まいにちポップス(My Niche Pops)

令和初日から毎日、1000日連続で1000曲(せんきょく)を選曲(せんきょく)しました。。。古今東西のポップ・ソングのエピソード、洋楽和訳、マニアックなネタ、勝手な推理、などで紹介しています。キャッチーでメロディアスなポップスは今の時代では”ニッチ”なものになってしまったのかなあとも思いますが、このブログを読んでくださる方の音楽鑑賞生活に少しでもお役に立てればと願っています。みなさんからの追加情報や曲にまつわる思い出などコメントも絶賛募集中です!text by 堀克巳(VOZ Records)

「パーフェクト(Perfect)」フェアグラウンド・アトラクション(1988)

 おはようございます。

今日はイギリスのバンド、フェアグラウンド・アトラクションの「パーフェクト」です。


Fairground Attraction - Perfect (Official Video)

I don't want half-hearted love affairs
I need someone who really cares
Life is too short to play silly games
I've promised myself I won't do that again

It's got to be perfect
It's got to be worth it, yeah
Too many people take second best
Well I won't take anything less
It's got to be, yeah, perfect

Young hearts are foolish, they make such mistakes
They're much too eager to give their love away
Well, I have been foolish too many times
Now I'm determined, I'm gonna get it right

It's got to be perfect
It's got to be worth it, yeah
Too many people take second best
Well I won't take anything less
It's got to be, yeah, perfect

Young hearts are foolish, they make such mistakes
They're much too eager to give their love away
Well, I have been foolish too many times
Now I'm determined, I'm gonna get it right

You might also like
You Spin Me Round (Like a Record)
Dead or Alive
Don’t Leave Me This Way
The Communards
I Love to Love
Tina Charles

It's got to be perfect
It's got to be worth it, yeah
Too many people take second best
Well I won't take anything less
It's got to be, yeah, perfect

It's got to be, yeah, worth it
It's got to be perfect

********************************************************************

気乗りのしない恋なんてしたくない
本気で思ってくれる人が欲しいの
人生は馬鹿げたゲームをするには短すぎる
もう二度としないと 自分に誓ったの

 

今度こそパーフェクトじゃなきゃ
その価値があるものじゃなきゃ
最高を諦める人が多すぎる
私は最高以下は求めない
そうじゃなきゃ、そう、完璧じゃなくっちゃ

 

若者の心って愚かなもの、そんな過ちを犯してしまう
彼らは自分の愛を捧げようとしすぎるの
まあ、私もいっぱいバカなことをしてきたわ
今、決心したの 今度こそちゃんとするって

 

今度こそパーフェクトじゃなきゃ
その価値があるものじゃなきゃ
最高を諦める人が多すぎる
私は最高以下は求めない
そうじゃなきゃ、そう、完璧じゃなくっちゃ

 

今度こそパーフェクトじゃなきゃ
その価値があるものじゃなきゃ
最高を諦める人が多すぎる
私は最高以下は求めない
そうじゃなきゃ、そう、完璧じゃなくっちゃ

 

その価値がある者じゃなきゃ そう

パーフェクトじゃなくっちゃ           (拙訳)

********************************************************************

   これは彼らのファースト・シングルで、見事全英1位を獲得しました。

 まさに鮮やかなデビューを飾ったわけですが、実はボーカルのエディ・リーダーもギタリストで曲を書いていたマーク・ネヴィンもこの時すでに29歳でした。

 

 スコットランド出身で歌手を目指していたエディは、パンク・バンドのギャング・オブ・フォーのバックコーラスのオーディションを受けるためにロンドンに行き、合格したことからキャリアがスタートします。

 その後、ユーリズミックスやヤズーのアリソン・モイエ、ウォーター・ボーイズなどバックシンガーの仕事を続け、OUTBARというディスコ・グループのボーカルもやったりしていました。


OUTBAR - When The Bad Men Come [Hoki-Bo Sado-Bo] 12" Mix

 そしてこの時期にマーク・ネヴィンと出会い、フェアグランド・アトラクションを結成するわけです。

 ”催し物、お祭りの見世物、呼びもの”といった意味のバンド名としっかりリンクした、フォーク、ジャズ、カントリー、ケイジャン音楽などをミックスしたノスタルジックで、ストリート・ミュージシャンっぽい佇まいが、打ち込みがどんどん主流になっていた当時の音楽シーンの中で、かえって新鮮に映ることになりました。

 

 昨日の記事で紹介したシックスペンス・ナン・ザ・リッチャーもそうでしたが、音楽の機械化、デジタル化が進むと、必ずそのカウンター、揺り戻しとして、すごくヒューマンなものが突然ぽ〜んと売れるという現象が起きるんですね。

 

 フェアグランド・アトラクションも、本来は通好みでアーティスティックな要素の強いバンドですが「パーフェクト」という曲がすごくキャッチーな曲だったために、<少数派でシーンで目立つスタイル>×<わかりやすい楽曲>という化学反応が起き、弾けたのかもしれません。

 

  

  女性が書いたとしか思えないシックスペンス・ナン・ザ・リッチャーの「Kiss Me」は、バンドの男性ギタリストが書いたものでしたが、この曲も男性ギタリスト、マークが書いています。

 これは、エディー・リーダーという大変魅力のある女性ボーカリストに、イメージが掻き立てられたおかげじゃないかと僕は推測したのですが、全然そうじゃなく、彼の実体験から生まれた曲だったようです。

 

「ロンドンのクリクルウッドにある、汚いワンルームアパートにガールフレンドと住んでいたんだけど、夜中にベッドに横になって考えたんだ。”彼女と別れなきゃ、僕に似合う人じゃない”、自分が何かを成し遂げなくちゃいけないと考えると、ぞっとするような、じわじわと苦し苦なる気持ちになるよね?だから僕は横になって天井を見ながらこう思ったんだ、”こんな気乗りのしないことはしたくない。次はちゃんとしよう、完璧なものにしよう”ってね。
"これはなかなかいい "と思ったので、翌朝、ノートに向かい、歌詞をいくらか書いた。メロディーはあったけど、しっくりしなかった、ちょっとレゲエっぽくて、ちょっとありふれていて、大したものにはなりそうになかったので、そのままノートに書き残したままにしたんだ」

 

「その後すぐ、僕はアメリカ、オハイオ州アクロンのアパートにいたんだ。すごく似たようなことなんだけど、僕は別のガールフレンドと一緒にいて、こう考えたんだ、"やばい、彼女と別れなくちゃ!"。そのとき、ノートに書いてあった曲を思い出したので、開いてみたら、今度はメロディがストレートに浮かんできて、曲を完成させた。当時、僕のガールフレンドがシンガーで、彼女がデモをカセットプレーヤーに入れてくれて、その後すぐイギリスに戻って、しばらくカセットをしまう箱の中に入れたままにしていたんだ。」

 

「そして、エディと僕がロンドン周辺でライヴを始めると、僕らはかなりジャジーで、スローな、浮遊感のある曲をやっていて、僕は”パーフェクト”はキャッチーすぎるな、一度聴いたら一日中頭の中で鳴っているようなね!でも彼女がこの曲をやるとは思えなかったんだ、だって陽気でポップすぎたから、彼女はもっと暗く悲しい歌が好きだったんだ」

「だけど、エディに何かをやらせるベストな方法は反対のことを言えばいいっていうのがわかっていた、彼女はいつだって僕のいうこと全部に反対していたからね!それで僕はこう言った”こんな曲があるんだけど、バンドでやるべきじゃないって思ってる、だけど、ちょっとネタとして聴かせてあげるよ”。そして僕が演奏すると、彼女は言ったのさ”私たちでやればいいじゃない?”」

(”SONGWRITING ” 28 MARCH 2019)

 リアルな実体験から生まれた曲ですから、のちにマーク・ネヴィンはセルフ・カバーもやっています。

 


Perfect

 

*著名な写真家エリオット・アーウィットの「サンタモニカ、カリフォルニア」(1955)を使ったアルバム・ジャケットが鮮やかでした(僕も当時渋谷のCISCOで輸入盤をジャケ買いしました。。。)

 

popups.hatenablog.com

popups.hatenablog.com

 

 

楽器買取専門店【楽器の買取屋さん】最短30分の無料の出張見積もり

ネットオフ

お名前.com