まいにちポップス(My Niche Pops)

令和初日から毎日、1000日連続で1000曲(せんきょく)を選曲(せんきょく)しました。。。古今東西のポップ・ソングのエピソード、洋楽和訳、マニアックなネタ、勝手な推理、などで紹介しています。キャッチーでメロディアスなポップスは今の時代では”ニッチ”なものになってしまったのかなあとも思いますが、このブログを読んでくださる方の音楽鑑賞生活に少しでもお役に立てればと願っています。みなさんからの追加情報や曲にまつわる思い出などコメントも絶賛募集中です!text by 堀克巳(VOZ Records)

「イン・ザ・サマータイム(In The Summertime)」マンゴ・ジェリー(1970)

 おはようございます。

 今日はマンゴ・ジェリーの「イン・ザ・サマータイム」です。

www.youtube.com

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In the summertime when the weather is high
You can stretch right up and touch the sky
When the weather's fine
You got women, you got women on your mind
Have a drink, have a drive
Go out and see what you can find

If her daddy's rich, take her out for a meal
If her daddy's poor, just do what you feel
Speed along the lane
Do a ton or a ton an' twenty-five
When the sun goes down
You can make it, make it good in a lay-by

We're not bad people
We're not dirty, we're not mean
We love everybody, but we do as we please
When the weather's fine
We go fishin' or go swimmin' in the sea
We're always happy
Life's for livin', yeah, that's our philosophy

Sing along with us
Dee dee dee-dee dee
Dah dah dah-dah dah
Yeah, we're hap— happy
Dah dah-dah
Dee-dah-do dee-dah-do dah-do-dah (yeah)
Dah-do-dah-dah-dah (alright, alright)
Dah-dah-dah do-dah-dah
Alright

Chh chh-chh, uh, chh chh-chh, uh

When the winter's here, yeah, it's party time
Bring your bottle, wear your bright clothes
It'll soon be summertime
And we'll sing again
We'll go drivin' or maybe we'll settle down
If she's rich, if she's nice
Bring your friends and we'll all go into town

Chh chh-chh, uh, chh chh-chh, uh

In the summertime when the weather is high
You can stretch right up and touch the sky
When the weather's fine
You got women, you got women on your mind
Have a drink, have a drive
Go out and see what you can find

If her daddy's rich, take her out for a meal
If her daddy's poor, just do what you feel
Speed along the lane
Do a ton or a ton an' twenty-five
When the sun goes down
You can make it, make it good in a lay-by

We're not bad people
We're not dirty, we're not mean
We love everybody, but we do as we please
When the weather's fine
We go fishin' or go swimmin' in the sea
We're always happy
Life's for livin', yeah, that's our philosophy

Sing along with us
Dee dee dee-dee dee
Dah dah dah-dah dah
Yeah, we're hap— happy
Dah dah-dah
Dee-dah-do dee-dah-do dah-do-dah (yeah)
Dah-do-dah-dah-dah (Alright, alright)
Dah-dah-dah do-dah-dah
Yeah, alright

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天気のいいサマータイム
まっすぐ手を伸ばしたら空にも触れるよ
よく晴れたときには
女をゲットするのさ、頭の中で
一杯飲んで、ドライブして
外に出て何を見つけられるか見てみよう

 

彼女の父親が金持ちなら、彼女を食事に連れ出せよ
彼女の父親が貧乏なら、感じたまま行動しよう
車線に沿ってスピードを出す
時速100マイルか125マイルで
太陽が沈む頃には
うまくやれるさ、待避所で

 

俺たちは悪い人間じゃない
ダーティでもないし、意地悪でもない
みんなを愛しているさ、でも楽しんでやるのさ
天気が良ければ
釣りに行ったり 海に泳ぎに行ったり
私たちはいつだってハッピーさ
人生は生きるためにある、それが俺たちの哲学さ

 

俺たちと一緒に歌おう
Dee dee dee-dee dee  Dah dah dah-dah dah
イェー 俺たちゃハッピー
Dah dah-dah、、、問題ないさ

 

冬が来たら、イェー、パーティータイム
酒を持ちこみ、明るい服を着て
もうすぐサマータイム
俺たちはまた歌うのさ
ドライブに行こうか、それとも落ち着こうか
彼女が金持ちなら、彼女が素敵なら
友達を誘って みんなで街へ繰り出そう

 

天気のいいサマータイム
まっすぐ手を伸ばしたら空にも触れるよ
よく晴れたときには
女をゲットするのさ、頭の中で
一杯飲んで、ドライブして
外に出て何を見つけられるか見てみよう

 

彼女の父親が金持ちなら、彼女を食事に連れ出せよ
彼女の父親が貧乏なら、感じたまま行動しよう
車線に沿ってスピードを出す
時速100マイルか125マイルで
太陽が沈む頃には
うまくやれるさ、待避所で

 

俺たちは悪い人間じゃない
ダーティでもないし、意地悪でもない
みんなを愛しているさ、でも楽しんでやるのさ
天気が良ければ
釣りに行ったり 海に泳ぎに行ったり
私たちはいつだってハッピーさ
人生は生きるためにある、それが俺たちの哲学さ

 

俺たちと一緒に歌おう
Dee dee dee-dee dee  Dah dah dah-dah dah
イェー 俺たちゃハッピー
Dah dah-dah、、、イェー、問題ないさ

 (拙訳)

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 このビデオでバンド・メンバー全員が足を踏み鳴らしています。なぜかといえばドラマーがいないからなんですね。

  

 さて、この「イン・ザ・サマータイム」は1970年に全英1位、全米3位、カナダ、オーストラリア、そしてヨーロッパ各国など実に26の国で1位になった大ヒット曲で、日本でも少し前に清涼飲料水のCMで使われていたので聴き馴染みがあると思います。

 ぼくが驚いたのは、最初にあげたこの曲のMVがYouTubeで1億2千万回も再生されていたことで、Spotifyを見てみたらやはり1億回を超えていました。今もこんなに人気があるとは、、日本とかなり温度差がある曲なんでしょうね。

 

 マンゴジェリーは、1970年にシンガーでギタリストのレイ・ドーセットを中心に結成されました。彼はスキッフルやブルースに夢中でした。

 スキッフルはアメリカのブルースやカントリーなどルーツ・ミュージックを起源とした音楽でウォッシュボード(洗濯板)、ジャグ(水差し)、洗濯桶や茶箱で作ったベースなど手作りの楽器をギターなどと一緒に演奏していて、1950年代のイギリスで大ブームとなり、ビートルズなど1960年代に活躍したロック・バンドの多くに影響を与えています。

 11歳でスキッフルを始めたレイが最初に手にした楽器は洗濯板だったそうです。

 「グッド・アース」というグループにいたドーセットとキーボードのコリン・アールに、ベースのマイク・コール、ギター/カズー/ジャグのポール・キング、ウォッシュボード/ジョー・ラッシュというのが創立メンバーでした。

 ”マンゴ・ジェリー”という名前は、T.S.エリオットの詩『キャッツ - ポッサムおじさんの猫とつき合う法(Old Possum's Book of Practical Cats)』に登場する猫のコンビ”マンゴジェリーとランプルティーザー”からとったものなのだそうです。

(エリオットの原作はMungojerrieなので、わざと綴りを変えたようです)

 この『キャッツ - ポッサムおじさんの猫とつき合う法』はミュージカル「キャッツ」の原作として有名です。

 

 そして、マンゴ・ジェリーのデビュー曲がこの「イン・ザ・サマータイム」でした。

「僕は趣味で曲を書いていたんだけど、わずか10分で世界的なナンバーワンヒットになった曲を作ってしたんだ。”イン・ザ・サマータイム”さ」

               (Express  Apr 26, 2014)

 

 レコーディングはメンバー4人で行いましたが、フット・ストンピング(足をふみ鳴らす)のはブルース・アーティスト、ジョン・リー・フッカーを真似たものなのだそうです。

 「イン・ザ・サマータイム」は1970年5月に発売されるとわずか2週間で全英1位になり、その年の夏、世界中のヒットチャートを席巻しました。

 彼らの人生は劇的に変わってしまったわけです。

 「正直に言うと、僕は専業のソングライターやミュージシャンになるつもりはなかったんだ。僕がやったことは全部、ノリや雰囲気、楽しさのためでした。実は当時、僕はタイメックス社の研究所で働いていて、音楽は趣味だった。それで、すべてが変わったんだ。僕は本業をやめた。そして、2、3日に1度は飛行機に乗ってどこかに出かけていた」

                  (Gary James' Interview)

 メンバー全員が予想もしなかった大成功だったため、すぐに足並みがそろわなくなり、メンバー・チェンジを繰り返しながらバンドは、レイ・ドーセット&マンゴ・ジェリーと名乗るようになり、最終的にはレイ・ドーセット=マンゴ・ジェリーというかたちに集約されていきました。

 

  彼らにとって1曲めの全英1位「Baby Jump」。パンクの先駆け、なんて評価もあります。

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 異色作は、もともとレイがプレスリーのために書いたというディスコ・ソング「Feels Like I'm in Love」。プレスリーがなくなったためその願いは叶わず、自身で一度録音しますが、1979年にケリー・マリーがカバーし全英1位になっています。

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 「イン・ザ・サマータイム」は1995年にシャギーがカバーしたことで、再び脚光を浴びました。(全米3位 全英5位)

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 今年で75になったレイ・ドーセット。まだまだ元気で4月には新曲を発表しています。リラックスしたハッピーなスタイルは変わっていませんね。

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「イン・ザ・サマー・タイム」「Baby Jump」を収録したマンゴ・ジェリーのセカンド・アルバム

 

 シャギーの「イン・ザ・サマータイム」をお聴きになりたい方はベスト・アルバムがいいかもですね

 

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