まいにちポップス(My Niche Pops)

令和初日から毎日、1000日連続で1000曲(せんきょく)を選曲(せんきょく)しました(苦笑)。古今東西のポップ・ソングをエピソード、歌詞の和訳、マニアックなネタ、勝手な推理、などで紹介しています。みなさんの音楽鑑賞生活に少しでもお役に立てればうれしいです。みなさんからの情報や思い出話などコメントも絶賛募集中です!text by 堀克巳(VOZ Records)

「お気に召すまま(Any Way You Want It)」ジャーニー(1980)

 おはようございます。

 今日はジャーニーの「お気に召すまま」を。

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Any way you want it
That's the way you need it
Any way you want it


She loves to laugh
She loves to sing
She does everything
She loves to move
She loves to groove
She loves the loving things


Ooh, all night   All night
Oh, every night  So hold tight
Hold tight  Ooh, baby, hold tight
Oh, she said


Any way you want it
That's the way you need it
Any way you want it
She said, Any way you want it
That's the way you need it
Any way you want it


I was alone
I never knew
What good love could do
Ooh, then we touched
Then we sang
About the loving things


Ooh, all night   All night
Oh, every night    So hold tight
Hold tight     Ooh baby, hold tight
Oh, she said

Any way you want it
That's the way you need it
Any way you want it
I said, any way you want it
That's the way you need it
Any way you want it


She said ohh
Hold on  Hold on  Hold on


Oh, she said any way you want it
That's the way you need it
Any way you want it
(Any way) Any way you want it
That's the way you need it
Any way you want it


Oh, she said any way you want it
That's the way you need it
Any way you want it
Any way you want it
That's the way you need it
Any way you want it


Any way you want it
That's the way you need it
Any way you want it
Any way you want it
That's the way you need it
Any way you want it、、、


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どっちにしろ欲しいんでしょ
それは、あなたに必要ってことなの
あなたの好きなように


彼女は笑うのが大好き
彼女は歌うのが大好き
なんだってやる
彼女は動いてるのが大好き
彼女はノっているのが大好き
愛しいものを愛しているんだ


ああ一晩中   一晩中
ああ、毎晩  そう、しっかり抱きしめて
強く抱きしめて  ああ、ベイビー、しっかり抱きしめて
ああ、彼女は言った


どっちにしろ欲しいんでしょ
それは、あなたに必要ってことなの
あなたの好きなように
彼女は言った どっちにしろ欲しいんでしょ
それは、あなたに必要ってことなの
あなたの好きなように


ひとりぼっちだった
全然わかっちゃいなかった
すばらしい愛がどんなものか
ああ、僕たちはふれあい
そして歌った
愛するものについて

ああ一晩中   一晩中
ああ、毎晩  そう、しっかり抱きしめて
強く抱きしめて  ああ、ベイビー、しっかり抱きしめて
ああ、彼女は言った


どっちにしろ欲しいんでしょ
それは、あなたに必要ってことなの
あなたの好きなように
僕は言った どっちにしろ欲しいんだ
それは、君に必要ってことなのさ
君の好きなように


彼女は言った、ああ
しっかり、そのまま、そのまま

どっちにしろ欲しいんでしょ
それは、あなたに必要ってことなの
あなたの好きなように
どっちにしろ欲しいんでしょ
それは、あなたに必要ってことなの
あなたの好きなように


どっちにしろ欲しいんでしょ
それは、あなたに必要ってことなの
あなたの好きなように
どっちにしろ欲しいんでしょ
それは、あなたに必要ってことなの
あなたの好きなように、、、

       (拙訳)

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 アリーナ・ロック、産業ロックの代名詞的存在ジャーニーも、カンサス、スティックスなどと同様に、バンド初期の音楽スタイルを大きく変えることで大ブレイクを果たしました。

 結成は1973年、サンフランシスコ。1971~2年にサンタナに在籍し二枚のアルバムでプレイしたギタリスト、ニール・ショーンを中心にメンバーが集められ、そこに、やはりサンタナのメンバーで、「ブラック・マジック・ウーマン」「僕のリズムを聞いとくれ」などのヒット曲でヴォーカルもとったキーボーディストのグレッグ・ローリーが加わりました。

 

 デビューは1975年のアルバム「宇宙への旅立ち(Journey)」 。インスト2曲を含むプログレッシヴ・ロックの影響の強い作品でした。

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 彼らは1976年「未来への招待状」77年「NEXT」と、演奏主体のハードロック・スタイルの作品を発表しますが、商業的には成功しませんでした。

 

 そして、翌78年に彼らはブレイクするわけですが、その要因ははっきりしていました。リード・ヴォーカルのスティーヴ・ペリーの加入です。 

 その頃、てこ入れのため、ジャーニーは新たなヴォーカルを迎えていたのですがしっくりしていませんでした。そんなときにマネージャーが聴かされたのが、スティーヴが在籍していたエイリアン・プロジェクトというバンドの"If You Need Me, Call Me"という曲のデモでした。

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 エイリアン・プロジェクトはベーシストが交通事故で亡くなってしまったことで活動が頓挫し、スティーヴは音楽を諦めてその頃、実家に帰っていたそうです。

 マネージャーはすぐさまスティーヴを呼び出しますが、前任のヴォーカリストがまだいたので、ツアーにはローディーのいとことして帯同させ、そのヴァーカリストがいない間に他のメンバーに紹介し音合わせをしたと言われています。


 個性的な声のリードヴォーカルの加入で全く違うバンドのようになったせいか、ファンからの評判は最初は散々だったそうです。

 しかし、彼が加入した最初のシングル「ホイール・イン・ザ・スカイ」は、初のヒット(全米57位)になり、スティーヴとペリーが共作した「ライツ」もヒット(全米68位)すると、彼の加入は正解であったことを誰もが認めることになりました。


 翌79年に彼らにとって初めての全米トップ20入りしたシングルが生まれますが、それはスティーヴが書いた曲でした。


「ラヴィン、タッチン、スクウィージン - "Lovin', Touchin', Squeezin'"」(全米16位)

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 これはアルバム「エヴォリューション」からのセカンド・シングルでした。ファースト・シングルは「ジャスト・セイム・ウェイ」で、ニール・ショーングレッグ・ローリー、ロス・ヴァロリーが曲を書き、メインヴォーカルをグレッグとスティーヴが分け合うというオリジナル・メンバー主体のものでした。しかし、それよりもスティーヴが完全に主役の曲の方が売れるという事実が、この曲のヒットで明確になってしまうわけです。


 そして、スティーヴが加入して三枚目のアルバム「ディパーチャー」からのファースト・シングルで全米23位になったのがこの「お気に召すまま」でした。

 僕はスティーヴ加入後からジャーニーを知ったので、朗々としたヴォーカルのバンドという印象があったのですが、この曲はドライヴ感があって意外に思ったものです。

 その後の彼らのレパートリーをみても、こういう曲はあまりないんですよね。他のテンポの速い曲は王道のハードロック系という感じで、この曲には独特のドライヴ感があるように思えます。


 そんなことを思いながらウィキペディアをチェックすると興味深い記述がありました。

「ペリーによると、この曲はアイルランドのロックバンド、シン・リジィ、特にベーシストのフィル・ライノットから強い影響を受けたという。1979年7月に、ジャーニーはシン・リジィと一緒に全米ツアーを行っていたが、ライノット、ペリー、ショーンの3人がマイアミでぶらぶらしているときに、韻律の練習を一緒にやることにした。フィルと彼の歌詞、ギタリストとそのアレンジの間に行われた”ギター-ボーカル-ギター-ボーカル”のやりとりのベーシックな仕組みが、「お気に召すまま」のギブ・アンド・テイクのようなものにインスピレーションを与えた。ギター・ボイス、ギター・ボイス、さらにギター・ギター・ギター・ボイスという風に行ったり来たり。それはニールと僕が、彼と一緒にいることで本能的に身につけたものだと思う」


 シン・リジー!なるほど。ハード・ロックの範疇におさまりきらない、ラフなドライヴ感を持ったバンドでした。ちなみに、ジャーニーとシン・リジーが一緒にツアーした1979年に彼らがイギリスでヒットさせた曲が「Do Anything You Want To(ヤツらはデンジャラス)」。原題、なんか似てますね、、。

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 その後、グレッグ・ローリーが抜け、代わりにキーボードで入ったのがベイビーズにいたジョナサン・ケイン。彼がまた大変なメロディーメイカーで、スティーヴのヴォーカルとの相性もバッチリで、ジャーニーは最盛期を迎えます。


 ジョナサンが参加したアルバム「エスケイプ」からはAORファンも惹きつけた「フーズ・クライング・ナウ」や、彼らの当時最大のヒット「オープン・アームズ」など、どれも彼が曲作りで重要な役割を果たしています。

 そして、21世紀に入って映画「モンスター」で使われたことで注目を浴び、映画、TVで次々に使われ、アメリカの人気音楽ドラマ「Glee」のアンセムになったことで世界中でブレイクし、今やジャーニーの曲で世界で最も人気のあるものになったこの「ドント・ストップ・ビリーヴィン」も、もともとは彼のアイディアから作られたそうです。

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 続く1983年のアルバムフロンティアーズ」も「セパレイト・ウェイズ」などが大ヒットし目がセールスを記録しますが、1986年のアルバム「Raised On Radio〜時を駆けて」ではスティーヴ・ペリーニール・ショーン、そしてジョナサン・ケインの3人だけになり、その後スティーヴが心労を理由に脱退してしまいます。

 1996年には10年ぶりに彼らは再始動しますが、やはりその直後に健康上の理由でスティーヴが脱退してしまいます。

 

 2007年には、ニールが「時への誓い(Faithfully)」を見事に歌いあげるフィリピンの男性シンガー、アーネル・ピネダYouTubeで見つけ、バンドの正式なヴォーカルに迎え入れたことがニュースになりました。


  2020年のジャーニーのラインナップは、ニール・ショーンジョナサン・ケインアーネル・ピネダ。そこにリズム隊として、なんとナラダ・マイケル・ウォルデン(ドラム)とランディ・ジャクソン(ベース)が加わっているそうです。1980年代前半のR&Bサウンドを作ったコンビで、最初驚きましたが、考えてみればナラダは元はジェフ・ベックの「ワイアード」で名をあげたスーパー・ドラマー、ランディはRaised On Radio〜時を駆けて」ですでにベースを弾いていました。

  2021年6月に新曲「The Way We Used To Be」をリリースしています。

  スティーヴ・ペリーの方も、2018年に久しぶりにソロ作「Traces」をリリースしています。


 最後は1996年の復活作で、今のところ彼ら最後のヒット曲「When You Loved A Woman」(全米12位)を。この曲の入ったアルバム「トライアル・バイ・ファイアー」のレコード会社の担当者、実は僕だったんです、、、。

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