おはようございます。
今日は「恋の面影」。バート・バカラックの代表作です。
Dusty Springfield - The Look of Love
The look of love
Is in your eyes
A look your heart can't
Disguise
The look of love
Is saying so much more than
Just words could every say
And what my heart has heard
Well it takes my breath away
I can hardly wait to hold you
Feel my arms around you
How long I have waited
Waited just to love you
Now that I have found you
You've got the look of love
It's on your face
A look that time can't erase
Be mine, tonight
Let this be just the start of
So many nights like this
Let's take a lovers vow
And seal it with a kiss
I can hardly wait to hold you
Feel my arms around you
How long I have waited
Waited just to love you
Now that I have found you
Don't ever go
I can hardly wait to hold you
Feel my arms around you
How long I have waited
Waited just to love you
Now that I have found you
Don't ever go
Don't ever go
I love you so
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愛の表情が
あなたの瞳に映る
笑顔ではごまかせない、表情
愛の表情は
言葉なんかより多くを語るの
私の心がそれを聞いたなら
息もできなくなる
あなたを今すぐ抱きしめたい
私の腕があなたを包むのを感じながら
どれだけ待ったことでしょう
ただあなたを愛するために待って
今、あなたを見つけたの
あなたには愛の表情がある
それ顔に浮かんでいる
時が消すことのできない、表情
私を愛して、今夜
こんな夜がたくさん続くように
今日をほんの始まりにしましょう
恋人の誓いを立てて
キスで封印するの
あなたを今すぐ抱きしめたい
私の腕があなたを包むのを感じながら
どれだけ待ったことでしょう
ただあなたを愛するために待って
今、あなたを見つけたの
行かないで、、
あなたを今すぐ抱きしめたい
私の腕があなたを包むのを感じながら
どれだけ待ったことでしょう
ただあなたを愛するために待って
今、あなたを見つけたの
行かないで、行かないで、、愛してる、、 (和訳)
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この曲はバート・バカラックがジェームズ・ボンドもの唯一のコメディ映画「007カジノロワイヤル」(1967)のために依頼されて作られたものです。
バカラックは映画に出ている女優のウルスラ・アンドレスが”呆気にとられるくらいゴージャスだったから” 彼女の出ているシーンを繰り返して観ていくうちに、彼女のテーマとしてこの曲が出来上がったのだと語っています。
バカラックがウルスラの映像を繰り返して観ていた隣の部屋では、彼の当時の奥さんのアンジー・ディッキンソンが眠っていたそうですが、こちらもすごいゴージャスな方ですけどね。そういう女性がお好みだったんでしょうか?
Angie Dickinson & Burt Bacharach for Martini & Rossi
それはともかく、ウルスラ・アンドレスは「007ドクターノオ」(1962)に出ていた初代ボンド・ガールで、バカラックが初めて音楽を担当した映画「何かいいことないか子猫チャン」にも出演していました。
さて、その「恋の面影」は実際の映画ではこんな風に使われていました。
この通り、この曲は当初バカラックがインスト曲として書いたものですが、バカラックの相棒、ハル・デヴィッドが歌詞を書いてくれたのでボーカルを入れてレコーディングすることにします。
選ばれたのはダスティ・スプリングフィールド。
彼女はバカラック&デイヴィッド作の「ウィッシィング・アンド・ホーピン」を
バカラックの勧めでアメリカ発売し、全米6位の大ヒットとなっていました。
また、その後「I Just Don't Know What to Do with Myself」をイギリスで最高3位に送っ
ていて、僕が思うにまさに”イギリス最高のバカラック・シンガー”でした。
Dusty Springfield ~ i Just Don't Know What To Do With Myself (HQ)
2曲ともアレンジは「二人だけのデート」「太陽はもう輝かない」を手がけたアイヴァー・レイモンド。(60年代の洋楽ポップス・ファンの間でさえほとんど名前を聞かない人ですが、僕はしっかり再評価すべき”隠れた巨匠”だと考えています。)
「ダスティはひどい不安症で、ロンドンで<恋の面影>をレコーディングしたときも、一人でプレイバックを聞くために、いつも離れたコントロール・ルームにこもっていた」
「ダスティは必要以上に自分に厳しく、もし一緒にアルバムをつくることがあったら、まちがいなくおたがいを破滅させていただろう」
(「バート・バカラック自伝 ザ・ルック・オブ・ラヴ)
バカラックも完璧主義者でレコーディングでは相当細かくやり直しをすると言われているので、その彼がこう言っているということは、彼女は相当繊細だったのでしょう。当然、相手がバカラックだというプレッシャーもあったようにも思いますが。
しかし、彼女の声質がこの曲にとてもあっているように思えますし、彼女の"不安感"からくる微妙な揺れがこの歌にニュアンスを加えたのかもしれません。その後、数多くの、しかもかなりのレベルの”歌自慢”たちがこの曲をカバーしていますが、ダスティを凌駕しているものはないように思います。
かえって、以下のA&Mレーベルの3曲ように、ソフトな歌い方でサウンドと一体になることで趣を出す方向のほうがいいように僕には思えます。
The Look Of Love - Sergio Mendes & Brasil '66
Claudine Longet, The look of love, Single 1967
バカラック・ナンバーの中でも、少し異色で、独特の儚さや愁いのようなものを感じさせる曲だなあ、と思います。