まいにちポップス(My Niche Pops)

令和元年初日から毎日更新中〜1日1ポップス。エピソード、歌詞の和訳、謎解き、マニアックな捜査、勝手な推理、などで紹介していきます。text by 堀克巳(VOZ Records)

「ジョリー(Jolie)」アル・クーパー(1973)

 おはようございます。

”女性の名前を呼ぶ”シリーズ。今日は日本でだけ特に人気のこの曲を。

 


Al Kooper-Jolie

  ”君が僕の手を取ったのは 

    他の女性との関係が終わったばかりのときだった

       僕を舞い上がらせて 外へ引っ張り出して

       それが僕には良かったんだ わかってくれるかい?

       周りにいる誰も僕を救うことはできなかった

  ジョリー、君は太陽みたいに輝いていた

    そして、死人みたいだった僕のところに来て 蘇らせたんだ

  ジョリー、君のおかげなんだよ

 

  君はまだ若いかもしれないけど

  僕の知っている他のどんな女の子よりたくさんのものを持っている

  どこに行ったって君の顔が浮かぶ  どこに行ったって一緒なんだよ

  こんなスピードで恋に落ちていかないようにしないとね

  そうじゃなけりゃ 僕たちおかしくなってしまう

  ジョリー 僕のことを思ってくれるの?

  君の持っている僕の写真が少し霞んだって

  ジョリー 僕の目に映るのは君だけなんだ”    (拙訳)

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When I was comin’ down from someone else ya know
You took my hand
You pushed me up, you pulled me out
Ya done me good do ya understand?
Noone else around could have saved me
Oh Jolie ya shone just like the sun
And like the dead you came & you raised me
Oh Jolie Look at what you done

You may be young but you got so much more
Than any girl I know
And I see your face most every place
Don't make no difference where I go
So lets not fall so fast that we get crazy
Oh Jolie will ya think of me ?
And when your picture of me gets a little hazy
Ya know Jolie its only you I see

 

Noone else around could have saved me
Oh Jolie ya shone just like the sun
And like the dead you came & you raised me
Oh Jolie Look at what you done
Look at what you done

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   この曲のモデルはクインシー・ジョーンズの娘、ジョリー・ジョーンズだというのはファンには有名な話です。

   そしてもうちょっとネットで調べてみようと思ったら、日本語の記事ばっかり、いかに日本人がこの曲が好きか思い知らされました。

 

 アル・クーパーボブ・ディランの「ライク・ア・ローリング・ストーン」でオルガンを弾いたり、有名なアルバムがマイク・ブルームフィールドとスティーヴン・スティルスとの「スーパー・セッション」がだったりと、シンガー・ソングライターというより”プレイヤー””ミュージシャン”という印象が強い人でしたが、1980年代後半から日本では”「ジョリー」の人”という風にイメージが変わりました。

 

 これはいわゆる”渋谷系”のムーヴメントの中で再評価されたんですね。そして、渋谷系の音楽は、J-waveなどの都市型のFMとも親和性が高かったため、この曲もラジオでよく耳にしました。

 僕はその頃ちょうどアル・クーパーをリリースしているレコード会社の洋楽部にいたのでよく覚えていますが、制作担当者が当時のピチカート・ファイヴのメンバー(小西康陽高浪慶太郎田島貴男)にそれぞれが好きなアル・クーパーの曲を選曲してもらい一枚にコンパイルしたプロモ盤を作ってFM局などメディアに配ったりしました。

 

 「ジョリー」の影響は、オリジナル・ラヴのデビュー曲のイントロにも表れています。 


Deep French Kiss

 (そういえばずいぶん後のことになりますが、久保田利伸の「LOVE RAIN〜恋の雨〜」のイントロも「ジョリー」タッチでした)

 同じく渋谷系のムーヴメントのバンド、コーザ・ノストラはこの曲をカバーしていました。


Cosa Nostra / JOLIE

 

 この曲はシングルにすらなっていなかったと思っていたのですが、調べてみると一応1972年にアメリカでシングルになっているようです。そして、当時海外でこの曲に反応したのはオランダだったようで、やはりシングルになっています。

 

  アーティストでは”マイアミ・ソウル”の代表的アーティスト、ラティモアが同年のデビュー・アルバムでこの曲をいち早くカバー、これもまた日本のクラブ・シーンでよくかかっていたようです。


Latimore - Jolie

 

 「ジョリー」は日本人が好きな音楽の”ツボ”を知るヒントになる曲なのかもしれないですね。

赤心の歌

赤心の歌

 

 

 

 

 

LIGHT MELLOW T.K.[選曲・解説:金澤寿和]

LIGHT MELLOW T.K.[選曲・解説:金澤寿和]

  • アーティスト:V.A.
  • 発売日: 2020/02/12
  • メディア: CD