まいにちポップス(My Niche Pops)

令和元年初日から毎日更新中〜1日1ポップス。エピソード、歌詞の和訳、謎解き、マニアックな捜査、勝手な推理、などで紹介していきます。text by 堀克巳(VOZ Records)

「ドゥ・イット・アゲイン(Do It Again)」スティーリー・ダン(1972)

 おはようございます。

 今日はスティーリー・ダンの「ドゥ・イット・アゲイン」です。


Do It Again

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In the mornin' you go gunnin' for the man who stole your water
And you fire till he is done in but they catch you at the border
And the mourners are all singin' as they drag you by your feet
But the hangman isn't hangin' and they put you on the street


You go back, Jack, do it again, wheels turinin' 'round and 'round
You go back, Jack, do it again

When you know she's no high climber then you find your only friend
In a room with your two timer, and you're sure you're near the end
Then you love a little wild one, and she brings you only sorrow
All the time you know she's smilin'; you'll be on your knees tomorrow

You go back, Jack, do it again, wheels turinin' 'round and 'round
You go back, Jack, do it again

Now you swear and kick and beg us that you're not a gamblin' man;
Then you find you're back in Vegas with a handle in your hand
Your black cards can bring you money so you hide them when you're able
In the land of milk and honey you must put them on the table

You go back, Jack, do it again, wheels turinin' 'round and 'round
You go back, Jack, do it again

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朝が来ればおまえは水を盗んだ男を撃ちに行く

奴が死ぬまで銃を撃ち、だけど国境線で捕まるのさ

会葬者たちは皆歌っている おまえを焦らすように

だけど、死刑執行人は首を縛らずに おまえを街にはなすんだ

 

戻るんだ、ジャック もう一度やってみな

車輪は回る、ぐるぐると

戻れ、ジャック、もう一度やるんだ

 

彼女が高く登る人間じゃないとわかれば

おまえはたった一人の友人を見つけられるさ

二人に時間記録係のいる部屋で

おまえは自分が終わりに近づいていることに気づく

そしておまえは可愛いあばずれを愛するけれど

彼女は悲しみしかもたらさなかった

彼女が微笑んでいるとわかっている間はずっと 

おまえは明日跪いているだろう

 

戻るんだ、ジャック もう一度やってみな

車輪は回る、ぐるぐると

戻れ、ジャック、もう一度やるんだ

 

今やおまえは 誓い、蹴り、懇願する

自分はもう賭博師じゃないのだと

そしておまえは賭け金を握りしめ

ラスベガスに戻ってきた自分に気づくんだ

その黒いカードは金をもたらす

だからできるだけ隠しておいたほうがいい

豊かなこの国では、それをテーブルにおいて賭けなきゃいけないんだ

 

戻るんだ、ジャック もう一度やってみな

車輪は回る、ぐるぐると

戻れ、ジャック、もう一度やるんだ        (拙訳)

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 この「ドゥ・イット・アゲイン」はスティーリー・ダンのファースト・アルバム「キャント・バイ・ア・スリル」からのファーストシングルでした。

 というと、彼らのデビュー曲のようですがそうではなく、レコード会社との間でアルバムの前に一枚シングルを出すという契約があったようで、「ダラス」という曲がデビュー曲になります。


Steely Dan - Dallas (Better Quality)

 僕tちが持っているスティーリー・ダンのイメージとは離れた、1970年代の典型的なウエストコースト・ロックだったんですね。

 ちなみにシングルのB面の曲も。


Steely Dan - Sail The Waterway

 やはりこちらも、いかにもウエスト・コースト・ロックという感じですね。レコード会社サイドもこのシングルは、スティーリー・ダンをカントリー・ロックのバンドだと誤解されるかもしれないということで、こっそり回収し闇に葬られて(?)しまいました。

 そして、ドナルド・フェイゲンウォルター・ベッカーが、自分たちの音楽を完全に表現するために集められた面々、ジェフ・バクスター(ギター)、ジム・ホッダー(ドラムス)、デニー・ダイアス(ギター、シタール)、デヴィッド・パーマー(ヴォーカル)と6人組のバンドとして、スティーリー・ダンを始めます。

 ちなみに先に紹介した「ダラス」はフェイゲン、バクスター、ホッダー、にティム・ムーアというバック・コーラスを加えて制作されています。

 

 そしてアルバムが完成しラジオ局の人間に聴かせたところ、彼らが飛びついたのが「ドゥ・イット・アゲイン」でした。実は、スティーリー・ダンのメンバーもレコード会社もまったくシングルにするつもりのない曲だったんですね。

 そしてアルバムでは6分近くあったこの曲を、シングル用に4分ちょっとに編集しリリースしたところ、全米最高6位の大ヒットになりました。これは、彼らのシングルで2番目の成績です。

 

 フェイゲンは当時のことを振り返ってこう語っていたそうです。

「ぼくたちは世間の人たちの音楽観を広げ、それまでに聞いていたものよりも、もっと面白いロックンロールを聞かせようとしていた」

(「スティーリー・ダン・ストーリー リリーング・ジ・イヤー」)

 そして、「ドゥ・イット・アゲイン」の大ヒットでその足がかりをつかんだというわけです。

 この曲の歌詞は意味がつかみにくいのですが、古いアメリカのパルプ・マガジン(パルプ・フィクション)の西部劇や、映画で言えばマカロニ・ウエスタンの匂いが強く感じられます。

 

  この曲をTV番組で演奏している動画がありました。アルバムではリード・ヴォーカルをつとめたフェイゲンは、人前でメインを歌う自信がなかったのかメインをデヴィッド・パーマーにまかせてしまっています、、、。


Steely Dan - Do it Again - Midnight Special Live 1972

 最後にこの曲のカバーを。

 僕がこの曲の良さに気づかされたのが、このバージョンでした。Charと石田長生のユニット”BAHO"。日本人がこの曲をこんなかっこよくカバーできるなんて、もう誇っていいと思います。


BAHO / DO IT AGAIN

 

 

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