to be kind, means that I love you, baby
(You've gotta be cruel)
You gotta be cruel to be kind

Well I do my best to understand dear
But you still mystify and I want to know why
I pick myself up off the ground
To have you knock me back down, again and again
And when I ask you to explain, you say

You've gotta be cruel to be kind, in the right measure
Cruel to be kind, it's a very good sign
Cruel to be kind, means that I love you baby
(You've gotta be cruel)
You gotta be cruel to be kind

(Cruel to be kind), oh in the right measure
(Cruel to be kind), it's a very very very good sign
(Cruel to be kind), it means that I love you, baby
(You've gotta be cruel)
You gotta be cruel to be kind

(Cruel to be kind), oh in the right measure
(Cruel to be kind), yes it's a very very very good sign
(Cruel to be kind), it means that I love you, baby
(You've gotta be cruel)
You gotta be cruel to be kind

(Cruel to be kind), oh in the right measure
(Cruel to be kind), yes it's a very very very good sign
(Cruel to be kind), it means that I love you