まいにちポップス(My Niche Pops)

令和初日から毎日、1000日連続で1000曲(せんきょく)を選曲(せんきょく)しました。。。古今東西のポップ・ソングのエピソード、洋楽和訳、マニアックなネタ、勝手な推理、などで紹介しています。キャッチーでメロディアスなポップスは今の時代では”ニッチ”なものになってしまったのかなあとも思いますが、このブログを読んでくださる方の音楽鑑賞生活に少しでもお役に立てればと願っています。みなさんからの追加情報や曲にまつわる思い出などコメントも絶賛募集中です!text by 堀克巳(VOZ Records)

「オール・オブ・ミー(All of Me)」ジョン・レジェンド(2013)

 おはようございます。

 今日はジョン・レジェンドの「オール・オブ・ミー」です。

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What would I do without your smart mouth?
Drawin' me in and you kickin' me out
You've got my head spinnin', no kiddin'
I can't pin you down
What's goin' on in that beautiful mind?
I'm on your magical mystery ride
And I'm so dizzy, don't know what hit me
But I'll be alright


My head's under water, but I'm breathing fine
You're crazy and I'm out of my mind


'Cause all of me
Loves all of you
Love your curves and all your edges
All your perfect imperfections
Give your all to me
I'll give my all to you
You're my end and my beginnin'
Even when I lose, I'm winnin'


'Cause I give you all of me
And you give me all of you, oh-oh


How many times do I have to tell you?
Even when you're crying, you're beautiful too
The world is beating you down, I'm around
Through every mood
You're my downfall, you're my muse
My worst distraction, my rhythm and blues
I can't stop singing, it's ringing
In my head for you


My head's under water, but I'm breathin' fine
You're crazy and I'm out of my mind


'Cause all of me
Loves all of you
Love your curves and all your edges
All your perfect imperfections
Give your all to me
I'll give my all to you
You're my end and my beginnin'
Even when I lose, I'm winnin'


'Cause I give you all of me
And you give me all of you, oh-oh


Give me all of you, oh
Cards on the table, we're both showing hearts
Risking it all, though it's hard


'Cause all of me
Loves all of you
Love your curves and all your edges
All your perfect imperfections
Give your all to me
I'll give my all to you
You're my end and my beginnin'
Even when I lose, I'm winnin'


'Cause I give you all of me
And you give me all of you


I give you all of me
And you give me all of you, oh-oh

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君のその生意気な口をきけなかったら、僕はどうするだろう?
僕を巻き込み、僕を放り出す
君は僕の頭をクラクラさせるんだ、本当さ
僕に君を押さえつけることはできない
その美しい心に何が起こっているの?
君のマジカルミステリーライドに乗っていると
めまいがして 何が何だかわからない
だけど、僕は大丈夫さ


頭まで水に潜っているけど、ちゃんと息はできる
君はクレイジーで 僕は正気を失くしている

それは、僕のすべてで
君のすべてを愛しているから
君の曲線と隅々まで愛している
君の完全な不完全さもすべて
君のすべてを僕にください
僕は君にすべてを捧げよう
君は僕の終わりであり、僕の始まりなんだ
僕が負けたときでも、僕は勝っている


僕のすべてをあなたにあげるから
君もすべて僕に与えて


何回僕に言わせるんだい
泣いている時でさえ 君は美しいんだ
世界が君を打ちのめしていても、僕がそばにいる
どんな気分のときでも
君は僕を破滅させ、僕の女神でもあるんだ
僕を最悪の気分にさせ、僕のリズム&ブルースでもあるんだ
僕の歌は止められない
頭の中で鳴り続けているんだ、君のために 


頭まで水に潜っているけど、ちゃんと息はできる
君はクレイジーで 僕は正気を失くしている


それは、僕のすべてで
君のすべてを愛しているから
君の曲線と隅々まで愛している
君の完全な不完全さもすべて
君のすべてを僕にください
僕は君にすべてを捧げよう
君は僕の終わりであり、僕の始まりなんだ
僕が負けたときでも、僕は勝っている


僕のすべてを君にあげるから
君のすべてを僕に与えて


君のすべてを僕に与えて
テーブルに広げたカード、二人ともハートを出している
すべてを賭けるんだ、たとえむずかしくても


それは、僕のすべてで
君のすべてを愛しているから
君の曲線と隅々まで愛している
君の完全な不完全さもすべて
君のすべてを僕にください
僕は君にすべてを捧げよう
君は僕の終わりであり、僕の始まりなんだ
僕が負けたときでも、僕は勝っている


僕のすべてを君にあげるから
君のすべてを僕に与えて

僕のすべてを君にあげる
だから君のすべてを僕に与えて

          (拙訳)

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 パフォーマンス詩人で、作家、ソングライターでもあるJ・アイヴィという人物が

ジョン・ステファンズのパフォーマンスを見てこう言ったそうです。

「君の音楽を聴いて、オールド・スクールの音楽を思い出したよ。君は伝説のアーティスト(Legends)の一人のように聴こえる。実際にこれから僕はこう呼ぶことにする。君をジョン・レジェンドと」 Wikipedia

 

  彼は大学時代にアカペラ・グループをやり、ローリン・ヒルのレコーディングでピアノを弾いたこともありましたが、卒業後は経営コンサルタントの会社に勤めながらデモテープを制作していました。

 そして、彼は当時プロデューサーとして注目され始めていた、カニエ・ウエストに紹介されたことをきかっけに彼の仕事を手伝うことになります。

 

 カニエがプロデュースしたアリシア・キーズ「You Don't Know My Name」(2003)にコーラスで参加

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 そしてカニエのデビュー・アルバムで、ヒップホップ史に残る名盤の一つと言われている『ザ・カレッジ・ドロップアウト(The College Dropout)』でも全面的に協力していました。

 彼がピアノとヴォーカルを担当した「Graduation Day」

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 そして同じ2004年にアルバム「Get Lifted」でデビューを果たします。

 

 シングル「Ordinary People」全米24位 全英4位

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”We're just ordinary people
We don't know which way to go
Cuz we're ordinary people
Maybe we should take it slow 
This time we'll take it slow
This time we'll take it slow”

(僕らはごく普通の人間さ どっちに行くかもわからないのさ だって、僕らはごく普通の人間さ たぶんゆっくりやったほうがいいんだ 今度はのんびりやってみようよ)

                             (拙訳)

 

 その後、彼はリリースを重ねて不動の地位を確立していきますが、シングルチャートで10位に入るようなヒットはなく、いわゆるアルバム・アーティストでした。

   そんな彼にとって初めてのシングル・ヒットで全米1位になったのがこの「オール・オブ・ミー」です。

  これは当時彼の妻であるクリッシー・テイデンに捧げられた曲で、彼女はMVにも出演し、最後のシーンは二人の実際の結婚式の映像だそうです。

  曲を書くようにE-メールで提案したのは、彼のマネージャーの一人でした。

 

「彼女は僕の古い友人の一人で、彼女はビリー・ジョエルの「She’s Always a Woman」と似たメッセージの曲を書くべきだと言ってきたんだ。彼女は僕の当時の未来の花嫁との関係も知っていたから、彼女はクリッシーのためにそういう曲を書くべきだと考えたんだ」

           (INDEPENDENT  06 June 2014)

 

 ビリー・ジョエル「She's Always a Woman」。個人的に彼の曲の中でもベスト3に入るほど好きな曲です、、

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 「オール・オブ・ミー」はウェディング・ソングの新しい定番になったのかもしれません。ただ相手を美化するだけの”きれいごと”じゃなく、無償の愛でもなく、いいところも悪いところもすべて受け入れるから、君もすべて受け入れてくれ、という率直さと対等な関係というのが、聴く側にリアルに伝わったんじゃないでしょうか。

 

 また、サウンド的には彼のコーラスをちょっとロボット・ボイスのようなエフェクトをかけているようで、シンプルなピアノバラードですから、過剰にエモーショナルにならないような工夫がされているんですね。

 

 

 さて、最後に彼の最新作を。クリスマスに向けたホリデー・ソングです。

「You Deserve It All」。”君に特別なプレゼントをするよ、君はそれにふさわしい人だから〜”そんな歌です

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