まいにちポップス(My Niche Pops)

令和初日から毎日、1000日連続で1000曲(せんきょく)を選曲(せんきょく)しました。。。古今東西のポップ・ソングのエピソード、洋楽和訳、マニアックなネタ、勝手な推理、などで紹介しています。キャッチーでメロディアスなポップスは今の時代では”ニッチ”なものになってしまったのかなあとも思いますが、このブログを読んでくださる方の音楽鑑賞生活に少しでもお役に立てればと願っています。みなさんからの追加情報や曲にまつわる思い出などコメントも絶賛募集中です!text by 堀克巳(VOZ Records)

「太陽を背にうけて(Sunshine on My Shoulders)」ジョン・デンバー(1973)

 おはようございます。

 昨日のザ・ビーチ・ボーイズの「太陽の暖かさ」に続いて、今日も”太陽の有り難さ”を歌った歌です。


John Denver - Sunshine On My Shoulders (Official Audio)

Sunshine
On my shoulders makes me happy
Sunshine in my eyes
Can make me cry
Sunshine on the water
Looks so lovely
Sunshine
Almost always makes me high


If I had a day
That I could give you
I'd give to you
The day just like today
If I had a song
That I could sing for you
I'd sing a song
To make you feel this way


Sunshine
On my shoulders makes me happy
Sunshine in my eyes
Can make me cry
Sunshine on the water
Looks so lovely
Sunshine
Almost always makes me high


If I had a tale
That I could tell you
I'd tell a tale
Sure to make you smile
If I had a wish
That I could wish for you
I'd make a wish
For sunshine for all the while

Sunshine
On my shoulders makes me happy
Sunshine in my eyes
Can make me cry
Sunshine on the water
Looks so lovely
Sunshine
Almost always makes me high

Sunshine
Almost all the time makes me high
Sunshine
Almost always....

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   ”僕の肩を照らす太陽が 僕をハッピーにさせる

  陽射しのまぶしさが 僕を泣かせもする

  水面に輝く太陽は 愛おしく

  陽の光はいつも僕を元気にしてくれる

 

 もし僕に君にあげられる1日があるとしたら

 今日のような日を贈りたい

 もし、僕が君のために歌える歌があれば

 こんな気持ちにさせてくれる歌を歌おう

 

  肩を照らす太陽が 僕をハッピーにさせる

  陽射しのまぶしさが 僕を泣かせもする

  水面に輝く太陽は 愛おしく

  陽の光はいつも僕を元気にしてくれる


 もし僕に君に語れる物語があるならば

 絶対君をにっこりさせるような物語にしたい

 もし君のために願えることがあるならば

 ずっと太陽が降り注いでくれることを願うよ

 

  肩にふりそそぐ太陽が 僕をハッピーにさせる

  陽射しのまぶしさが 僕を泣かせもする

  水面に輝く太陽は 愛おしく

  陽の光はいつも僕を元気にしてくれる     "                       (拙訳)

 

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  ジョン・デンバーといえば、日本ではジブリラグビーのおかげで聴いたことのない人はいないんじゃないかというくらい、この曲が有名ですね。「カントリー・ロード」。


John Denver - Take Me Home, Country Roads (Audio)

 この人の全盛期は1970年代前半で僕はまだ小学生でしたが、テレビでもラジオでも彼の歌はビートルズカーペンターズとともに本当によく耳にしました。

 

  ジョン・デンバーというのは芸名で、本名はヘンリー・ジョン・デュッチェンドルフ・ジュニアといってドイツ系なんですね。彼の父親は空軍パイロットで、転属のたびに引っ越しを繰り返していたようですが、ニューメキシコアリゾナアラバマ、テキサスとアメリカ南部の州を転々としていたようです。

 南部で生まれ育ったということでは”カントリー・ボーイ”なのでしょうが、彼の音楽からイメージするような大自然の中の牧場のようなところで育ったわけではなかったんですね。

 そして、彼は音楽活動を始めた時に、知り合いのミュージシャンから”デュッチェンドルフ”という名前だと劇場の入り口に掲示してもわかりにくい、と言われて芸名をつけることに決めます。”デンバー”は彼が好きな都市の名前でした。

   彼が最初に注目を集めたのは、彼が書いた「悲しみのジェット・プレイン」という曲で、ピーター、ポール&マリーにとりあげられて全米1位を獲得しました。


Leaving on a Jet Plane

 そして、彼自身もデビューを果たし当初は売れませんでしたが、6枚目のシングルの「カントリー・ロード」が大ヒットします。

 あらためて彼の足跡を追ってみてわかるのは、もともと彼はあくまでも”フォーク・シンガー”であって、生粋の”カントリー・シンガー”ではなかったということです。彼が憧れたのはフォーク・グループ”キングストン・トリオ”でした。


花はどこへ行った/キングストン・トリオ

カントリー・ロード」はポップス・チャートでは全米2位までいったのに、カントリーチャートは50位までしか上がっていません。彼がカントリーチャートの上位に入り始めるのは、かなり売れてからなんです。

 

 また、彼はビートルズが好きだったようで、自主制作のファースト・アルバムにはビートルズのカバーが4曲も入っていて、メジャーになってからもよく取り上げています。ポール・マッカートニーのこんな小品(名曲ですが)までやっています。

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 ビートルズに影響を受けたポップセンスのあるソングライターだったからこそ、彼は大ヒットをたくさん作ることができたのかもしれません。

 

 さて、この「太陽を背にうけて」は1971年にシングルのB面としてリリースされたものでした。

 曲を書いたのは冬から春にかけての時期、場所はミネソタだったそうです。雪は溶け始めてはいてもまだ寒くて、太陽が降り注ぐ季節のことを思い浮かべてしまう、メランコリックな気持ちで書かれたそうです。

 この曲は、太陽の訪れを待ち焦がれている気持ちがこめられた歌だったんです

 そして、ライヴでじわじわと人気を集まってきたので、1973年にシングルとして発売すると、彼にとって初の全米1位になるわけですが、それを大きく後押ししたのがTV用映画(劇場公開もされています)だったそうです。

 

 それは「サンシャイン」という作品で、幼い娘を持つ若い母親が骨肉腫で余命わずかだと宣告されたあと、カセット・テープに日記を残してゆくという実話を基にした話らしく、当時は全米で記録的な視聴率を上げたそうで、そのドラマで使われたのがこの曲でした。

 

 このドラマの主人公の女性のパートナーで売れないミュージシャン役だったクリフ・デ・ヤングもこの曲を歌っています。

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 ジョン・デンバーは、あるレベルではこの歌は”愛の美徳”についての歌だけど、それとは別に、もっと深く感じるレベルでは、この世界全体が大切に抱えている”何か”に向かって手を伸ばしているような曲だと、語っています。

 

 当たり前で何気ない瞬間にいながらも、その奥深くにある何か普遍的なものに触れようとしている歌なのかもしれません。

 

 

 カバー曲はそれほど多くはありませんが、意外なところではコール・ミー・メイビー」のカーリー・レイ・ジェプセンが歌っています。しかも彼女のデビュー曲だったんです。


Sunshine On My Shoulders

タッグ・オブ・ウォー

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