おはようございます。
今日はピーター・ゴールウェイの「サンデイ・バスケットボール」です。
Peter Gallway - Sunday Basketball
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Joey there's a phone call
It's time to rise and shine
the eggs are on the table
your jeans are on the line
the day is fine
the boys are coming over mom
I've got to eat and run
Where've my sweatshirt and sneakers gone
We're wasting all the sun
Today I'm number one
Yes I think I'll run
Sunday basketball
when you know you've got it all
playing basketball
you might slip but you won't fall
Tripping down the back stairs
and cruising up the block
moving to the radio
down along the boardwalk
crossing over to the schoolyard
and slipping underneath the fence
running for the give and go
it's a simple kind of dance
where you don't have to think
you just know go man go
sunday basketball...
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ジョーイ、電話よ
もう起きる時間よ
朝食の卵はテーブルの上
ジーンズは物干しにかかってるわ いい天気よ
友達がすぐ迎えに来るんだ ママ
早く食べて行かなくっちゃ
僕のスウェットとスニーカーはどこ?
早くしないと、お日様がもったいない
今日は僕がナンバー・ワンさ うん、走ってゆくよ
日曜日のバスケットボール
君がバスケットに夢中になっていると思った時は
滑っても、転ぶことはないさ
裏の階段を軽快に駆け下りて
街を歩いてゆく
ラジオの音楽にリズムを合わせ
ボードウォークを進んでゆく
校庭に向かって道を横切り
フェンスをくぐり抜け
ギヴ・アンド・ゴー(バスケットの作戦)で走る
それは、シンプルなダンスみたいなもの
君は考える必要なんてなく ただわかっている
行け、行けって
日曜日のバスケット・ボール、、、 (拙訳)
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ピーター・ゴールウェイは、日本のポップス・ファンからも大変人気の高いフィフス・アヴェニュー・バンドの中心メンバーでした。
フィフス・アヴェニュー・バンドは1969年にたった一枚アルバムを出しただけで解散してしまい、彼はソロとして1971年に「オハイオ・ノックス」、翌1972年には「ピーター・ゴールウェイ」と二枚のアルバムをリリースしています。
「Taking It Easy」オハイオ・ノックス
「Twelve Day Lover」ピーター・ゴールウェイ
どちらの作品も高く評価されましたが商業的には成功せず、またこの時期ドラッグによる精神的な不調などもあったようで、メジャーの音楽シーンから距離を置くためとドラッグを断ち切るために、彼はアメリカの北の端にあるメイン州に居を移し、ある意味ひきこもってしまいました。
この「サンデイ・バスケットボール」は6年ぶりのアルバム「オン・ザ・バンドスタンド」(1978)のオープニングを飾っていたナンバー。このアルバムは日本のみでリリースされたもので、しかも、彼の日本人のファンが行動を起こしたことでリリースされたものでした。
”シュガーベイブ”のマネージャーであり、名レコード店「パイドパイパー・ハウス」の店長としても知られる長門芳郎さんが、ジョン・セバスチャンが来日した時に彼の弟がピーター・ゴールウェイだと思い込んでいてそれを彼に否定された話を音楽誌に書いたとき、ピーターがメイン州ポートランドで音楽活動をしていることもジョンから聞いて書いたそうです。
そして、それを読んだ吉峰さんというピーターの大ファンが、ポートランドのライヴハウスあてに「ピーター・ゴールウェイを探しています」と書いた手紙を送ったそうで、そしたら、ピーター本人から返事が届き、しかも彼が作ったばかりの新作のカセットが同封されていたそうです。
それが「オン・ザ・バンドスタンド」だったのです。そして吉峰さんは、メジャーレーベルではない海外の作品を販売しているヴィヴィッド・サウンドに持ち込み、日本だけで発売されることになったといいます。
そして、同年秋には来日公演も行ったそうです。
僕がこのアルバムを知ったのは、長門さんがはじめた"VILLAGE GREEN"というレーベルで再発した時で、その時のライナー・ノーツは吉峰さんが書いていました。このアルバムは自分がきかっけで出たなどと言う話には一切触れず、ピーターの音楽性、人間性への愛情が感じられるものでした。ダニー・コーチマーが、ジェイムス・テイラーはピーターから大きな影響を受けていたと語ったと言う興味深いエピソードも書いてありました。
このアルバムは、メイン州ポートランドには、さすがにいいスタジオやミュージシャンがいなかったのでしょうか、マサチューセッツ州ブライトン(ボストンの近く)で録音されたようです。
「サンデイ・バスケットボール」から僕が強く感じるのは、週末のニューヨークの穏やかな朝の香りと風景です(勝手な妄想ですが)。長く離れていても、この人の中にある”ニューヨーク”は消えないんだな、いや、ひょっとして離れて暮らしているからこそ、子供の頃のニューヨークの光景を愛おしく思い出しながらこの曲を作ったのかも、などと思えてきます。
(参考:「パイドパイパー・デイズ 私的音楽回想録1972-1989」長門芳郎 )
彼が在籍したフィフス・アヴェニュー・バンド