まいにちポップス(My Niche Pops)

令和初日から毎日、1000日連続で1000曲(せんきょく)を選曲(せんきょく)しました。。。古今東西のポップ・ソングのエピソード、洋楽和訳、マニアックなネタ、勝手な推理、などで紹介しています。キャッチーでメロディアスなポップスは今の時代では”ニッチ”なものになってしまったのかなあとも思いますが、このブログを読んでくださる方の音楽鑑賞生活に少しでもお役に立てればと願っています。みなさんからの追加情報や曲にまつわる思い出などコメントも絶賛募集中です!text by 堀克巳(VOZ Records)

「ストリート・ライフ(Street Life)」クルセイダーズ(1979)

 おはようございます。

 今日はクルセイダーズの「ストリート・ライフ」です。

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I still hang around
Neither lost nor found
Hear the lonely sound
Of music in the night
Nights are always bright
That's all that's left for me, yeah

I play the street life because there's no place I can go
Street life, it's the only life I know
Street life and there's a thousand cards to play
Street life, until you play your life away

You let the people see
Just who you wanna be
And every night you sang
Just like a superstar
The type of life that's played
A temptin' masquerade
You dress and walk and talk
You're who you think you are

Street life, you can run away from time
Street life, for a nickel, for a dime
Street life, but you better not get old
Street life, or you're gonna feel the cold

There's always love for sale
A grown up fairy tale
Prince charming always smiles
Behind a silver spoon

And if you keep it young
Your song is always sung
Your love will pay your way
Beneath the silver moon

Street life   Street life
Street life Oh, street life

I play the street life because there's no place I can go
Street life, it's the only life I know
Street life and there's a thousand cards to play
Street life, until you play your life away

You let the people see
Just who you wanna be
And every night you sang

Just like a superstar
The type of life that's played
A temptin' masquerade
You dress and walk and talk
You're who you think you are

Street life, you can run away from time
Street life, for a nickel, for a dime
Street life, but you better not get old
Street life, or you're gonna feel the cold

There's always love for sale
A grown up fairy tale
Prince charming always smiles
Behind a silver spoon
And if you keep it young
Your song is always sung
Your love will pay your way
Beneath the silver moon

Street life Street life
Street life Oh, street life
Oh, street life Yeah, street life
Street life   Oh, street life

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私はずっとうろついたまま
何も失いもせず、何も見つけられずにいる
夜の音楽の孤独なサウンドが聞こえる
夜はいつだって輝いていて
それがすべて、それが私に残されたもの

 

ストリートライフを楽しんでいる 他に行く場所がないから
ストリートライフ、それは私が知っているただひとつの人生
ストリートライフ、1000枚のカードがプレイできる
ストリートライフ、人生を遊び尽くすまで

 

あなたはみんなに
自分がなりたい人のように見せかけて
そして毎晩歌う
スーパースターのように
誘惑のマスカレードを演じるような人生
着飾って、歩いて、話して
あなたは自分が思ったような人でいる

 

ストリートライフ、時間から逃げられる
ストリートライフ、5セントや10セントを求めて
ストリートライフ、だけど老けたらいけない
ストリートライフ、 さもないと寒さを感じることになる

 

いつでも売り物の愛がある
大人の童話
魅力的な王子様はいつも微笑んでいる
銀のスプーンの後ろで

そして、若さを保てば
あなたの歌はいつも歌われる
あなたの愛はあなたのためにある
銀の月の下で

ストリート・ライフ  ストリート・ライフ

ストリートライフを楽しんでいる 他に行く場所がないから
ストリートライフ、それは私が知っているただひとつの人生
ストリートライフ、1000枚のカードがプレイできる
ストリートライフ、人生を遊び尽くすまで

 

あなたはみんなに
自分がなりたい人のように見せかけて
そして毎晩歌う 
スーパースターのように

誘惑のマスカレードを演じるような人生
着飾って、歩いて、話して
あなたは自分が思ったような人でいる

 

ストリートライフ、時間から逃げられる
ストリートライフ、5セントや10セントを求めて
ストリートライフ、だけど老けたらいけない
ストリートライフ、 さもないと寒さを感じることになる

 

いつでも売り物の愛がある
大人の童話
魅力的な王子様はいつも微笑んでいる
銀のスプーンの後ろで

そして、若さを保てば
あなたの歌はいつも歌われる
あなたの愛はあなたのためにある
銀の月の下で

 

ストリート・ライフ   ストリート・ライフ、、、

              (拙訳)

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  この曲がヒットしたのは1979年ですが、クルセイダーズの起源はかなり古く、1954年にヒューストンでピアニストのジョー・サンプルが高校時代の友人であるテナー・サックス奏者のウィルトン・フェルダーとドラマーのスティックス・フーパーと組んで”スイングスターズ”というグループを結成したのが始まりでした。その後、トロンボーン奏者のウェイン・ヘンダーソン、フルート奏者のヒューバート・ロウズ、ベーシストのヘンリー・ウィルソンが加わり”モダン・ジャズ・セクステット”として活動を始め、1960年にサンプル、フェルダー、フーパー、ヘンダーソンの4人がロサンゼルスに移り住んだタイミングで”ジャズ・クルセイダーズ”と名乗るようになりました。

 

 1966年にはスティーヴィー・ワンダーの「アップタイト」をカバーして全米95位に入っています。

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  1971年には演奏する音楽を限定しないために、バンド名から”ジャズ”をとって、”クルセイダーズ”と名乗るようになります。

  当時彼らはトランペット奏者ヒュー・マサケラとプロデューサーのスチュワート・レヴィンが所有する”Chisa"というレーベルに所属していましたが、スチュワートが”ブルー・サム”というレーベルをやっているトミー・リピューマと意気投合し、”ブルーサム”が彼らの作品を配給することになり、そこからセールスが伸び始めます。

ジョー・サンプルはトミー・リピューマの作品の重要なキーボーディストにもなります)

 全米52位、R&Bチャート39位の「Put It Where You Want It」

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 コンスタントに作品をリリースしていた彼らですが、1978年にブルーサムが倒産したため、レーベルをMCAに移してリリースしたのがこの「ストリート・ライフ」でした。

 

 シングル「ストリート・ライフ」は全米36位、R&B17位、アルバム「ストリート・ライフ」は全米18位、R&B3位と、ジャズ/フュージョン系のバンドとしては破格のヒットとなりました。

 

  ジョー・サンプルはこの曲を書いたときのことをこう回想しています。

 

「1970年代に、僕はカリフォルニア州イースタン・シエラ山脈の中にあるマンモスレイクスに家を建てたんだ。故郷のヒューストン、カリフォルニア州のサンタモニカ、そして山の家の3つを行き来していた。僕はスキーが好きだったんだ。山に行くには、2ブロック歩いて、初心者用のゲレンデを超えるリフトに乗らなければならなかったんだ。ある日、僕はリフトに乗っていた。休日だったはずで、下の初心者用ゲレンデは混雑していた。自分のスキーの間から下を見ると、スキーヤーたちがぶつかり合っていた。それは、カオスだった。滑れない人がぶつかるのは危ないな、と思った。

 その瞬間、『STREET LIFE』というタイトルが頭に浮かんだんだ。その日の夜、家に帰って書き始めた。ヤマハのスタジオピアノで書いたんだ。家にはフェンダー・ローズがあったけど、ほとんど触らなかった。それは今でも新品同様さ。『Street Life』を作曲するのにかかったのは2時間くらい。メロディーがただ広がっていったんだ」

                 (All About Jazz)

 ストリート・ライフをスキー場のゲレンデで発想したというのは面白いですね。

「ストリート・ライフ」とタイトルがつけられた曲の歌詞を委ねられたのがウィル・ジェニングス。のちに「愛と青春の旅立ち」やクラプトンの「ティアーズ・イン・ヘヴン」など数々の大ヒットを書きますが、この頃はバリー・マニロウの「想い出の中に」や「夜のしじまに」などで知られていました。

 彼はこの歌詞をハリウッド・ブールバードで思いついたそうで、こちらはちゃんと都会で考えたんですね(ブールバードはストリートより大きな通りのことですが、、、)

 

「ウィルトンとスティックスに聴かせたところ、当時流行っていたディスコ・ドラムのリズムは使うべきではない、という意見が出た。その代わりに、テキサス州南東部のリズムスタイル、つまりシャッフルに近いものを使いたいと考えたんだ。当時のディスコのリズムを真似しないように意識たよ」(All About Jazz)

 

  1979年といえば、ディスコの最盛期。そこを、あえて避けたのがよかったんでしょうね。

  ヴォーカルのランディ・クロフォードはスチュワート・レヴィンのプロデュースでデビューし、ジョー・サンプルがレコーディングに参加したことが縁で頼むことになったようです。この曲がきかっけで、彼女も有名になりました。

 

 

  最後にカバーを。

 日本人でもこんなにカッコいいカバーができるんですね。

 鳥山雄司ギター)神保彰ドラムス)、和泉弘隆(キーボード)という、日本を代表するプレイヤーが集まった、スーパー・バンド”Pyramid"。ヴォーカルはダニー・ハザウェイの娘さん、ケニア・ハザウェイ。

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