まいにちポップス(My Niche Pops)

令和初日から毎日、1000日連続で1000曲(せんきょく)を選曲(せんきょく)しました。。。古今東西のポップ・ソングのエピソード、洋楽和訳、マニアックなネタ、勝手な推理、などで紹介しています。キャッチーでメロディアスなポップスは今の時代では”ニッチ”なものになってしまったのかなあとも思いますが、このブログを読んでくださる方の音楽鑑賞生活に少しでもお役に立てればと願っています。みなさんからの追加情報や曲にまつわる思い出などコメントも絶賛募集中です!text by 堀克巳(VOZ Records)

「エヴァーラスティング・ラヴ(Everlasting Love)」ラヴ・アフェアー(1968)

 おはようございます。

 今日はラブ・アフェアーの「エヴァーラスティング・ラヴ」です。


Love Affair - Everlasting Love (Official Video)

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Hearts gone astray, leaving hurt when they go
I went away, just when you, you need me so
You won't regret, I come back beggin' you
Won't you forget, welcome love we once knew

Open up your eyes then you realize
Here I stand with my everlasting love
Need you by my side, girl to be my bride
You'll never be denied, everlasting love

From the very start, open up your heart
Feel that you're part of everlasting love

Need a love to last forever
Need a love to last forever

Where life really flows, no one really knows
Till someone's there to show the way to lasting love
Like the sun it shines, endlessly it shines
You always will be mine, if eternal love

Whenever love went wrong, ours would still be strong
We'd have our very own everlasting love

Need a love to last forever
Need a love to last forever


Open up your eyes then you realize
Here I stand with my everlasting love
Need you by my side, girl to be my bride
You'll never be denied, everlasting love

 

From the very start, open up your heart
Be a lasting part of everlasting love
Whenever love went wrong, ours would still be strong
We'll have our very own everlasting love

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心は迷い、傷を残して行ってしまった
僕はいなかったんだ  ちょうど君が、僕をとても必要としていた時に
君が悔やむことはない 僕は君に許しを乞うために戻ってくるよ
忘れていないよね、二人の愛を歓迎しよう

目を開けてみればわかるさ
僕は永遠の恋人とここに立っている
僕のそばにいてほしい、僕の花嫁になってほしい
キミは決して否定されることのない、永遠の恋人

最初から、その心を開いて
感じてほしい、自分が永遠の愛の一部なんだと

永遠に続く愛が必要さ
永遠に続く愛が必要さ

人生のどこに行くのかは、誰にもわからない
終わらない愛への道を誰かが示してくれるまでは
太陽のように輝き、終わることなく輝き続ける
君はいつだって僕のもの、もし、永遠の愛ならば

間違いがあった時でも、僕たちの愛は強いままさ
僕たちだけの永遠の愛を手に入れよう

永遠に続く愛が必要さ
永遠に続く愛が必要さ


目を開けてみればわかるさ
僕は永遠の恋人とここに立っている
僕のそばにいてほしい、僕の花嫁になってほしい
キミは決して否定されることのない、永遠の恋人

最初からやり直して、その心を開いて
永遠の愛の一部なるんだ
間違いがあった時でも、僕たちの愛は強いままさ
僕たちだけの永遠の愛を手に入れよう

           (翻訳)

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 全英No.1ヒットで、カバーもたくさんあります。この曲のカバーは合計8ヴァージョンがチャートインしたそうで、これはイギリスで史上第2位の記録なのだそうです(1位はライチャス・ブラザース「アンチェインド・メロディ」)。

 

 僕もこの曲はブリティッシュ・ポップ・ヒッツ、みたいなタイトルのコンピレーションで知ったので、長い間、完全に英国産の楽曲なのだと思い込んでいたのですが、実はアメリカ産で、しかも意外なことにカントリー・ミュージックの聖地ナッシュビルで作られたものでした。

 

 歌ったのはロバート・ナイト。彼は十代からナッシュビルでグループを組んで活動していたそうですが、ソロ・アーティストとして地元のレーベルと契約して最初にリリースしたのがこの曲でした。


Robert Knight "Everlasting Love"

 曲を作ったのは、レーベルのオーナーでもあるミュージシャンのバズ・ケイソンとマック・ゲイデン。

 バズはナッシュビル初のロックンロールバンド、カジュアルズの創立者プレスリーケニー・ロジャースのバック・コーラスもやっていたそうで、マックはセッション・ギタリストで1970年代にはシンガー・ソングライターとしてアルバムを3枚リリースし、この曲のセルフカバーもやっています。

www.youtube.com

 この曲での彼らの狙いはシンプルで、”モータウン”、フォートップスやテンプテーションズのイメージだったそうです。

 そして、1967年にリリースされると、みごと全米13位のヒットになりました。

 

 この曲をカバーしたラブ・アフェアーはロンドンで結成されたポップ・ロック・グループ。ストーンズの「She Smiles Sweetly」という曲でデビューしています。

www.youtube.com

  実はラヴ・アフェアは以前はソウル・サバイバーズという名前の、アメリカのR&Bへの愛にあふれた正統派モッズ・バンドでした。

 「エヴァーラスティング・ラヴ」のカバーを持ちかけたのは彼らのマネージャーだったそうで、曲を気に入った彼らはそれを承諾します。

 

  最初にマフ・ウィンウッド(スティーヴ・ウィンウッドのお兄さんでスペンサーデイヴィス・グループのベーシスト)のプロデュースで、ラヴ・アフェアーのメンバーで録音したそうですが、レーベルから却下され、全く別のヴァージォンが作られることになります。

 参加したのはボーカルのみで、あとはセッション・ミュージシャンが演奏し、最大のポイントはそこにオーケストラを加えるということでした。

 このオーケストレーションがこの曲の大ヒットに一役買ったのは間違いないでしょう。

 

 そしてこの曲に火がつき、イギリスの大人気音楽番組「トップ・オブ・ポップス」に出演することになると、彼らのトレードマークだったモッズのファッションはやめて、フリルのついたシャツとサテンのベルベットのズボンの”ヒッピー・スタイル”にしろと言われ、その衣装をそのままもらえるという条件で承諾し、その格好で出演したところ、熱狂的なファンに衣装をビリビリに引き裂かれた、という逸話があるようです。

 

 さて、ロバート・ナイトのオリジナルもイギリスでリリースされましたが、ラヴ・アフェアーにおされて40位に終わっています。

 しかし、ロバート・ナイトは1973年に同じバズとマックの作った「Love on a Mountain Top」という曲で全英10位のヒットを飛ばしています。やはり、モータウン調の作品です。


Robert Knight - Love on a mountain top ( Top of the pops )

 これと同じ頃、アメリカではこの曲のカバーが大ヒットします。歌っているのはカール・カールトン。


Carl Carlton- Everlasting Love

 全米最高6位ですから、アメリカで一番ヒットしたのはこのヴァージョンだということになります。

 このヴァージョンはイギリスではどうだったかというと、実はぱっとせずに終わり、その代わりにロバート・ナイトのオリジナルがリバイバル・ヒットして19位まで上がっています。なかなか不思議なものですね。

 

 数あるカバーの中でも、曲を作ったバズとマックが一番驚いたというのがU2


Everlasting Love | The Best of U2

  21世紀に入ってからのカバーでは、やはりジェイミー・カラムのヴァージョンが有名でしょう。

映画『ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12か月』で使われていました。


Jamie Cullum - Everlasting Love

 

  ラヴ・アフェアーのボーカル、スティーヴ・エリスはこの曲を長く歌っているようです。2017年のライヴの映像です。


Everlasting Love - Love Affair - Birmingham 26/11/2017

  オリジナルのロバート・ナイトは2017年に亡くなっていますが、やはりずっとこの曲を歌っていたようです。こちらは2014年のステージ。


Robert Knight "Everlasting Love"

 

 

 

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